鉄道の運転は、大勢の乗客の命を預かり、安全かつ分刻みのダイヤに従い、車両を定刻に目的地へ到着させる責任の重い仕事です。運転ごとに数十項目にも及ぶ車両の点検・確認作業を行い、踏切の通過時、カーブの勾配、定められた制限速度を守りながら、安全・確実な旅客運送を行います。また、運転の技術だけではなく、工事によって変化する線路状態はもちろん、自動改札の普及などによる駅員減少のため、乗客からの質問に的確に対応できるように営業、サービス面の知識も兼ね備えていなければなりません。
ダイヤ改正、新型車両の導入など、刻々と変わる業務に対応できる素質なども求められます。また、車両の種類が多い会社であれば、どんな形式の車両でも、性能を把握し、いつでも運転できるように、日々の勉強が要求されます。
勤務態勢は各会社によって違いはありますが、早朝の出勤もあれば、泊まり込みで始発に備えることもあり、ほぼ、24時間体制のシフトで勤務している鉄道会社がほとんどです。神経や体力を消耗する厳しい仕事のため、健康管理も重要です。
現在、鉄道事業法・軌道法に基づいて事業を展開している鉄道会社は、全国で199社。線路を所有し鉄道による旅客・貨物の輸送を行う第一種鉄道事業と呼ばれる、JR7社、小田急・京王などの中・大手私鉄、都営地下鉄・路面電車などを抱える地方自治体交通局などが代表的です。いわゆる“鉄道会社”と呼ばれるほとんどの会社が、この第一種鉄道事業に属していますので、運転士の需要は、ここに集中しています。
第二種鉄道事業とは、線路を所有せず、自社の車両を走行させる形態のことを言います。JR貨物が、その代表として挙げられます。そして、線路だけ所有して、他社の車両を走行させる形態が、第三種鉄道事業と呼ばれています。また、地元自治体と民間企業で出資して、廃線寸前のローカル線の運営を引き継ぐ、第三セクター方式の鉄道会社もあります。
鉄道といえばレールを走る旅客・貨物車両がイメージされますが、そのほかに法律上、鉄道と定義されているものにケーブルカー、トロリーバス、ガイドウェイバス、スカイレール、新交通システムなどがあります。ロープーウェイやリフトも索道事業と呼称され、鉄道事業の範疇に入っています。
一口に運転士といっても、運転する車両は実にさまざまで、幅広い活躍の場があります。激務のため、男性中心の職業と思われがちですが、最近は女性運転士の活躍も注目されています。 |