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高卒就職の現状と今後

(傾向)景気回復の過渡期。今後も注意が必要

 長びく景気低迷にもようやく回復のきざしが見えてきました。高卒者対象の就職にも光明が見えています。しかし、総務省統計局の調査によれば、平成19年2月発表時点での完全失業率は4.0%と、減少傾向にあるものの依然として高めの状況が続いており、今後も注意が必要です。
 各社とも不況を乗り切るために、中高年層の退職奨励や新規採用枠の削減を行う、など人件費の抑制に努めてきました。また、コンピュータなどの発達でオフィスのIT化が進み、業務のアウトソーシング(外部委託)の傾向も強まる中、これまで多くの高卒者が従事していた一般事務職の求人は大きく減少していました。新卒者の採用減による就職難から、高卒者が主な対象とされてきた職種に、大卒・短大卒者が参入した結果、高卒者は厳しい就職戦線を余儀なくされていたのですが、今年度は企業の新卒者採用枠拡大のニュースが各所で伝えられています。平成16年度から複数応募制が全都道府県で導入されたことも、高卒者の内定率向上の追い風になりそうです。
 いわゆる団塊の世代の大量退職と技術後継者不足などがあいまって、企業の若い人の採用意欲が高まっているのは確かですが人物本位の厳しい就職戦線は相変わらず。
 こうした状況から、最近の顕著な傾向として、次の点が挙げられます。
 (1)かつてほど大量ではないが、「定期一括採用」が勢いを盛り返し、欠員が生じるたびに採用する「通年採用」と肩を並べつつある。
 (2)「面接のみ」で採用していた会社も、筆記試験や作文、適性検査などを実施、あるいはグループ討論などを含む2〜3回の面接を行う等、「良い人材のみを採るための試験」という形が定着した。
 (3)選考に際して、他の応募者とじっくり比較検討するため、合否の通知が遅れる傾向にある。不採用の連絡を受けてから次の会社の受験準備をしても、既に締切られていることがある。求職理由別完全失業者数

(対策)充分な準備で臨もう

I.会社選びに際して

(1)自分をよく知ろう

 十人十色といわれるように、人間の個性や適性は全員異なります。家族や先生、先輩のアドバイスを受けたり、職業適性検査を受けたりすることによって、自分がどんな会社(業種)のどんな仕事(職種)に向いているのかを知りましょう。会社も友達といっしょというのは失敗のもとです。

(2)業種・職種の正しい理解をしよう

 志望会社や業務内容について、勝手にイメージを作り上げて、入社後に不適応に陥る人がいますが、不明な点は積極的に質問や相談をしましょう。
 また、今日では企業再構築が進み、例えば、繊維会社が食品や住宅を作ったり、製鉄会社が養殖魚や生花を育てたりしています。一方、事務職と一口に言っても、建設業と銀行と情報処理業とでは、扱うものも仕事の中身も全く異なります。業種や職種を固定観念やイメージだけで捉えないことも大切です。

(3)時代の流れを読もう

 1950年代は石炭や紡績の業界が、60年代には鉄鋼や造船が時代の花形で、多数の新卒者が殺到しましたが、その後の衰退は周知の通りで、まさに企業30年説を裏付けた形です。つまり、現在の花形産業や人気企業が、10年や20年先のあなたを保証してくれるわけではないのです。
 会社選びは、洋服やバッグを選ぶのとは違います。自分の特性を忘れて、一時の流行やブランド志向に走るのは避けたいものです。また、求人票を見る時にも、初任給や賞与の金額、有給休暇の日数などは、一つのめやすに過ぎないことを認識しておきましょう。

(4)多方面にアンテナを張っておこう

 進路指導室の職業ハンドブックや会社四季報は、産業界全体や、志望の分野がどんな状況にあるのかを把握する上で重要です。志望が絞られてくると、会社案内パンフレットや受験報告書(企業見学報告書)などが有効です。新聞は、経済面や国際面にも欠かさず目を通しておきましょう。

(5)先輩の実績を生かそう

 どの高校にも、卒業生が数多く就職している企業があります。こうした会社では、高校自体への評価も高く、また、過去の受験報告書によって、試験の出題傾向を予め知ることもできるので、他校生に比べて有利です。

II.入社試験合格をめざして

(1)欠席・遅刻をしない

 就職志望者に限ったことではありませんが、企業が求める最も基本的な条件です。1、2年生で多く休んでしまった人も、絶対にこれ以上増やさないように努め、改善の姿勢を少しでもアピールすべきです。なお、一時的なケガや急病は、必ず診断書を残しておくこと。

(2)身だしなみ、態度、言葉遣いを改める

 これらは、面接試験の直前に一朝一夕に身につけられるものではありません。きちんとした言葉で、はきはきと、敬語も正しく使えるように日常から心がけましょう。たとえ性格は変えられなくとも、声の大きさや動作は努力で変えられるのです。

(3)志望企業の製品や店鋪は必ず利用しておく

 志望する業種や会社が決まったら、メーカーの場合はその製品を、小売や金融、サービス業の場合はお店を、1人の客として実際に利用してみて、その印象をまとめておきましょう。予め、企業や職場の雰囲気を知ることができますし、面接で大いに役立ちます。人事担当者にとって「○○店の△△さんのような社員になりたくて。」と言われるほど嬉しいことはないのです。

(4)履歴書・身上書は志望理由を大切に

 志望企業が決定したら、いよいよ履歴書(全国高等学校統一用紙)を書き始めます。楷書で丁寧に、正確に書くのは当然ですが、特にウエイトの99%は「志望理由」欄にあります。充分な推敲を重ね、ありきたりの一般論ではなく、先生の指導を受けながら意欲・熱意が伝わるよう具体的に書きましょう。

(5)新聞・ニュースには必ず目を通す

 面接や一般常識試験に向けて、社会や経済の動き、業界の最新事情などを知っておくことも大切です。特に近年は社会活動全般で国際化が進み、動きも速くなっていますので、新聞記事やTVニュースなどに目を通して自分なりに考え、国際情勢や経済・社会の動きなどについての質問にも答えられるようにしておきたいものです。

(6)面接は明るく、元気よく、的確に

 長所・短所、趣味、志望動機など、よく聞かれることは、予め整理しておきます。ただ、熱心なあまり丸暗記したことを棒読みする人がいますが、逆効果です。

(7)問題集はまず一冊から着実に

 学科試験を実施する会社が増えてきました。レベル自体は、中3から高1程度の基礎的な問題ばかりですが、
 国語・・・・・・・漢字、ことわざ、四字熟語、作者
 数学・・・・・・・四則計算、文字式、方程式、図形
 地歴・公民・・憲法、時事用語、地名、日本史
 理科・・・・・・・濃度、元素記号
など、広く、浅く出題されるのが特徴です。
 大学入試などと違い、問題作成は市販の問題集から転用されることが多いので、自然と問題の傾向も似てきています。したがって、問題集を一冊でもやったかどうかが、大きな結果の分かれ目になっているようです。不明な点があれば、中学校の教科書で復習してみることも大切です。また、有力企業でも、10年以上ほとんど同じ問題を出題している会社が珍しくないので、先輩の受験報告書はとても貴重です。

(8)作文は実際に書いて練習する

 作文のテーマは、「自分自身に関すること」、「高校生活の思い出(部活動、行事など)」、そして「入社後の抱負」の大きく3つに絞られます。誤字・脱字に注意し、具体的なエピソードを交えて生き生きと書くように心がけましょう。

 社会の動きに目を向け、自分を磨くことが内定獲得のための第一歩です。

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