専門職大学・専門職短期大学特集

専門職大学・専門職短期大学特集

専門職大学・専門職短期大学とは?

ひとことで言うと、「高度な専門技術に加え、理論にも裏付けられた実践力を兼ね備えた質の高い職業人を養成する大学(短期大学)」です。大学の類型としては短期大学の創設(1964年)以来55年ぶりに新しい学校制度が誕生しました。

現在の高等教育や企業現場が抱える課題を解決する人材を育成するために
「実践的な職業教育」を大学レベルで行う、新しい教育機関が専門職大学/専門職短期大学なのです!

●社会の変化に対応できる人材
●実践力・創造力・専門性+理論を兼ね備えた人材
●新しい価値観を創出できる人材
を養成しています

新しい学校制度がどうして誕生したの?

専門職大学/専門職短期大学が新設された背景には、「産業構造の変化」「労働人口の減少」「高度情報化」「グローバル化」など、私たちを取り巻く社会の急激な変化があります。

社会の急激な変化とは・・・

早いサイクルで進化するインフラ
インターネットが社会インフラとなって20年。今は多くの人がパソコンと電話機能を兼ね小型化したスマートフォンを使用していますが、10年後はどうなるでしょうか。技術革新はめざましく、私たちの生活にも大きく影響を及ぼしているのです。

データを集めてビジネスチャンスに
皆さんはタッチ式の通学定期券を使っていますか?改札で使用する度に、入退場のデータが集積されているのです。より便利な世の中をめざして、AI(人工知能)、IoT(モノがインターネット経由でつながること)、ビッグデータなど情報収集やデータ解析が高度化し、企業では新たなビジネスに活用する動きが加速するため、専門の技術者が必要となります。

少子高齢化で労働人口が減り、人手不足が加速
働ける人材が減ると、人手に余裕のない会社ではイチから新人を教育する時間がなくなります。加えて、労働生産性の向上や働き方改革(長時間労働の是正など)、第4次産業革命とよばれるAIやロボットが人間に代わって働くことで人手不足を補うなど、これまでの労働環境とは大きく変わります。そのため、新人でも「即戦力」で働ける人が求められるようになります。

グローバル化が進む
ビジネスの世界では、人口減少の続く国内に留まらず、新たな市場を求めて企業が海外へ進出します。生産拠点、販売拠点ともに海外との取引が今後も加速するのです。訪日外国人も増加の一途をたどっていますので、国内でも外国人に対するサービス業務はますます増えていきます。さらに2019年4月より、海外からの労働者を新たに受入れる(特定技能1号、2号)ことになりました。業種や職種にかかわらず、世界中の人がビジネスパートナーや顧客になるのです。

上記のような社会変化に対応するためには、大学・短期大学・専門学校などといった現状の高等教育機関では養成しきれないという課題があります。そこで、新たな発想でより高度化する専門分野をリードし、新しいサービスを作り出せる人材を育てる教育機関が必要となり、専門的な実践力と幅広い教養の両方を身に付ける専門職大学/専門職短期大学が設立されることになったのです。

大学・短期大学・専門学校とココが違う!

専門職のリーダーなど「質の高い職業人養成」がポイント

従来の大学では、学問研究や教育、あるいは教養に力を入れているのに対し専門職大学では、専任教員の4割以上が企業等での実務経験者であること、授業の3分の1は実習・実技とすることなどが義務づけられており、従来の大学に比べ実務実習を主体とした実践的な教育内容となっています。特に将来企業などで専門職のリーダーとしての活躍が期待されていることから、最先端の技術・知識を身につけることができる専門職大学では、質の高い職業人をめざせるでしょう。

専門職大学/専門職短期大学と大学・短期大学・専門学校の違い
専門職大学
専門職短期大学
大学 短期大学 専門学校
教育目的と特色 企業の現場で役立つ知識・技術を実務家教員が養成し、専門性が求められる職業を担うために必要な実践的かつ応用的な能力を育成・展開させる 学術の中心として、広く、深く学芸を研究し、知識、道徳的、および応用的能力を展開させる 深く学芸を研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成する 職業もしくは実際生活に必要な能力を育成、または教養の向上
設置学部・学科 専門性が求められる職業について、特に理論と実践力を兼ね備えた人材を求める業界のニーズに応じた学部・学科 学問体系における学部・学科(あるいは学群・学類)区分(最近では職業に結びつく力をつける学びの傾向も強い) 学問体系における学科区分、または職業や実生活の必要に応じた区分、コース 職業や実生活の必要に応じた区分。さまざまなコース
授業科目 基礎科目、職業専門科目、展開科目、総合科目(4年制で40単位・2年制で20単位以上の実習科目、うち4年制で20単位・2年制で10単位以上は企業等での「臨地実務実習」が必修) 一般教養科目、外国語科目、保健体育科目、および専門科目(最近では、企業と連携し職業や実践力を意識した教育も増えている) 一般教養科目、専門的な知識・技術などの修得のための科目、資格取得支援の科目 専門的な知識・技術などの習得(実習・実技の時間が多い) 
授業時間(卒業に必要な時間・単位数) 4年制124単位以上
2年制62単位以上
3年制93単位以上
4年制124単位以上 2年制62単位以上
3年制93単位以上
1年間800時間以上(時間制)
※単位制を導入している学校も一部あり
編入学・単位互換 専門学校や短期大学からだけでなく社会人の編入学生も積極的に受け入れる。(入学前に実務経験や資格取得などを通して実践力を身に付けている学生については所定の単位数が与えられることがある) 大学・短期大学間で編入学は可能 大学・短期大学間で編入学は可能 大学・専門職大学・専門学校(2年制以上で基準あり)間で編入学可(一部の学校で単位互換可能)
1時限の時間 講義は原則90分(臨地実務実習は4年制で計600時間、3年制で計450時間、2年制で計300時間) 原則90分 原則90分 50分、90分など(45分、60分、75分もあり)
修業年限 4年(専門職大学)
2年または3年(専門職短期大学)
4年~6年 2年~3年 1年以上(1~4年。2年制が最も多い)
卒業後の称号・学位 学士(専門職)、短期大学士(専門職) 学士 短期大学士 専門士(2年制以上で基準あり)
高度専門士(4年制以上で基準あり)

どんな特徴があるの?

1柔軟な学習スタイル

4年制課程については前期課程(1~2・1~3年)と後期課程(3~4・4年)に区分されます。これにより、前期課程修了後にいちど就職してから数年後、後期課程へ再入学する、短期大学や専門学校などから編入学する、社会人が学び直しのために後期課程から編入学する・・・など、積み上げ式の多様な学習スタイルが実現可能となります。

高校卒業-新入学のほか、大学や短期大学・専門学校からの編入学、社会人の学び直しなどに適しています。(資格取得者、実務経験者は編入可)

2少人数でプロ(経験豊かな実務家)から学ぶ

同時に授業を受ける学生数を原則40名以下としています。数百名が同時に受講することもある大学の授業とは大きく異なります。また、専任教員のうち4割以上は専攻分野において約5年以上の実務経験があり、かつ高度の実務能力を持つ者(実務家教員)で構成され、そのうちの半数以上は研究実績を有する者と決められています。

3企業や地域と連携したカリキュラム

産業界や地域社会と連携した授業科目(カリキュラム)を編成しています。関連企業が求める人材を育成するための要素を組み込みます(教育課程連携協議会の設置)。さらに、設置認可申請中の専門職大学の中には、学内に株式会社を設立したり、学生全員に在学中に起業させるといった具体的なプランも出てきています。

4独自の履修科目がある

【臨地実務実習】
キャンパスを離れ、職業分野の企業などで長期の実務実習を行います。
実習内容は担当教授が指導・単位認定することになりますので、従来の企業インターンシップよりも一歩踏み込んだ実務を行います。
4年制・・・600時間以上
2年制・・・300時間以上
が義務づけられています。

【展開科目】
専攻する職業分野に関連する他の分野を学びます。応用力を育み、創造的な役割を果たすために必要な能力を身に付けます。

【東京保健医療専門職大学】

  • 音楽療法
  • 美容学(化粧) など

【せとうち観光専門職短期大学】

  • 経営学
  • ICTとIoT
  • コミュニティデザイン論 など

【ヤマザキ動物看護専門職短期大学】

  • 死生学
  • 少子高齢社会と人口問題
  • IT社会論 など

どんな人材を育成しようとしているの?

分野は限定されませんが、国としては今後の産業界で成長が見込まれ、人材の育成が急務な「成長分野」(ICT・農業・観光・福祉・美容・食/調理)において、ICTに精通し、新しい価値観を創造できる実践力+マネジメント能力を兼ね備えた人材を育成したいと考えています。

育成する人材の具体例

ICT
  • 高度な専門性を活用してICTでイノベーションを起こすことのできる人材
  • 他の産業分野と連携して新たな企画構想を商品化できる人材(ICT:Information and Communication Technology)
農業
  • 質の高い農産物の生産に加え、その高付加価値化や販路拡大を担う人材
  • ICT技術を駆使して生産性や安全性の向上を図ることのできる人材
観光
  • マネジメントやマーケティング、経営の知識をもつ人材
  • 観光経営を担うトップ人材や、地域の観光の中核を担う人材
福祉
  • 福祉・医療・介護におけるICT技術の知識をもつ人材
  • その技術を利用し、新しい介護サービス提供や事業化を主導する人材
美容
  • 現場でのサービス提供と店舗運営・人材マネジメントの両方を担える人材
  • 美容業界に新しい価値を創造し、その事業化を主導できる人材
食・調理
  • 調理技術だけでなく、農・環境・食文化・経営に深い理解をもつ人材
  • 新たな発想によるサービス提供や店舗運営を主導できる人材

どんな人が向いている?

専門職大学が向いている人は、どんな人でしょうか。それは「なりたい職業がはっきりしている人」です。大学は、多くの理論や知識を学びながら専門の学問を追求していきます。それに比べ、専門職大学はさらに専門の職業に的を絞り、その職業の理論、知識から実践まで幅広く学ぶ大学です。一般的な大学は、例えば生理学や工学など学問を専門的に追究します。専門学校ならば、例えば美容や調理などの職業の知識と技術は学びますが、どちらも経営・マネジメント・新業態の創出・・・という部分までは限界があります。そこで、一般的な大学と専門学校の領域の間を埋める大学として専門職大学が設置されています。前記の「育成する人材の具体例」のように、職業の知識と技術の上に高度な学術的知識を身につけた、経営戦略や新事業を展開できる人材を育成する大学と言えるでしょう。

まだ始まったばかりの専門職大学ですが、農業や情報、観光、医療、さらに漫画やアニメ、ゲームなど幅広い分野での開校が始まっています。自分が行きたい業界で、新しい事業を創り出したい、と考えているのであれば、専門職大学を選び、実践を積みながら追求するのがよいでしょう。また、すでに社会人として活躍している人で、学び直したいと考えている人にも適しています。

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