
大学卒業後の就職分野は多岐にわたっています。その中でも看護師、保育士、幼稚園教諭、栄養士等、職業直結型の国家資格や、実践的な知識や技術をもっていると就職には強いようです。特に昨今の就職難の時代にあっては、将来役に立つ「資格」や「技術」を身につけようとする学生が増えてきています。
こうした事情を反映して、最近では、独自の資格取得指導や就職指導(表1)を展開する大学がふえてきました。
コンピュータを自由に操作できる時間帯を設けることで高度情報化に対応できる素地をつくったり、カリキュラムの編成自体を、国家資格の取得に向けて組むなど学校によってその対応は実に多種多様なものとなっています。
また、ほとんどの大学では早期化する就職活動に対応するために就職ガイダンスなどを2年次より実施しており、本格的な就職活動は3年次からスタートします。また、学生に対する個人面談を実施する大学も増えており、この傾向は今後も続くものと思われます。
さらに、今後の就職指導の手段としてコンピュータの活用があります。インターネットのみで企業案内や求人情報の公開、セミナー受付けをしている企業もある中、コンピュータによる就職情報の提供を充実させる大学が増えてきました。
この流れの中で、最近の新しい動きとして、「インターンシップ制度」が定着しつつあるようです。(表2)
これには、「学外実習」「就業体験」等さまざまな呼び方がありますが、大学生が社会に出る前に企業に出向いて働く、模擬就職のようなものを指しています。学生自身が、めざす業界や興味をもっている仕事を在学中に体験してみることにより、イメージだけでは分からない適性を判断したり、将来設計を立てるうえでのベースにしたりすることが可能です。また、自主性・独創性があり、かつ高い職業意識をもった人材育成ができるなどメリットもあるようです。受入れ側でも、実践的な人材の育成を念頭に独自のプログラムを設定し、学生受け入れに積極的なところが増えてきています。
学生の派遣先も一般企業にとどまらず、銀行などの金融機関や地方自治体などの行政機関、NPO(非営利民間組織)、NGO(非政府組織)、など確実に広がりをみせています。
表1 就職指導の具体例
大学名 |
新しい試み・力を入れている点 |
獨協大学 |
キャリア、就職相談(4名のキャリアカウンセラーを配置し、じっくりと相談することが出来る環境提供)。 |
江戸川大学 |
3年次に各業界の企業役員、人事担当者を招聘して講演を実施。「産業特講」という名称で単位化している。 |
東京工科大学 |
「学内合同企業セミナー」を食品、化粧品、薬品、化学系企業に限定し、12月に開催(全業種対応の同セミナーは、毎年2月に開催)。 |
東京工芸大学 |
就職支援プログラムとして、1年時からマナー研修、コミュニケーション講座、会社見学会などを実施している。また、授業科目でも「仕事とライフデザイン」「進路を考える」を開講し、学生のキャリア設計に大いに役立っている。 |
就職に際し、企業が学生に求める最も重要な能力のひとつに、コミュニケーション力が挙げられる。このコミュニケーションを「聞く、話す」「読む、書く」の二つに分け、それぞれの能力を向上させるため、低学年時に講座を設けている。 |
|
神奈川大学 |
就職課が中心となって取り組んできた課外キャリア教育講座が2006年度から「キャリア形成科目I〜V」を正課として導入しました。「キャリア形成」では1〜3年次にかけて一貫して教育を行うことで、就職のためだけではない「人間力」の育成を目指しています。 |
諏訪東京理科大学 |
本年度より正課授業の中で就職支援に関わる科目を1科目から4科目に増やして開講し、1年次よりキャリア教育を段階的に支援している。 |
東海学院大学 |
女子大として女性マナーとビジネスマナーを兼た指導を就職ガイダンス時に実施(4回程度実技含み)。 |
常葉学園大学 |
[就職塾]3年生対象、就職を希望する業界について課外勉強会。 |
愛知みずほ大学 |
PLACEMENT GUIDE(冊子)を作成し、1年次より指導、ガイダンス。カリキュラムの中に教養基礎講座として「教養基礎」「キャリア開発」の講座を設け、就職に対する意識づみの強化を図っている。 |
日本福祉大学 |
全体的なガイダンスとは別に、5〜10人の小規模単位での就職講座を行っている。 |
名古屋学院大学 |
低学年からのキャリア形成支援として、1年次から3年次までの6セメスターで「キャリアデザイン」を正課授業として開講。経済学部・商学部・外国語学部は履修を義務づけている。 |
名古屋商科大学 |
1泊2日で実施する就職研修会では、企業の人事担当者が参加し、泊まり込みで面接(個人・集団)、グループディスカッションを直接指導するほか、就職に関する講演を行う。運営は就職が決定した4年次学生達が担当する。 |
表2 インターンシップ(学外実習)制度のある大学例
大学名 |
実施学部名 |
認定 |
実施 |
実施期間 |
就業体験先 |
東北文化学園大学 |
総合政策学部 |
2 |
3 |
夏期休業中 |
NTTドコモ東北、宮城テレビ 等 |
東日本国際大学 |
経済学部 |
6 |
3 |
2週間 |
企業 |
つくば国際大学 |
産業社会学部 |
2 |
3 |
1〜2週間 |
企業、自治体 等 |
流通経済大学 |
全学部 |
4 |
3 |
夏期休業中の2週間ほど |
企業、地方自治体 |
高崎商科大学 |
流通情報学部 |
2 |
3 |
8〜9月の2週間 |
企業、官公庁 |
十文字学園女子大学 |
社会情報学部 |
2 |
2、3、4 |
10日間 |
企業、地公体 他 |
獨協大学 |
全学部 |
2 |
2学年以上 |
夏期休暇2週間 |
企業、地方自治体 |
江戸川大学 |
全学部 |
4(講義と実習) |
2 |
通年(実際に現場での実施期間は2週間〜1ヶ月) |
企業、NPO、法人 等 |
千葉科学大学 |
全学部 |
2 |
3 |
5〜10日 |
企業、地方自治体、行政法人 |
亜細亜大学 |
経営学部 |
2 |
2、3 |
夏期休暇中の2週間 |
企業、地方自治体 |
経済学部、法学部、国際関係学部 |
2 |
2、3 |
夏期休暇中の2週間 |
企業、地方自治体 |
|
嘉悦大学 |
経営経済学部 |
4 |
3 |
9月 |
企業、地方自治体 |
杉野服飾大学 |
服飾学部 |
2 |
3、4 |
2週間 |
企業 |
拓殖大学 |
全学部 |
2・3 |
春期・夏期 |
企業 |
|
東京家政学院大学 |
家政学部、人文学部 |
2 |
3 |
前期 |
企業、地方自治体、NGO、NPO |
東京経済大学 |
経済学部 |
2 |
3 |
1週間程度 |
企業、地方自治体 |
経営学部 |
2 |
3、4 |
1週間程度 |
企業、地方自治体 |
|
コミュニケーション学部 |
2 |
2、3、4 |
1週間程度 |
企業、地方自治体 |
|
現代法学部 |
2 |
3、4 |
1週間程度 |
企業、地方自治体 |
|
日本社会事業大学 |
社会福祉学部 |
2 |
4 |
2週間程度 |
社会福祉協議会、地方自治体 |
文化女子大学 |
服装学部 |
2 |
3 |
夏期休暇中の3週間程度 |
主にファッション、マスコミ、出版、サービス業界 |
造形学部 |
2 |
3 |
夏期休暇中の3週間程度 |
造形学部の専門に関する企業、事務所、工房 |
|
現代文化学部 |
2 |
3 |
夏期休暇中の3週間程度 |
主にファッション、マスコミ、出版、サービス業界 |
|
目白大学 |
社会学部 |
2又は4 |
1〜4 |
主に夏休み |
企業他 |
長岡大学 |
産業経営学部 |
2 |
3 |
夏期休業中、2週間 |
企業、地方自治体 |
高岡法科大学 |
法学部 |
2 |
3 |
1週間〜2週間 |
官公庁、弁護士事務所、一般企業 |
福井工業大学 |
工学部 |
2 |
3 |
前期 |
企業、地方自治体 |
岐阜経済大学 |
全学部 |
2 |
2、3 |
8、9月 |
企業、地方自治体 |
東海学院大学 |
文学部 |
2 |
3 |
5日 |
岐阜市役所 |
常葉学園大学 |
教育学部、外国語学部 |
2 |
3 |
夏期休業中 |
企業、地方自治体 |
造形学部 |
2 |
3 |
夏期又は春期休業中 |
企業、美術館 |
|
静岡産業大学 |
情報学部 |
2〜4 |
3、4年 |
2〜4週間 |
企業、地方自治体、NGO |
経営学部 |
2〜4 |
3、4年 |
2〜4週間 |
企業、地方自治体、NGO |
|
愛知工業大学 |
全学部 |
2 |
2、3、4 |
約2週間 |
企業等 |
金城学院大学 |
全学部 |
2 |
3 |
2週間前後 |
企業、地方自治体、NGOなど |
椙山女学園大学 |
全学部 |
1 |
主に |
2週間前後 |
企業、行政機関 |
星城大学 |
経営学部 |
2 |
2 |
体験先による |
名企業、他方自治体 |
名古屋経済大学 |
経済学部 |
2 |
3 |
2週間 |
官公庁 |
経営学部 |
2 |
3 |
2週間 |
公認会計事務所、官公庁 |
|
法学部 |
2 |
3 |
2週間 |
司法書士事務所、官公庁 |
|
人間生活科学部 |
2 |
4 |
2週間 |
平成20年度より実施予定 |
|
三重中京大学 |
現代法経学部 |
2 |
2、3、4 |
夏期、冬期、春期、休業期間中10日間 |
企業、自治体 |
〔2007_05 さんぽう「大学への進路2008」より〕