
所感
前半はややぎこちない筆運びなのですが、後半はかなり書き慣れた人の、人を惹きつける文章となっています。ただし、最後の一マスは字数オーバー。十一行目、三十五行目の文末読点(一マス分)も含め、二マス空けないと、厳密には採点外です。
第三回
豊かさの基準について
今回は原稿用紙の上手な使い方、さらに文章構成について考えてみましょう。
この文書も最終マスに句点が入っており、厳密には字数オーバーです。くわえて、文節単位で読点があまり使われておらず、文節相互の関係(主語−述語、修飾−被修飾の関係、独立語)がわかりにくくなっているのも問題です。つまり、言い回しの問題なのですが、これが洗練されてくると格段に読みやすく、意味の通りの良い文章になると言うことです。
例えば、五行目下段「そしてこれが豊かさにつながると思う」
「何より、これが豊かさにつながると思うからである」
のように推敲してみたらどうでしょう。「モノより思い出」のキャッチフレーズに賛成する理由を、より強力に補強したつもりです。また「何より」に読点、を加えることで、副詞句とし、「思うからである」をさらに強調することになるのです。
また、十三行目「何も必ずお金や物が必要というわけではない」の一文は、傍線部「必ず」と「必要」で意味がダブってしまい、相互に文脈内で意味を殺し合うことになってしまいます。最後の一文を書き直してみました。
物がたくさんあると言う、物質的な豊かさは、ある程度必要であると私も思う。そもそも、人間はひとりでは生きていけないのである。人間が生活して行くためには、人と人とのコミュニケーションが必要不可欠であって、様々な人々の支えで社会は成り立っているのだ。
したがって、いろいろな経験をしながら、幅広い人間関係を築くこと、これが物質に優先し、これこそ真の豊かさそのものなのであるように思われる。
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