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短期大学ルネッサンス。“教養も実学も”ユニークなサポート体制とカリキュラムが特色。新たな短期大学の役割をさぐる

短大は、4年制大学と比べると小規模な学校がほとんどで、少人数制の親身な指導が可能なところが特徴です。  また、地域密着型の教育機関としての役割を果たしています。
『平成18年度学校基本調査』によると、短大入学者のうち「自県(出身高等学校と同一県)内の短大へ入学した者の比率」は63.1%。年々、割合が上昇しています。地元を離れるのが困難な人にとっては、なくてはならない高等教育機関です。
短大では、さまざまなサポート体制や、独自のカリキュラムを実施しています。

自県内入学率

文部科学省の資料より作成

年度

平成15年度

60.4%

50.4%

61.7%

平成16年度

61.1%

52.4%

62.3%

平成17年度

61.9%

52.6%

63.2%

平成18年度

63.1%

55.6%

64.1%

国家資格取得や受験資格を目指した多彩な
資格サポート

短大では教養教育はもちろん、実学にも力を入れており、さまざまな資格取得を奨励しています。資格と一口に言っても千差万別で、大まかに分けると、指定の学科を卒業と同時に取得できる国家資格(小・中・高教諭、幼稚園教諭、保育士、栄養士、介護福祉士、図書館司書など)または受験資格(看護師、歯科衛生士、理学療法士など)のほか、民間資格(秘書士、ピアヘルパー、フードスペシャリストなど)があります。そのほか出身学科を問わず受験できる資格や検定(英検、TOEIC、TOEFL、システムアドミニストレータなど)があり、取得のためにサポートしている短大も数多くあります。

埼玉の短大では、「資格ユニット」を設定しています。めざす資格ごとに「ビジネス系」「接客・販売系」など5つのユニットに分かれ、正規の対策授業と資格取得講座でバックアップします。取得した資格は合格級などに応じて単位が認定されます。
短大の中には、入学後に情報処理技術者、宅地建物取引主任者など指定の資格約50種類の中から、資格取得した人に、奨励金が支給されるところもあります。

人気の資格である、「栄養士」にプラスαで資格が取得できる短大もあります。調理の専門学校などを併設している短大では、ダブルスクールにより、「栄養士免許と調理師免許」など、ダブル資格取得をめざせるところもあります。

親身な指導が魅力の就職サポート

就職サポートでも親身な指導で評価が高くなっています。ほとんどの大学で、入学直後からガイダンスなどの就職支援を開始します。
支援の内容は主に、自己分析、就職ガイダンス(就職活動の流れ)、スキルアップ講座、マナー講座、OB・OG体験談、模擬面接などです。数回にわたるガイダンスによって、「自分は何がしたいのか分からない」という学生もだんだんと就職への意識が高まっていきます。

最近では、就職対策の授業を、単位の取得できる正規の授業として認めている短大もあります。
また、インターンシップ(就業研修)を実施する短大が年々増えています。文部科学省の資料によると、平成18年度に授業を実施した短大は全体の40.7%でした。
インターンシップのメリットは、ひと足先に興味のある業界で就業体験できるところでしょう。また、適職探しの機会になることもあり、インターンシップで興味を持った業界に就職する例もあります。
クラス担任制やチューター制、オフィスアワーなどを設け、就職活動中の悩みを相談できる短大も増えています。学生一人ひとりにきめ細かい指導ができるのも、少人数ならではのメリットです。

首都圏の短大で、平成18年度から独自の新しいキャリア教育をスタートさせたところがあります。入学から卒業までの2年間を「キャリア導入」「自己探求」「仕事探求」「社会探求」の4つのユニットに分け、段階的・実践的に「就職=自己実現」へと導きます。正課のカリキュラムに加え、キャリア支援室と連携しながら、個別の指導やカウンセリング、課外の講座なども交えて総合的にサポートしていきます。この取り組みは、文部科学省の「平成18年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に、「実践的総合キャリア教育の推進」というテーマで採択されました。

就職課などの担当部署では、企業の情報を提供してくれます。最近では、パソコンで自宅からでも求人情報を閲覧できる短大が増えています。また、就職希望(希望勤務地、職種、業種)に合わせて、学生の携帯電話に求人情報を配信してくれるところもあり、どこにいても最新情報を入手することができます。

資格取得・就職から海外留学まで
さまざまなサポート体制

東京の短大では、平成17年から授業時間を10分短縮して80分授業とし、その分、夕方の2時間に就職や資格取得講座を開講する「コミュニケーション・アワー」を設置しました。それまで、これらの講座は授業の空き時間を利用して開講されていたため、受講できない学生もいました。時間帯を設けることによって、多くの学生が参加できるようになりました。
海外留学制度参加者に、留学費用(往復航空運賃、大学の授業料、寮費、食費、保険料)の約6割を負担する短大もあり、留学のサポート体制が整えられています。

社会のニーズを意識したユニークな
カリキュラム

時代の要請にフレキシブルにこたえて、ユニークな学科を開設する短大もあります。
短大唯一の動物看護学科を設置し、動物看護師、グルーマー、犬の訓練士などを目指せるところがあります。
今年4月に「製菓学科」を開設した短大もあります。製菓が学べる専攻・コースは今までもありましたが、学科名に「製菓」が付くのは、短大では初となります。 短大としては珍しい観光学科を設置するところでは、ホテル業や旅行業など、観光サービス産業で活躍する人材を育てます。
今年度より、短大ではいち早く「観光ビジネス実務士(全国大学実務教育協会認定)」の資格取得が可能となる短大もあります。

授業以外で、ユニークな取り組みを行っている短大もあります。
実践力のある保育者養成をめざし、大学内子育て拠点として、子育て支援センターを開設している短大があります。多様な文化・国籍を持つ親子と接することで、今後の保育士に求められる「地域社会における子育て支援のあり方」を、在学中から経験的に学ぶことができます。なお、この取り組みは平成17年度「現代GP」に採択されました。

ハワイ大学から外国人を対象とした英語教育のエキスパートを招いて、夏期英語講座を開設している短大もあります。日本にいながらにして、ハワイ大学で開催される英語講座と同質の授業を受けることができます。ゲームやフラダンスなどの文化講習も取り入れたカリキュラムで、社会人・大学生・高校生と幅広い年齢層と交流ができるのも魅力です。
短大は、大学のように教養教育が受けられると同時に、専門学校のように専門教育を受けて資格を武器に就職することもできる、両方の“いいとこ取り”を実現した教育機関だと言えるでしょう。

〔2007_05 さんぽう「短期大学への進路2008」より〕