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学びのすすめ 東京経済大学
     
     
     
     
  岸 志津江 教授  
  国際基督大学卒業後、イリノイ大学大学院コミュニケーション研究科広告学科修士課程を経て、イリノイ大学大学院コミュニケーションズ・リサーチ研究所博士課程修了。名古屋商科大学専任講師、名古屋市立大学経済学部・同大学院助教授を経て、1998年より東京経済学部経営学部教授。専門分野は広告論(特に広告効果)。  
         
 

 こんなものがあったらいいな、と考えている消費者の夢にぴったり合った商品を、もし生産者が提供できたら、そこには商品が売買される場=市場(マーケット)が生まれます。商品の生産者と消費者を結びつけて新たな市場を創造していくのが、流通マーケティングの役割です。

 

 新たな市場創造のための重要な手段のひとつである「広告」のプランニングについてゼミ指導を行っている岸志津江教授にお話をうかがいました。

 
         
         
 
 
「流通マーケティング」の目的は
「求める人」と「提供する人」を結ぶこと
 
     

 ―― 「流通」はイメージできるのですが、「マーケティング」とは何でしょうか?

 優れた性能を持つ製品を作ったからといって、それだけで売れるとは限りません。「マーケティング」は、資本主義の先進国では供給が需要を上回り、作ったものがなかなか売れない状況で、売るにはどうしたらよいかということから、アメリカで約100年前に生まれた技術であり理念です。
 
例えば、CMや雑誌・新聞広告がどのような効果をもたらすのか、ヒット商品がどのように生まれるのか、流通の仕組みはどうなっているのか、同じ商品なのに店によってどうして価格が違うのかなどは、企業のマーケティング活動に関わることなのです。
 「求める人」を見つけ出したり、生み出したりして、「提供する人」を結びつけるためにはどうしたらよいかを学ぶのが、流通マーケティング学なのです。
 
         
         
 
 
「実例研究」と「企業実習」で学ぶ
実学教育システム
 
     

 ―― 流通マーケティング学科の特徴的な授業を教えてください。

 「ケース・メソッド」と「オフ・キャンパス・プログラム」の2つです。
 「ケース・メソッド」は、企業の実例を使って学生自身が成功や失敗の原因を探り、解決策を考えます。少人数クラスで、学生同士がディスカッションしながら進められる授業です。例えば、ゲーム機メーカーのA社とB社があるとします。A社は消費者の支持を得て、売り上げを伸ばし、ゲームソフトを充実させているのに対し、一方のB社はどんどん勢いを失っている。こうしたビジネスの動きを、実際の企業の実例を取り上げながら、なぜそうなったのか、両社の違いはどこにあったのか、B社が復活するにはどのような戦略を立てればよいのか。こうした事例研究が「ケース・メソッド」です。
 
「オフ・キャンパス・プログラム」は、ダイナミックに動きつづける流通マーケティングの世界の現場に触れ、教室で学んだことと結びつけて理解を深め、同時に、就職についての知識と意欲を高めるための企業実習です。例えば、百貨店で売り場に立つ実習の場合、売り場づくりを流通のプロたちはどうやって演出し、消費者の購買意欲をどう高めているのかを、販売活動を通じて実地で学びます。「オフ・キャンパス・プログラム」により、ビジネスの厳しさとおもしろさの両方を実感できるはずです。

 
     
         
         
 
 
広告とはどのようなコミュニケーション
なのか理解してほしい
 
     

 ―― 担当の専門ゼミでは学生にどのような指導をなさっているのですか?

 「広告プランニング実習」では、状況分析から広告制作までの流れを学んでいきます。広告を作るというと、CMを制作するのかと思われがちですが、重視しているのはプランニング=戦略立案です。市場分析を行い、広告の目標やターゲットを絞り、表現方法を探り、媒体を決める。こうした一連の広告作りをグループで体験していきます。この演習で学んで欲しいのは、消費者の生活を理解し、消費者と商品の関係を理解することです。広告は企業や消費者を結ぶコミュニケーション手段です。
 
TVCM中心という旧来の手法にとらわれずに、インターネットや店頭、フリーペーパーなど、さまざまな媒体を活用して、消費者の意識や行動にはたらきかける方法を学んでほしいと思います。そうしたことを含め、「広告とは、どのようなコミュニケーションなのか」ということを理解してほしいのです。
私は学生から良く厳しいといわれます。わからないことは自分で勉強しなさいと突き放すことも多いんです。でも、流通マーケティング学科の場合、研究者志望よりも社会で活躍したいという人の方が多い。文献を読むだけでなく、自分の頭で考え、自分の言葉で表現できる能力をつけるべきなのです。「言うのは易く、行うは難し」といいます。まずは、広告についてもマーケティングを含めたプランニング全般を体験して、問題解決能力と創造性を伸ばしてほしいと思っています。

 
         

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