
イマドキのいい大学の条件は?
実力と自信を培い、
成長を実感できる大学
大学の入学定員が志願者数を上回る「大学全入」時代が始まりました。人気大学の入学試験が高倍率になる一方で、入学者が定員を下回る大学があります。各大学では入学者を確保するために、受験生にアピールする魅力ある大学作りに向け、さまざまな改革を進めています。
「改革」の例をいくつかあげていきましょう。
まず第一に多様な「入試方法」。受験生が個々の持ち味を生かして試験に臨めるAO入試は、その代表的なものです。主に面談とエントリーシート、課題レポートなどで選考するところが多いようですが、筆記試験やディスカッション、プレゼンテーション、面接などで選考する大学もあります。
私立大の一般入試では、受験機会を増やす改革が進んでいます。2〜3日間にわたって設けられた試験日から、全日程または都合の良い日を選んで受験できる「試験日自由選択」方式のほか、最近では1回の受験で複数の学部の合否を判定する「全学部日程」などを行う大学が増えています。
また、センター試験利用入試は、センター試験の得点だけで合否が判定されるところがほとんどで、大学個別の試験を受ける必要がなく、出願するだけで合否判定されるメリットがあります。
時代のニーズに応える「新学部、新学科の開設」も大学改革の好例です。従来の枠組みでとらえることのできない社会現象や、既存の学問では解決できない課題の解決に向けて、新しい学部や学科を開設する動きも盛んです。新しい学問を学ぶことにとどまらず、社会の要請にこたえる人材の育成も目指して、就職までを十分に考慮した上で開設されるので、新設学部の就職率は概ね良好です。
経済面での援助体制である「奨学金」の整備、充実も進んでいます。
奨学金には、返済不要の給付奨学金、低利子を付けて返済する貸与奨学金の2種類があります。
各私立大では、制度を増やしたり、対象枠を広げたりと、一人でも多くの学生を援助しようと奨学金制度の充実を図る動きが活発です。入試成績優秀者対象の奨学金や給費生 入試などのように、合格通知時に受給の可否がわかる制度もあり、受験生にはありがたい制度と言えます。
カリキュラムなど、教育面での改革も見逃せません。比較的小規模な大学の中には、その規模を長所ととらえて、学生の学習意欲を引き出して目標達成まで指導する体制作りや、学生一人ひとりに配慮した少人数教育の実践といったきめ細かな教育体制(=面倒見)に力を入れているところがあります。
このほか、ていねいな就職指導を行い、資格支援講座やインターンシップ(企業や官庁での就業体験)などの制度を充実させ、就職実績につなげている大学もあります。
| 表1 面倒見がいい大学 | 表2 就職に力を入れている大学 | 表3 改革に熱心な大学 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ●表1〜3は全国の進学高校293校の進路指導教諭からのアンケート回答を集計したもの。表中、◎は私立大、※は国立大をあらわす | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
進化する就職指導
「キャリア教育」は、
もはや大学教育の要
卒業後の進路をサポートする「キャリア教育」は、大学教育の要(かなめ)になりつつあります。
大学1年次から、将来の進路について考える「キャリアプランニング」科目を取り入れている大学は少なくありません。4年間を通して受講するキャリア科目群を開講している大学もあります。
以前は、就職指導行事は任意参加、ガイダンスも3年次に始まるのが一般的でした。しかし、就職氷河期を経て、就職指導体制は一変し、卒業後の進路を視野に入れた履修科目の選び方を指導したり、社会体験ができる科目を設けたりと、大学により内容は異なりますが、手厚いサポートが行われるようになりました。
きめ細かな就職指導を
行う大学は就職に強い!
大学新卒者の就職率(内定率)は、就職希望者のうち何人が就職したかで算出します。2006年3月卒業者の最終的な就職率は、95,3%でした。就職先に強いこだわりを持たなければ、ほぼ確実に就職することが可能です。しかし、卒業者全体を見ると、就職も進学もしない層、いわゆる「ニート」となる新卒者が約15%いるのです。
そこで、そうした層も含めて、卒業者全体に就職者が占める割合を調査したのが表4の「就職ランキング」です。
上位を占めるのは、ほとんどが小規模な単科大で、工学部だけの大学、薬科大などが目につきます。特に理系の学生は、講義に加えて実験、課題と忙しく、毎日長時間を大学で過ごすので、就職指導がしやすいというのが理由にあげられます。
つづいて表5の「学部系統別の就職状況」を見てみましょう。トップは家政の77.5%。家政学部は主に女子大に多く設置されています。栄養士や保育士、教員免許などさまざまな資格が取得できる強みと、女子大ならではの定評あるきめ細やかな就職指導が功を奏した結果といえます。
次いで社会科学の70.5%、人文科学64.2%と続きます。保健の「その他」84.4%は、医療関連のリハビリや栄養、福祉、臨床工学などの学科が含まれます。国家試験と直結した系統で、社会的な要請の高さが就職の強さとなっている分野といえます。
社会から求められる人材
になるための大学を見極める
大学時代は、社会人になる前に「自分磨き」の仕上げをする期間です。社会では出身大学の入試の偏差値は関係ありません。職務を行う人材として、その人の価値が問われます。専門的な知識、問題解決の能力、仕事にかける意欲、そして人間性。大学教育には、そうした一つひとつの能力を高める機会があるのです。
「少しでも偏差値の高い大学」より、「少しぐらい偏差値が低くても、社会で活躍できる人材に学生を育て上げる大学」の方が、卒業後の生き方を豊かにしてくれるのは確かです。大学を存分に活用して、精神的に大きな成長を図るとともに、社会から求められる人材を目指しましょう。(資料提供:大学通信)
| 表4 就職率ランキング (大学通信調べ) |
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※は大学院修了者を含む
(注)就職率は就職者÷(卒業者数−大学院進学者数)×100で算出
| 表5 2006年3月卒業者の学部系統別就職率 (単位:パーセント) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 文部科学省学校基本調査より。医学・歯学系統は臨床研修医となる者を除く。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
〔2007_05 さんぽう「大学への進路2008」より〕 |
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