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センター試験平均点アップで国公立大、私立大ともに人気

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今年の入試は、“大学・短大全入時代”が到来すると予測されている中で実施されました。全入時代とは、大学・短大の定員=大学・短大の志願者数となることで、その結果、受験生は必ずどこかの大学・短大に進学できることになります。大学・短大には非常に入りやすい時代になってきたことがわかります。 そんな中、今年、実施されたセンター試験は、543,382人、昨年比1.8%減となりました。内訳を見ますと、現役生は少子化の影響から1.5%減で、浪人生が3.6%減と、ともに減少しました。

大学・短大の志願者数推移
年度 18歳人口
万人
高校卒業者数
万人
大学・短大志願者数
万人
現役
志願率
入学者数
万人
進学率
2000(平成12)年 151.1 132.9 88.9 55.6 74.1 49.1
2001(平成13)年 151.2 132.7 88.1 55.9 73.4 48.6
2002(平成14)年 150.3 131.4 87.7 56.1 73.1 48.6
2003(平成15)年 146.5 128.1 85.4 55.7 71.8 49.0
2004(平成16)年 141.1 123.4 82.5 55.6 70.3 49.9
2005(平成17)年 136.6 120.3 79.8 55.9 70.3 51.5
2006(平成18)年 132.6 117.2 77.9 57.4 69.4 52.3
2007(平成19)年 130.0 114.7 77.1 58.7 69.8 53.7

少子化が進み、受験生の減少からセンター試験の志願者が減ったのです。しかし、今年のセンター試験では、昨年、難化したのとは反対に易化し、国語や数学などで大きく平均点が上がりました。7科目合計では文系、理系とも10点以上アップしたと見られます。この結果を受けて、受験生は出願段階で強気になりました。国公立大入試では、志願者が48万7777人で、昨年よりわずか750人の減少。志願倍率(志願者数÷募集定員)は4.9倍と、昨年より1ポイントアップしました。志願者が減ったのに倍率がアップしたのは、後期試験を廃止する国立大が続出し宝です。名古屋大で今年から全学部、東大も理Vで後期を廃止し、後期全体の定員は100人に縮小しています。こういった後期廃止による定員減があって、倍率がアップしたわけです。

後期縮小の影響は大きく、難関国立大を狙う受験生にとって、後期の併願先が見当たらず、実質的に前期一発勝負の受験生も多く見られました。来年はさらに一橋大、九州大など後期を廃止する大学や定員を減らす大学が増えると見られ、受験機会はあるが実質的に前期勝負の入試傾向が強まり、併願先を私立大に求めざるを得ない状況になりそうです。

センター試験志願者数推移
年度 志願者数
(前年度比)
国立 公立 私立 短大
校数 学部数 公立 私立
2000(平成12)年 581,958人(+ 1,894) 95 66 242 569 - -
2001(平成13)年 590,892人(+ 8,934) 95 72 266 670 - -
2002(平成14)年 602,089人(+11,197) 95 73 311 772 - -
2003(平成15)年 602,887人(+   797) 93 74 351 892 - -
2004(平成16)年 587,350人(−15,537) 83 73 387 1,003 9 88
2005(平成17)年 569,950人(−17,400) 83 72 408 1,092 12 100
2006(平成18)年 551,382人(−18,568) 83 72 440 1,179 13 115
2007(平成19)年 553,352人(+1,970) 83 74 450 1,243 14 134
2008(平成20)年 543,382人(−9,970) 83 74 467 1,286 17 139

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私立大は難関大人気がますます顕著に

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センター試験が易化し、受験生が強気になった年は、私立大志願者がそれほど伸びないのが通例でした。しかし、今年はその通説をくつがえし、私立大の志願者は難関大を中心に6%もアップしています。国公立大の後期廃止、前期一本化の流れにより、受験生は併願校を私立大にせざるを得なかったと見られます。こういった国公立大志望者層が私立大を例年以上に併願校に選んだため、志願者が増加する私立大が多かったのが今年の入試の大きな特徴です。
特に難関大に志願者が集中し、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は全大学で志願者増となりました。

志願者日本一だったの早稲田大ですが、昨年より398人の減少。ほぼ前年並みといっていいでしょう。昨年の理工系、文学系の学部改組で大変な人気を集めた反動はなかったと見ていいでしょう。一方、私学の雄、慶應義塾大は共立薬科大との合併により新設された薬学部が人気を集め、5,619人の志願者増となりました。 前述のMARCHは、明治大が国際日本、青山学院大が総合文化政策と社会情報、立教大が異文化コミュニケーション、法政大が生命科学とGIS(グローバル教養)の新学部を設置したことが志願者増に結びついたといえます。

明治大は昨年、全学統一日程試験と初めての地方試験実施で92年以来、15年ぶりに志願者が10万人台に乗りました。全学部統一入試とは、全学部を1日で実施する入試方式のことで、同志社大や立教大で実施されており、大変な人気です。受験機会が少ない難関大で、もう1回受けるチャンスが増えるわけですから、人気を集めるのは当然かもしれません。今年は新学部、さらには地方試験の会場を増やしたため、昨年よりも6,495人志願者が増えました。 中央大は受験生に人気の生命科学系の学科を新設、さいたまや横浜の近隣での試験会場を増やし、センター試験で3教科型を新たに実施するなど、入試改革により15,585人の大幅な志願者増となりました。

青山学院大は2学部を新設し、特に総合文化政策学部は、1年間だけ相模原キャンパスで、2年次以降は青山キャンパスで学べ、他の文系学部と異なっていることもあって人気を集めました。センター利用入試の方式を増やしたことも大きかったと見られます。

関西圏では同志社大が生命医科学部とスポーツ健康科学部を新設した同志社大が3,903人の志願者増、人間福祉学部を新設した関西学院大が微増となりました。生命科学部と薬学部を新設した立命館大と昨年の大改革による志願者激増の反動から関西大が志願者減となり、“関関同立”と称される4大学で明暗がはっきりと分かれました。

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学部志望動向でも流れが変わる“文高理低”となった今年の入試

人気だった学部系統別の志願者状況(昨年を100とする)
人間・人間科 117.4
外国語・国際系 116.8
情報・メディア系 112.9
111.3
理工系 107.7
経済 106.2

私立大の学部志望動向を見ますと、昨年に続いて今年も文系の人気が高く、理系の人気が低い“文高理低”の状況になりました。最近まで人気を集めていた資格に直結した学部の人気がダウンし、文系学部が総じて人気が高くなりました。

この理由としては、やはり、就職状況の好転があると見られます。新卒者の就職状況は、景気回復とともに氷河期を脱し、売り手市場に変わってきており、就職率が上がってきています。そのため、受験生も就職をあまり気にせず、自分の学びたい学部学科に進むこととができると判断したようです。また、商や経済などの系統が人気になるのは、就職が好調なときの特徴で、前回のバブル景気のときと同じ傾向です。逆にロースクールを目指したり、公務員私見を目指したりと、不況の時にはこういった資格や就職を求めて人気にな る法学部ですが、今年は就職状況が好調なため、昨年より志願者が減りました。また、出口が好調な割に人気が下がっているのが教育系です。団塊の世代の大量退職により教員採用は拡大していますが、教員養成系など教育系では志願者減少傾向です。

逆に人気になって、最近、注目を集めているのが国際教養系の学部・学科です。今年、明治大が国際日本学部、立教大が異文化コミュニケーション学部、法政大がグローバル教養学部を設置しました。何が学べるのか、はっきりとわかれば、女子を中心に人気の高い系統でもあり、今後の動向に注意が必要でしょう。 また、資格系の学部は理系に多いのですが、その人気低下から、理工系に志願者がもどってきている側面もあります。 

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来年は今年以上に入りやすく、志望校選びの重要性大きく

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それでは今年の入試結果を踏まえ、来年入試はどうなっていくのでしょうか。今、言われているのは、今年以上に来年は難関大志向が強くなるということです。大学全入時代が到来するということは、必ずどこかの大学に入学できるということですから、それならば、難易度の高い大学へ、有名大学にも入りやすくなるはず、との考えが広がり、強気な受験へと変わってきています。 

国公立大、私立大ともに二極化がますます進みそうです。二極化とは、大学がやがて、入試を実施できるところ、すなわち不合格者が出るところと、全員合格で入試の意味がないところの二極に分かれていくということです。高校の進路指導教諭の予測では、その分岐点は、難易度55になるとの意見がもっとも多くなっています。入試に意味がなくなるところから定員割れを起こし、やがては淘汰されていくことになります。 

来年入試では、一部の大学・学部を除き、入りやすい状況はますます進みます。そうなりますと、大切なのは、どこの大学・学部に合格できるかではなくて、どこの大学・学部に入るか、つまり志望校、学部・学科選びの重要性が増すことになります。これから各大学が開催するオープンキャンパスなどに足を運び、自分の目で見て志望校選びをしてほしいものです。

情報提供:大学通信

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