
ここ数年、大学卒業後の進路が非常に多様化してきていますが、なかでも注目を集めているのが、専門学校への進学です。これまで「就職」か「大学院」進学かに大別されてきた大学卒業後の進路に新たに「専門学校」進学というパターンが増えてきました。
その背景には、
@大学では身につけられなかった専門知識や特殊技術・技能を修得して他人と差別化を図る
A社会全体が“学歴重視”から“実力重視”へと移行しつつあり、企業もまた“何ができるのか”を採用時重く考え即戦力を求めている
―――といった大きな理由があげられます。
専門学校では、それぞれの目的や条件に応じて、さまざまな学び方が選択できます。大学既卒者の利用が多いのが、夜間部です。ただし夜間部は1日の授業時間数が少ないので、卒業までの年数が昼間部よりも長くかかります。転職や独立開業を目標とし、大学で専門的に学んだこととは全く異なった分野への就職をめざすなら、正規の課程でじっくり学ぶのがベストでしょう。
専門学校の修業年限の多くは1〜2年ですが、特に国家資格に直結するような内容の学科は、法的にも修業年限等が詳細に規定されており、一様ではありません。
また、大学既卒者が専門学校の正規の課程で学ぶ場合、総授業時間の2分の1以内であれば、大学での単位が認められる単位互換制度や、大学で履修した科目の単位を申請することにより免除してもらえる科目減免措置などもあります。
各個人によって異なる場合もあるので、入学以前に各学校への確認は必要でしょう。
図1 大学・短大卒業者の専門学校入学者数
(文部科学省「学校基本調査報告書」より)
表1 進路別卒業者の推移 (大学:平成18年度文部科学省「学校基本調査報告書」より)
区分 |
計 |
進学者 |
就職者 |
臨床研修医 |
一般的な仕事に就いた者 |
左記以外の者 |
死亡・不詳の者 |
(再掲)左記[進学者]のうち就職している者(d) |
進学率 |
就職率(c+d)/a×100 |
||
計 |
男 |
女 |
||||||||||
平成 |
人 |
人 |
人 |
人 |
人 |
人 |
人 |
人 |
% |
% |
% |
% |
5年 |
445,774 |
37,918 |
339,884 |
7,054 |
5,494 |
31,766 |
23,658 |
17 |
8.5 |
76.2 |
76.5 |
75.6 |
13年 |
545,512 |
58,662 |
312,450 |
6,628 |
21,514 |
116,396 |
29,862 |
21 |
10.8 |
57.3 |
55.9 |
59.6 |
14年 |
547,711 |
59,676 |
311,471 |
6,979 |
23,205 |
118,892 |
27,488 |
24 |
10.9 |
56.9 |
54.9 |
60.0 |
15年 |
544,894 |
62,251 |
299,925 |
8,,184 |
25,255 |
122,674 |
26,605 |
62 |
11.4 |
55.1 |
52.6 |
58.8 |
16年 |
548,897 |
64,610 |
306,338 |
8,049 |
24,754 |
110,035 |
22,699 |
76 |
11.8 |
55.8 |
53.1 |
59.7 |
17年 |
551,016 |
66,1008 |
329,045 |
7,903 |
19,507 |
97,994 |
18,398 |
80 |
12.0 |
59.7 |
56.6 |
64.1 |
18年 |
558,184 |
67,298 |
355,778 |
9,293 |
16,659 |
82,009 |
15,108 |
72 |
12.1 |
63.7 |
60.5 |
68.0 |
(注)1「進学者」とは、大学院研究科、大学学部、短期大学本科、大学・短期大学の専攻科、別科への入学者です。
(注)2「左記以外の者」とは、家事手伝い、研究生として学校に残っている者及び専修学校・各種学校・外国の学校・職業能力開発施設等へ入学(所)した者、または就職でも「大学院等進学者」でもないことが明らかな者です。
ひとくちに「留学」といっても実にさまざまな形態があります。
短期の海外研修や、夏休み等を利用した語学研修、1年単位の本格的長期留学など多くのバリエーションが存在します。それらの中には、現在在籍している大学を休学することなく留学し、その留学先で(卒業要件に必要な)単位を取得できてしまうものや、留学先の卒業資格まで取れてしまうタイプなども見受けられます。
図2 海外留学の実施形態
図2に掲げたのは、北海道〜愛知までの四年制大学のうち、どのような形態で海外留学や語学研修旅行を行っているかのアンケート結果をまとめたものです(さんぽう調べ)。
学生の側からすると最もうれしい制度である「卒業要件の単位の一部として認めるシステム」は、11.3%を占めていました。「夏期休暇等を利用した海外研修・語学研修等のショートステイ型」としての導入は22.7%で、これら二つのタイプを併せて行っている大学は34.8%にも達していました。
トータル半数以上もの大学が、何らかの“海外プログラム”を組んでいることが分かりました。これに対して「実施していない」という学校は31.2%という結果でした。
長期滞在に及ぶ本格的な海外留学を、高校卒業後すぐに実現させることももちろん不可能ではありませんが、まず日本の大学等へ入学し、在学中に学校が提携する海外大学等へ留学する(1年程度)のが一般的かつ安心な方法です。
正規留学の場合は、TOEFL受験が必要となります。これは、日本人などの英語圏以外の国民で米国、カナダ留学希望者を対象に実施される英語能力判定試験のことで、677点満点です。一般的にはペーパーテストで550点、CBT(コンピュータベース)173を超えないとむずかしいといわれています。
また、大学によっては提携している海外大学以外の大学であっても、カリキュラム等の審査結果により正規留学校として認めています。自分が本当に学びたい大学で学べ、当然単位も認められますので、休学や留年の心配もありません。
〔2007_05 さんぽう「大学への進路2008」より〕