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車両整備係

新旧車両機器全てを熟知しているメカエキスパート
 
どんな仕事?
 車両整備係は検診(検査・修繕)の仕事を、専門的な技術と車両構造、電気系統まで網羅した豊富な知識で、日夜、乗客の目に入らない巨大な工機所で列車走行の安全確保に務めています。運転士・車掌の仕事より目立ちませんが、一日あたり約62万人の乗客が利用するある私鉄では412両もの数の車両を、ダイヤを乱さないよう、点検整備を行っています。

 鉄道車両は万が一、走行時に故障を起こしても、安全装置の一つであるシステムを 多重系にした自動停止機能を備えた「フェールセーフ」という機構を備えているため、被害を最小限にとどめ、乗客の安全を守ることができるような仕組みになっています。
 しかし、列車の走行を担う台車はその機構がない「フェールアウト」であるため、整備に漏れがないよう万全を期しています。熟練が要されるハンマーによる台車の「打音検査」では、列車の下に設けられたピットという、人一人分くらいが入れる側溝にもぐりこんで、床下機器の細部や車輪の一つ一つをハンマーで叩きながら、耳に神経を集中させ、音の変化を聞き分けてボルトなどのゆるみや痛みを精査していきます。時には、その狭く空調もないピットの中で、100キロの重さもある、ブレーキディスクの交換もしなければなりません。ボルトひとつのゆるみが故障・事故につながる恐れがありますので、見落としがないよう複数人で同じ箇所を検査し、本線に出す前には、また「引取検査」という入念な検査を行っています。

 ほかにも日常的に、運転台の消火器の有無、表示灯、ブレーキ装置、照明装置、合図装置、汽笛、主電動機(走行用モーター)の点検、補助電源装置、コンプレッサ、パンダグラフなど、整備は車両全体の機器に及びます。また、少なくとも8年に一回、主要部分である制御装置、台車、細かい部品などもすべて分解して行う、車の車検にあたる、全般検査と呼ばれる大掛かりな機能検査を実施しています。さらに、月検査では主要部分の動作・機能確認、4年走行距離が60万キロを超える前に行われる重要部検査、必要があれば臨時点検など、常に車両が安全であり、異常がないかを検査し続けています。
 鉄道車両の技術は日進月歩。新型車両が導入されてくると、ブレーキディスクの位置、メンテナンスの手順も、従来の車両とは異なってきます。ですから、整備係はその進歩に遅れないように、自主的に勉強会を開いたり、メーカーからの指導を受けながら、新しい技術や手法を構築し続けています。また、新しく入ってくる整備係に技術を継承していかなくてはならないという義務も背負っています。
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