
卒業後の進路として進学を選んだ時、学力や学習の目的が志望校と合致するかどうかということはもちろん大切ですが、保護者として最も気になるのは、進学に伴う学費などの経済的な問題ではないでしょうか。
ここでは保護者の皆さまの時代との比較を交えつつ、進学にかかる費用の実情をみていきたいと思います。
現在、進学にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
日本政策金融公庫が平成22年度に調査した「入学先別にみた入学費用」(右図)によると、子ども1人あたり786,000円から974,000円ものお金がかかることになります。
大学・短期大学へ一般入試で受験する場合、ほとんどの受験生は複数の学校を併願して受験するでしょう。
受験料はセンター試験(2教科以下)=12,000円、(3教科以下)=18,000円、国公立大2次(個別)試験=17,000円、私立大学=35,000円前後です。
複数校を併願する場合、3校でも10万円ほど、10校なら30数万円と、受験料だけで相当な費用となります。
そのうえ、志望している学校が遠方ならば交通費や宿泊費もかさむことでしょう。
また、志望校に合格した場合、入学手続き時に入学金などを納付する必要があります。
合格発表から手続き締め切りまで1週間~2週間と期間が短いことが多いです。
複数の学校に合格した場合、その数だけ支払う必要が出てきます。
「1次手続きで1/3、最終手続きで残り」など分納制度を採る学校がほとんどですが、それでも多額の費用がかかってしまいます。
また、私立大学を例に挙げて比較してみると、1983年に比べて1.5倍以上の初年度納付金がかかるのもまた事実です。
■ 入学先別でみた入学費用(子ども一人当たりの費用)
日本政策金融公庫「平成22年度 教育費負担の実態調査(勤務者世帯)」より
※学校納付金は入学金、寄付金、学校債など、入学時に学校に支払った費用で、入学後の授業料等については含まれていません。
さらに「私立大学新入生の家計簿負担調査」(21年度東京私大教連)によると、自宅外通学者の場合、入学したその年1年以内にかかる費用は約300万円で、一般的な家庭における税込年収の33.3%を占めていました。
(東京私大教連 21年度「私立大学新入生の家計簿負担調査」)
それでは住居費をはじめとする生活費はどうでしょうか。
ひとり暮らしを始める際にかかる費用の全国平均額は、部屋探しにかかる費用が232,800円(契約を含めた費用。
敷金や礼金、不動産仲介料などは地域や店舗によって異なる)、生活用品・身の回り費用約265,000円~280,000円、そして月々の家賃53,720円と、かなりまとまった費用がかかります。
学校によっては学生寮を用意している場合や、学校でマンションやアパートを紹介していることもありますので、パンフレットや学校の窓口などで確認することをお勧めします。
高額な進学資金を捻出するにあたっては、家計全体の支出の内訳を見直さなければなりません。
しかし、現実にはなかなか困難な問題です。そこで注目したいのが奨学金。最近は利用者も多く、さまざまな種類の奨学金が用意されています。
奨学金には、日本学生支援機構・地方自治体・民間育英団体・企業・新聞社・協会等の修学資金・学校独自・家計急変者対応(型)奨学金などがあります。
申し込み時期は、日本学生支援機構を例にすると高校在学中、または進学した学校に入学した春となります。
家計急変者対応型は時期を問いません。
学校独自の奨学金は受験時が多く、入学後や時期を問わないものもあります。
最近は各学校とも独自奨学金に力を入れており、給付型の奨学金も増えています。
家計急変者対応奨学金については「奨学金・教育ローン・特待生制度活用術」
で詳しく紹介します。
| 日本学生支援機構奨学金代表的な申し込み方法 |
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【予約採用】入学前の申し込み 入学前に奨学金を予約する制度です。 進学する前年に在学している学校の奨学金窓口に申し出てください。 |
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【在学採用】入学後の申し込み 毎年春に学校で奨学生の募集を行います。奨学金を希望する人は、在学している学校の奨学金窓口に申し出てください。 ※他に【応急予約採用】【緊急採用・応急採用】があります。 |
入学試験合格の段階で相応の学資を手に入れられるのが特待生入学です。
特待生入学には学校側が求める学業成績や指定資格の取得状況などの独自基準が設けられています。
しかし奨学金制度との一番の違いは、そのほとんどが経済的な面での基準を設けていない点です。
つまり、学生自身の学業成績次第で大きな学資を手に入れられる可能性があるのです。
特に専門学校の場合には、資格や検定試験の取得・合格実績を持つ人に特典を与える「資格奨学制度」や「高資格特待入学制度」などが多く導入されています。
また、当該試験合格により特待生として採用されるパターンのほか、新入学者の中から成績上位者に所定の奨学金を給付するものや、2年次に新規採用するものも学校によっては設けられているので、全体としての採用枠自体は比較的少ないものの、チャンスは意外に広がっているようです。