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桜美林大学
 
  宮ア 光次 教授  
  桜美林大学健康福祉学群健康科学コース教授。1963年東京都出身。 1990年筑波大学大学院体育研究科(修士課程)コーチ学専攻修了。2006年桜美林大学健康福祉学群教授。 桜美林大学準硬式野球部部長。全日本野球会議指導者育成委員会委員。関東地区大学準硬式野球連盟常任理事。日本体育学会東京支部会理事。  
         
  アスリートの潜在能力を引き出し、パフォーマンスを向上させるのがコーチの役割である。スポーツコーチ学はその役割を果たす上で、必要とされてくる知識やテクニックを学ぶことを目的としている。
桜美林高校時代、甲子園に出場した経験を持つ宮崎教授にスポーツコーチ学の基本となる話を伺った。
 
         
         
 
  基本的なコーチ学は
生活の中にある
 

コーチングの根本は人の能力を引き出すことにあります。授業の最初に学生たちが学ぶことはコミュニケーション論みたいなことです。相手に何をどう伝えるか、相手からどう話を聞くか、いくら良い技術やノウハウを自分が持っていても、それを相手にきちんと伝えることが出来ないと意味がありませんよね。自分が良いものを持っていたら、それを相手にどう伝えるか。そのためにはきちんとコミュニケーションが図れなくてはいけません。

 
コミュニケーションを図る基本的なこととして、挨拶をしようと言っています。まず人と会ったら名前を呼んで、笑顔で挨拶をすることが大切です。挨拶というのは「私はあなたの存在を認めていますよ」ということなのです。自分の目の前を知っている人に素通りされたら、私のこと気付いてないのかな、強い言い方をすると無視されてるんじゃないかなと思ってしまいますよね。ある意味挨拶というのはスキルと言っていいのではないかと考えています。最初はスキルとしてやっているんですが繰り返しやっているうちに、いつのまにか習慣化され身に付いてしまう。そうなることで自然とコミュニケーションが図れるようになっていくと考えています。
 
         
         
 
  アメリカでの学外研修、 教授の視点が捉えたメジャーリーグの指導法  

アメリカではどういったコーチングが行われているか、特にベースボールではどんな形で選手とコーチが接しているのだろうか、そういったところが実際に見たくて、研修に行きました。後半には2ヶ月かけて滞在先のカリフォルニアからニューヨーク、西海岸やフロリダなどを回りメジャーリーグ30球団のホームグラウンドすべてをたずねてきました。向こうの指導法は選手の良いところを引き出そうとしていますね。コーチが細かく指導するよりは「自分できちんと考えてやりなさい」という部分が日本より強いような気がします。アメリカでは選手たちがコーチに積極的にアドバイスを求め、それに対してコーチが幾つかのアドバイスを提案し、選手たちはその中からチョイスして自己責任において実行する、しないを決めています。

それと関連した話で、自己責任が取れるようになろう、という話を学生たちにしたことがあります。自己責任と言うとどこかで責任をとらされるといったネガティブな感覚で捉える学生もいるのですが、実はそうじゃないですよね。責任が取れるっていうのは非常に重要なことで「あなた
 
には能力があるから任せても大丈夫」「あなたのことを信じているからやってごらんよ 」という信頼感から自己責任は生まれてくるのです。その前提として自己選択と自己決定というものがあります。私たち教員の立場というのはサポーター、コーチ的役割で、「こんな方法はどうだろうか」「これでうまくいくだろうか」というところまでしかアドバイスは出来ません。その中から選択し決定するのは学生たち自身です。自分で決定して、実行して自分で責任を取れるようにしていかなければいけないだろうと。それが、今から就職活動や自分の将来的職業に必ず役立ってくると話をしました。
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  コーチ学に興味、
関心を持つ人たちへ
 

例えばスポーツを上達させるためには、尊敬する人や周囲を観察しなくては上手くならないのではないでしょうか。もしイチロー選手を凄いな、と感じたのであれば、イチロー選手のどこが凄いんだろうってイチロー選手に興味、関心を示し観察することです。そして、イチロー選手の打ち方を真似してみようかと思うかどうか。真似をすれば完璧に真似は出来ないかもしれないけど、ひとつ良いものが得られるかもしれないですよね。1週間、イチロー選手の真似を続けて少しでも良くなれば、イチロー選手
  が10年掛かって築いた技術をもしかしたら一年間で得られてしまう可能性もあるんです。

だから真似することは、すごく大事だと思うし、見るとか、人のいいところに着目していくのはコーチ学には重要なことなので、そういったことを心掛けながらコーチ学を目指してもらえれば嬉しいですね。人に興味と関心が持てて、誰かが元気なさそうだなと感じたら声を掛けてあげられる人、あるいは人の話を途中で口を挟まず、最後まで聞ける人、“人に興味と関心”が持てる学生たちが、さらに増えてくれば将来的にこの学問に深みが増してくるのではないかと考えています。
 
         
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