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イマドキ短期大学事情。入試形態も卒業後の進路も多彩、フレキシブルな選択肢が魅力の短期大学。その現状と未来の展望

短大は、女子の高校卒業後の進路として定着してきましたが、最近では、女子の4年制大学進学者が増える傾向にあります。逆に、これまで女子のみ募集していた短大が、男女共学にシフトする動きもあり、ここで、短大のメリットについて、もう一度考えてみましょう。
実学だけでなく、教養教育にも力を入れているところが短大の特徴です。設置基準においては、大学の一種とされていますが、修業年限が2〜3年というところが大学と異なります。短い年数・安い学費で、社会で役立つ即戦力を身につけられるところが短大の利点です。

卒業後の進路をフレキシブルに選択できるのも短大の魅力のひとつでしょう。就職するのはもちろん、大学への編入や海外留学など、さまざまな進路があります。
平成18年3月卒業の短大卒業者からは「短期大学士」の“学位”が付与されることになり、高等教育機関の課程を修了した知識・能力が証明されることになりました。この学位は国際的な通用性も認められています。

推薦が短大入試の主流

まずは、入試の方法を見てみましょう。最近では、短大入学者の7割近くが、推薦入試によって入学しています。

平成19年度 短期大学入学者選抜実施状況 (数字は短大数・学科数・入学者数それぞれの全体に対する割合)

文部科学省の資料より作成

実施年度

推薦入学等

AO入試

公立

私立

短大数

学科数

入学者

短大数

学科数

入学者数

短大数

学科数

入学者数

17年度

99.0%

99.3%

66.7%

6.9%

2.9%

0.2%

54.6%

50.1%

8.8%

18年度

99.7%

99.5%

67.9%

4.0%

1.7%

0.2%

56.6%

52.3%

9.8%

文部科学省が決めていた短大の入学定員に占める推薦入学の割合の制約がなくなり、募集定員の半数以上を推薦入試に当てている短大もあります。
ここ最近は、推薦の中でも高等学校長の推薦が不要の「自己推薦」を実施する短大が増えています。現役・浪人を問わず、成績基準を設けないなど、受験しやすい制度です。他校との併願を認める学校も増えています。

自己推薦に似た方式として、多くの短大で「AO(アドミッション・オフィス)型入試」を実施しています。推薦との大きな違いは、面接を重視し、人物を評価するというところ。学力試験では測れない能力や活動、入学の意欲などを時間をかけて審査します。選考方法は主に、複数回の面談(面接)です。AO入試の回数を増やしている短大も多く、チャレンジできる回数が増えています。

資格の“ダブル取得”で活躍の幅を広げ、
就職を有利に

文部科学省『学校基本調査』によると、就職した短大生を出身学科で見ると、5年ほど連続で「教育」が1位になっています。次いで、「保健」「社会」「家政」の順です。
「教育」は、保育士、幼稚園教諭など。不況に強いこれらの資格は、人気を保っており、男性で資格取得をめざす人も増えています。仕事を持つ母親が増えていること、保育園不足などの影響で、今後もますますニーズが高まることが予想されます。

「幼・保一元化」の動きにより、2年間で「幼稚園教諭と保育士」や「幼稚園教諭と小学校教諭」資格が同時に取得できる学科を整備するところが増えています。幼稚園で預かり保育を実施するなど、幼児教育環境も変化しており、2つの資格を持っていることで、活躍の幅が広がります。
そのほか、栄養士も人気の資格の一つです。新しい資格として平成17年4月から栄養教諭制度が開始されました。栄養教諭とは、学校給食の管理と食育を行う教員で、基礎資格として栄養士の資格が必要です。食育のエキスパートとして、今後も、ますますニーズが高まることが予想されます。 ほかには、高齢化社会でニーズの高まる看護師、看護福祉士なども人気の資格です。

就職状況

かつて短大卒業者を採用していた企業も大学卒業者を採る時代になってきましたが、即戦力を求める企業では、資格・専門知識を身につけた短大卒業者を求める傾向があります。文部科学省『平成18年度学校基本調査』によると、短大卒業者の就職率(卒業者のうち就職者総数の占める比率)は67.7%で、1.7ポイント上回っています。
短大入学者は、はじめから就職を目指している人が多く、高いモチベーションでねばり強い就職活動を行うことが、好調な就職率を生んでいる要因でしょう。

大学編入が人気

かつては、卒業後には就職するのが当たり前でしたが、最近では大学等への進学を選ぶ人が年々増え、卒業後の選択肢の一つとしてすっかり定着しています。
『平成18年度学校基本調査』によると、短大卒業生のうち、大学等への進学率は11.7%。前年よりも0.2ポイント上昇し、10年前と比べると、5.3ポイント上昇しています。
「2年間学んだ知識をさらに深めたい」という人が編入を選択しています。短大側も、大学という“セカンドステージ”へステップアップすることを推奨し、積極的にバックアップしてくれるところがほとんどです。
編入の入試制度には、以下のような種類があります。

◆併設大学への編入

大学によっては併設短大からしか編入学を受け入れないところもあり、併設短大は、ほかの短大よりも優遇されています。主な特典としては、「優先編入枠を設置」「入学金や検定料の免除(または減額)」「単位認定が他短大よりも有利」などがあります。また、在学中に併設大学の授業を履修することができ、編入学後に卒業単位として認定される短大もあります。一方で、併設短大であっても、他短大と同等の扱いのところもあります。

◆協定校・指定校推薦

最近の編入学人気を受け、短大と協定や提携を結んだり、指定校依頼をするところが増えています。選考は主に、書類審査、面接などで、小論文や専門科目を課すところもあります。

◆自主応募

誰にでも門戸が開かれている入試です。試験科目は、主に面接、論文、専門科目などです。高校卒業後に受ける一般入試よりも受験科目が少なく、負担はやや軽いと言えます。

短大の未来はどうなる?

少子化高齢時代を反映し、医療や福祉系の学科が増えることが予想されます。女性の社会出身に伴って、保育士・幼稚園教諭のニーズはますます高まっています。また、核家族化にこたえるため、育児相談やカウンセリングができる保育士を育成する短大もあります。資格取得に直結した学科の人気は当分続くことが予想されます。それは平成19年度新設の短大を見ると明らかです。
県立の島根県立大短大部(健康栄養学科、保育学科、総合文化学科、看護学科)、私立の岐阜保健短大(看護学科)の2校。いずれも保健系で、高齢社会で必要とされる人材育成を視野に入れた学科構成です。

また新設学科は、保育士、幼稚園教諭の人気を反映して、教育系が目立ちます。
幼児教育に関しては、平成18年10月に、文部科学省は「幼児教育振興アクションプログラム」を発表しました。これは、幼児教育の質を向上させるため、地方公共団体が取り組むことが望まれる行動計画です。これにより、今後短大の教育系学科では、幼稚園教諭・保育士の両免許取得が可能な学科、一種免許状の取得が可能な専攻科の設置などが求められるでしょう。
社会人向けの講座を開設する短大も増えています。高校卒業後の進路としてではなく、地域に開かれた生涯学習機関としての役割も期待されています。

平成19年度 新設学科 2007年3月判明分

区分

短期大学名

学科名

専攻名

入学定員

位置

私立

青森明の星短期大学

現代介護福祉学科

介護福祉専攻

80

青森県青森市

音楽保健福祉専攻

20

聖和学園短期大学

保育福祉学科

保育専攻

80

宮城県仙台市

介護福祉専攻

40

秋草学園短期大学

文化表現学科

100

埼玉県所沢市

帝京短期大学

こども教育学科

こども教育専攻

50

東京都渋谷区

日本大学短期大学部

生物資源学科

150

神奈川県藤沢市

目白大学短期大学部

製菓学科

80

東京都新宿区

湘南短期大学

看護学科(3年制)

80

神奈川県横須賀市

名古屋学芸大学短期大学部

現代総合学科

240

愛知県日進市

名古屋経営短期大学

子ども学科(3年制)

100

愛知県尾張旭市

九州造形短期大学

造形芸術学科

200

福岡県福岡市

中村学園大学短期大学部

キャリア開発学科

150

福岡県福岡市

〔2007_05 さんぽう「短期大学への進路2008」より〕