建築家|仕事人の現場

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私達は誰でも、大人になれば「仕事」をして生計を立てていきます。ここでは、将来の仕事探しをしているキミに様々な「仕事人(プロフェッショナル)の現場」をご紹介していきます。

今回は、住宅設計を中心に活躍中の建築家・伊藤裕子さん(一級建築士事務所伊藤裕子設計室・主宰)に「建築家」という仕事についてお話を伺いました。

1962年青森県生まれ。武蔵野美術短期大学芸能デザイン科(=スペースデザイン)卒業・工学院大学専門学校建築科卒業 (株)Eフラット等で店舗設計、TeamZoo(株)龍環境計画で街づくり・住宅設計、工学院大学専門学校非常勤講師、フリーでの活動を経て2004年一級建築士事務所 伊藤裕子設計室開設。大地に還る住宅コンペ・住宅金融公庫総裁賞(龍環境計画とコラボレーション)、真の日本のすまいコンペ・住宅金融公庫総裁賞、日本福祉のまちづくり学会主催「まちづくり・人の輪づくりコンペ」入選、他アイディアコンペ優秀賞多数受賞。

伊藤さんは建物を考える時に「人と自然をつなぐ空間であること」「人と人とをつなぐ空間であること」を大切にしています。

プレジデントファミリー6月号に掲載され、はなまるマーケットでも取り上げられた写真の住宅は、敷地19坪という狭いスペースに建てた2世帯住宅です。もちろん、リビング・キッチン・トイレは別で、子供部屋も必要でした。
実際以上に広く見せるため、スペース全体に視線が通るようにしました。

小さな「光庭」を設けることで、「通風」「日照」「自然」「各階の交流」「空間の広がり」をもたらすことができました。どんなに小さくても、自然とのかかわりを忘れないようにします。

2世帯住宅では、お風呂や玄関をすべて分けて、過剰にプライバシーを確保する住まいが多いですが、せっかく大家族で住むという楽しさと安心を設計に盛り込むことも大事です。光庭では家族全員がバーベキューをしたり、廊下に本棚をつくることで、子供部屋にこもらないようにしたり、家族が自然に交流する場を仕掛けています。

住まいや人のいる空間はその人の意識・無意識やモチベーションを変える力を持つことがあります。
伊藤さんは、手がけた住まいや店舗をきっかけに、クライアントの仕事の幅が広がったり、人との輪がつながっていったり、 人生そのものが変わっていくこともあることを、実感しているそうです。

――なぜ最初に美術大学を目指したのですか?

小さいころから絵は好きでしたが、美術部に入って美大を目指したのは、高校2年の中ごろからですから、遅い方です。 そのころ、理系か文系かを選択しなければならなくて、数学不得意・歴史苦手、の私は、どちらにも決められず、半ば消去法で第三の道を選びました。
絵が好きなら美術、美術なら空間に関することがいいなあ、と思い、空間デザイン(インテリア)を受験し、4年は落ちましたが、短大に合格しました。 この、4年に落ちたことで、建築の専門学校に進む道が開けたので、結果的にはとてもよかったと思っています。

――なぜ建築へ方向転換されたのですか?

世の中の建築家には、在学中から「建築家になるぞ」と目標を持って実際になっている人もいらっしゃいますが、私の場合は、絵が好き・空間が好き・建築面白そう…と、少しずつ近づいて来ているという感じです。

――この仕事をしていて一番うれしいことは?
    建築家という仕事の魅力は?


建築、特に住宅というのは、住む人の人生を変えてしまうほどの影響力を持つものです。 単にきれい、使い勝手がいい、丈夫ならいい、というのではなく、家族や友人との良好な人間関係を作ったり、自然との触れ合いで心が癒されたり、仕事への意欲が湧いたり、病院ではなく住み慣れた自宅が最期の瞬間を迎える神聖な場になるかも知れません。
単に写真写りが良いだけの建物ではなく、人生を豊かにする深さが必要です。 大変なプレッシャーを感じると同時に、何年たってもクライアントに喜んでもらえ、 大事に住んでもらっていると、本当に嬉しいですね。

「熊谷アート&キッチン」は、熊谷市と埼玉県の空き店舗対策事業などの指定を受けて開設され、熊谷市鎌倉町が運営するレンタルスペースです。商店街主催の教室やイベントが開催されています。

地域の住民のコミュニティの輪が広がるきっかけになっていて、「男の料理教室」は特に人気です。外から中を伺えるので、通りを通りがかった人が次は参加してみようという気になります。

上の写真は、リラクゼーションサロン(エステティックサロン)です。施術室が広く、車椅子の人でも気軽に利用できます。

右上は、事務所に来ていたオープンデスクの女子学生。女子美卒と中央工学校の学生さんでした。

伊藤さんは2世帯住宅やリフォームの講演会もされています。

伊藤さんが好きなポルトガルの建築家 アルヴァロ・シザの言葉をご紹介します。
 【若い建築家へひとこと】(建築界では、40歳代も若手)
 「とにかく沢山の仕事をすること。そして根気強くあること。」
 「対話に対しては、オープンであること。」
 「自分の目と心を常に大きく開いておくこと。」
 「旅をすること。」

――高校生へのメッセージはありますか?

今の大人社会を見ていると、辛くて面白く無さそうに見えませんか? 実際は、学校で学んでいた時より、今のほうが私は100倍楽しいです。(笑)
自分を信頼してくれるクライアントがいて、自分が考えたものが立ち上がり、楽しく生活してくれているなんて、すごくわくわくしませんか?まずは、仕事は楽しい!と安心してほしい。

進路は、ピンポイントでこれになる!と早くから決めなくても大丈夫。少しずつ、自分が心地よい方を選択していくと、自分に合った場所が見つかるはずです。他人に決めてもらったり、今流行りだから、って決めるのだけはNG。

建築も日本では工学部系なので、本来なら数学が得意で、理系を選ばなければ進めない道に見えますが、いろんなコースがあるし、途中で変えていくこともできる。私も数学は不得意・物理は選択したことがありませんが、必要であれば勉強もし、今は構造の専門家と組んで安心できる家を作っています。

小さな「光庭」を設けることで、「通風」「日照」「自然」「各階の交流」「空間の広がり」をもたらすことができました。どんなに小さくても、自然とのかかわりを忘れないようにします。

2世帯住宅では、お風呂や玄関をすべて分けて、過剰にプライバシーを確保する住まいが多いですが、せっかく大家族で住むという楽しさと安心を設計に盛り込むことも大事です。光庭では家族全員がバーベキューをしたり、廊下に本棚をつくることで、子供部屋にこもらないようにしたり、家族が自然に交流する場を仕掛けています。

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