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  教育現場での体験を大切にし、人間性に溢れた教員の育成を目指す 横浜国立大学 教育人間科学部。
「人間は関係という輪の中で育てられる」という言葉を信条とする 高橋 勝教授に、教員になるための“生き方のヒント”を語ってもらった。
 
     
     
     
  高橋 勝 教授  
  1977年東京教育大学大学院教育学研究科博士課程単位取得 1977年愛知教育大学専任講師、助教授。1982年横浜国立大学助教授を経て1993年に教授となる。1995年からはベルリン自由大学客員研究員。同年12月東京学芸大学連合学校教育学研究科(博士課程)教授。2000年横浜国立大学人間科学部付属小学校校長を2004年まで務める。
専門分野は教育人間学。
 
         
 
 
これからの教育・幼児教育
・児童心理学を学ぶみなさんへ
 
     
 非常に残念なことですが、近年、教員養成系大学への進学志望者が全体的に減ってきています。本学も2、9倍から2、7倍に下がりました。2倍を切った大学もあるそうです。 志望者が減少した背景には教育バッシングがあると考えられます。
 
 このところ「教師はもっとしっかりやれ」など社会の教師に対する要求水準が上がってきており、社会の眼差しが厳しくなってきています。
そんな現状から若い人たちが教師という職業に飛び込んでいくことをちゅう躇しているようです。
 
         
         
 
 
“子どもたちが学生を教師にする”
 
     
 教師になろうか、なるまいかと迷っているボーダーライン上の学生たちに4年間でみっちりと教員の魅力を教えて、教員になりたいと思うように仕向けていくのが私たちの役目です。
 本学の主眼は良い教員の養成です。子どもと遊んだり、学んだりしながら自分の世界を広げていくことが出来る先生に育てていきたいと考えています。1年生の基礎演習の時間で必ず、年に何回か付属小学校で子どもたちと遊ぶ時間を作っています。また、地域の小学校で先生のお手伝いをするアシスタントティーチャーなど現場での経験を大切にしています。

 今の若者は非常にパッションというのでしょうか、感動に飢えているんですよね。よい例が4週間の小学校の実習に行くと、「先生、帰らないで!」と最後に子どもたちにしがみつかれて、学生たちは別れが辛くて泣きながら帰ってきます。そういうドラマチックな場面での経験と想いが教師への道を歩もうという動機になっていきます。
 


 “子どもたちが学生を教師にする”と学生たちにはよく話しています。もちろん私たちもあんな授業をしてみたい、と学生たちを奮起させるような授業を実践しています。
 
 
         
         
 
 
とにかく“人間好き”であって欲しい
 
     
 とにかく“人間好き”であって欲しいと考えています。人と話をしないで自分の世界にこもるって人は最近、多いんですが、これを私は“柔らかな引きこもり傾向”と呼んでいます。けど、それは大学時代に色んな人と会えば脱皮できるものなのです。
 1年生によく言っていることなのですが、4年間で自分の良い所も悪い所もさらけだして、すべてを受け入れてくれる仲間と出会うこと。それが自分を変える絶好のチャンスなんだよ、と話しています。
 
 様々な年齢や立場の人たちと交流したり、ひとつの問題を賑やかに意見を交わしながら、その輪の中に周りの人たちを巻き込んでいけるタイプは、子どもたちを惹き付ける力を持っています。
 授業もそれと全く同じです。子どもたちに教科を教えるということは最初、子どもたちは遠巻きでいいんです。子どもたちと一緒に何かを作ったり、試行錯誤している間に子どもが輪の真中に知らないうちに立っているっていうのが理想的な教育ではないでしょうか。
 
         
         
 
 
変化の楽しみを知っている人が
教師になればいい
 
     
 4年間で学生に伝えるべきことは山ほどあります。もう1年間置いておきたくなるほどです(笑)。学生たちは話し方がうまくない、教え方がうまく出来ないから自信がないと言いますが、それは当たり前のことで、みんなまだ22歳なんだから話し方が下手だとかいうのは当然のことなんです。人の話をちゃんと聞くことによって10年後には伸びて来るのです。
 要は人間は変化していくのです。その変化の楽しみを知っている人が教師になればいいと考えています。
 
 私はどういった方向であれ、変化するのはとても大事だと考えています。例えばファミレスに行って毎回、ハンバーグばかり食べている人は自分が好きなものを広げようという考えが少ないですよね。人と食事に行ってその人の好みに合わせてレパートーリーを広げていくというのも変化のひとつではないでしょうか。

 将来、先生を志す人たちには、人の話を聞く力とイマジネーションを今のうちから養っていって貰いたいですね。
 
         
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