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【美術・デザイン】
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  情報を整理、再構築し、情報伝達としての機能性を高め、さらに「美」を融合させて社会に発信しているのがグラフィックデザインである。  
     
     
     
  美澤 修 准教授  
  1989年渡米、1992年にSchool of Visual Arts(ニューヨーク)卒業。Javier Romeroに師事、NEC、APPLEの広告及びパッケージなどを手がける。全米プロバスケットボールの祭典、NBA ALL Gameのロゴも同時期に手がけ、1997年のクリーブランド大会でロゴが採用。その後、フリーランスのアートディレクターとしてニューヨークを拠点に活動。1998年帰国、美澤修デザイン室を設立。東京アートディレクターズクラブ、日本グラフィックデザイナー協会、東京タイポディレクターズクラブ、ブルーノグラフィックデザインビエンナーレ、韓国国際ポスタービエンナーレなど、入選。  
         
 
 コミュニケーションツールとしてのグラフィックデザインは、メディアの多様化とともに、社会に氾濫し、今や情報過多の状況を呈している。
 とりわけ、われわれの視覚にいや応なく提供されるポスターやチラシ、サイン、情報誌、パッケージなどの「VISUAL DESIGN」は、商空間や住環境に深く浸透し、現代社会ではもはや情報ジャングルを避けては暮らせない。この中で、情報を整理、再構築し、情報伝達としての機能性を高め、さらに「美」を融合させて社会に発信しているのがグラフィックデザインである。
  美澤先生のゼミでは単に情報を視覚化するだけの作品創りのテクニックだけにはとどまらない。「伝える」という機能を徹底して追求することで、その本質を作品の中に表現する。
 ここに時間をかけないと、社会に伝えたい情報を誤解されることがあるばかりか、時には不快な情報となって社会で一人歩きしてしまう。 
  美澤先生は自らの経験と毎日のデザインワークを通して、これを実感している。だから課題制作の時間はいつもリアリティにあふれ活気づいている。  
美澤先生授業
         
         
 
 
若い感性をハイレベルなアメリカで研鑽。 語学力を磨いて最先端へチャレンジ!
 
     

 ―― 20歳で日本を飛び出し、学生時代を入れて10年間アメリカの広告業界で活動されていますが、日本の美大を卒業後、アメリカをフィールドにするには、どんなことが求められますか。

美澤  私が編入で行ったSchool of Visual Artsは、指導スタッフのほとんどが現役の著名なクリエイターでした。この環境がとても刺激的で作品制作指導も実践的だったのが良かったと思います。
  この学生生活の2年間が今の僕の授業やワーキングの原点になっているんです。それは、テクニックで表面を飾る前に、あらゆる角度からクライアントのオーダーを分析し、とことん追究していく。時間はかかりますが、与えられたテーマから逃げることなくしっかり対峙する姿勢から仕事をスタートさせます。

  アメリカのクリエイティブ業界は、例えばポスターを制作する場合、アートディレクター、コピーライター、CGクリエイター、グラフィックデザイナー、オペレーターなど、多彩なスペシャリストで構成され、それぞれの職能でハイレベルな感性や技能が求められます。現在では日本でもこの傾向にありますが、日本の若いクリエイターが、このデザインファームで研鑽を積めばきっと将来に役立つ経験になると思いますよ。
 

 ただし、日本と違う文化の海外ですから、想像できなかったようなアクシデントもあります。強い目的意識をもっていないとツブされます。
  最低限語学力だけはしっかりマスターしておいた方がいいです。僕も苦労しましたから(笑)。
  日常会話にプラスして、はっきりとしたフレーズや単語では表現しにくいデザイン独特のイメージの部分をどのように伝えるかがネックになるんです。
   
  コミュニケーションがとれなければ商業美術は成り立ちませんから。もちろん日本語でも同じですが。
 
学生作品
 
         
         
 
 
グラフィックデザインは、いかに伝えるかというコミュニケーションのデザイン
 
     

 ―― 学生への制作指導で特に留意されていることは。

美澤  グラフィックデザインとは、情報の発信者、つまりクライアントの意志をエンドユーザーや社会に対して、より効果的に伝えるという機能と役割を担っています。わたしの授業では、この思考と表現力を具体的な課題制作の中で身に付けていきますが、何のためにという目的を明確にするよう指導しています。この軸がブレると、視覚的表現にいくら優れていても効果的なデザインとはいえなくなります。
 
 この段階で「考える力」を養い、これを推進力に「アイデア」を創出していきます。オリジナリティ豊かなアイデアこそがグラフィックデザインの生命線ですから。
 
         
         
 

―― アイデアや感性をトレーニングするというのは難しいことだと思いますが。

美澤  他人とは違う、印象的でビックリする様な発想は、「読解力」、「理解力」の習慣から生み出されてきますから、いつも柔軟な頭脳で多角的に物事を思考し、それを素材に構成するよう指導しています。
 
 高校生でグラフィックデザインの世界に興味を持たれる方は、きっかけとして「絵を描くのが好き」「ポスターやイラストを描くのが好き」で充分ですが、プロを目指そうと考えたら、身の回りにある商品や宣伝用のツールを見て、何を伝えようとしているのかというその本質を探ってみると、見方が変わってくると思います。プロのデザインにしてもここの表現をはずすことはできません。
 
         
         
 
 
より現実的で斬新な発想が
期待される課題制作
 
     

 ―― 課題制作は実際にどの様なかたちで進められるのですか。。

美澤  2、3、4年を対象にしたC.I計画の授業(グラフィックデザイン専攻領域以外の他専攻領域の学生も履修可能)で毎年課題にしているのが、航空会社をクライアントにした企画制作です。
 実在する航空会社をモチーフにしてもいいし、架空の航空会社を想定してもかまいません。収集資料を分析し、あるいは企業イメージを構築しながら企業の求めているもの、つまり企業理念を探ることから初め、C.Iから、チケット、タグ、メンバーズカード、テーブルウェア、アメニティーセット等のアプリケーション、また、機内誌、広告キャンペーンなど、グラフィックの可能性が考えられるツールは、総てを対象とした総合的な企画、デザイン制作をします。対象とした航空会社のコンセプトができるとアウトラインをプレゼンテーションさせます。
 
 ここで私や回りの学生が、企画の甘さを厳しく追求していきます。このディスカッションの展開がプロの現場に入った時、とても役に立っているはずです。
 グラフィックデザインの現場は、クライアントやチ ーム、関係する業界など複雑な人間関係で構成されます。ここでクリエイターの提案を理解していただくにはコミュニケーションを図る力が要求されるのです。
 そして最終目的も視覚を通して情報を伝えることですから、この課題でその空気をおおいに実感してほしいのです。
 
学生作品
         
         
 

 ―― どの様な企画や作品が提案されていますか。

美澤  毎年、とても興味深いユニークな発想の提案があって楽しみにしています。例えば、華やかでワクワクするようなウェディング専用機や、とことん楽しい食事タイムにこだわった企画があったり、また、日本文化を学ぶ事が出来る「包航空株式会社」など、もし実現したら社会的にも話題になると思います。
 一般的にグラフィックデザインは、結果として印刷媒体を中心とした平面の色彩構成や文字、写真やイラストとのバランス構成で情報を伝達し、それを観たユーザーは情感を刺激されたりしますが、実はその本質にあるターゲットはビジュアルとして表現されていないところにもその意志は反映されているのです。そして、そこから新たな価値観が創造されていくことが、グラフィックデザインの醍醐味でしょう。
 
 プロの現場では、予算や納期、人間関係など目に見えないプレッシャーとも闘いながら進行されますが、この比重が重ければ重いほど作品が完成したときの感動もひとしおです。
 
学生作品
         
     
 
美澤先生がおすすめする高校生のための
「グラフィックデザイナー三種の神器」
 
     
  Adobe Illustrator・・・最も良く使われているグラフィックソフトだと思います。 絵を描いたり、複雑なレイアウトをする場合、とても有効だと思います。  
  Adobe Photoshop・・・ 画像を修正したり、新しい画像表現をつくり出す時に有効だと思います。  
  Adobe InDesign・・・ 書籍や雑誌等の文字をたくさん扱いページの多いもの、文字組みを多様する表現に有効だと思います。  
     
  現在ではデザインワークがコンピュータ化されています。 しかし、デザインの本質はアイディアやコンセプトといわれる、「考え方」です。コンピューターではなく脳みそを鍛えていきましょう。  
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