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木版、銅版だけが版画ではない
メディアを介在させるものすべてが版画表現に |
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―― 版画という作品の魅力はどんなところにありますか。
武蔵 私は当初デザインを志してアメリカの美大に留学していたのですが、ある時先生が持っていた版画の作品集を見て、その斬新な技法に強く心を打たれたのです。ドイツのリトグラフ作家でパウル・ヴンダーリッヒの作品でしたが、グラフィックであり、ファインアートでもあったその作品は、私にとって実に衝撃的な出会いでした。以来、この世界にのめり込んでいます。 |
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絵画の場合、直接キャンバスに絵の具で描きますが、版画は版を介在して表現していますから、刷ってみないとわからない。これが間接表現の魅力で、多様な感性から生み出される新たな造形感覚での表現も作家の創造する楽しさを拡げてくれます。
版というものを私はメディアだと考えていますから、油彩や日本画など直接キャンバスや紙に描く方法以外で、媒体で表現するものは広い意味ですべて版画だというとらえ方です。だから、精華の学生にしてもアイデア次第でさまざまな素材やテクニックを駆使し、自分が求めていた表現と相性がピタッと合えば素晴らしい作品が生まれてくる可能性があります。
これまでの日本の版画家のイメージは伝統的な版画ジャンルを追求されている先生がほとんどだと思いますが、海外の作家の場合、版画の他にペインティングもしますから、版画を特殊な専門領域として考えていないようです。私も同様に考えて活動していますから、基本的にメディアがあれば版画表現が成り立つ訳です。これだと表現の可能性は無限に広がってくるわけです。 |
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