
厚生労働省の調査では、今春卒業予定で就職を希望する大学生の内定率は、2007年10月1日現在で68.1%と、前年の同期調査数値となる65.8%から2.3ポイント上回りました。ここ数年は企業側が優位となる「買い手市場」の状況が続いていましたが、就職内定率の上昇から改善の兆しが見え始めています。
このような状況変化の背景には、各企業の業績が回復傾向にあることが挙げられます。また昭和22年から昭和24年にかけての第一次ベビーブームで誕生したいわゆる「団塊の世代」が60歳の定年退職を迎え、平成18年から平成20年にかけて大量に退職することから、人材を多く確保したいという企業が正社員の採用を増やしている点も考えられます。
とはいえ、例年どおり採用の基準が高くなっていることも事実です。多くの企業で採用は拡大していますが、定めた基準レベルに達しない学生は採用を控えるといった企業も存在します。そのため、学生時代に何を身につけたかが大きなポイントになります。以前と比較して採用されやすくなり状況はよい傾向になっていますので、自分を磨くことが今後の就職活動に反映されるといっても過言ではないでしょう。
希望の就職先として大企業の人気は、依然として高いようです。特徴を分析すると、文系男子の人気上位企業は商社と金融になりました。この背景には、以前からの総合商社人気に加え、業績が回復し採用数も増加した銀行や大手証券がランクを上げたことが人気の一因としてあげられます。
一方理系の男子では、日立製作所がV2を達成。松下電器産業も昨年同様2位となり、この2社がダントツで「2強」と呼ぶにふさわしい状況です。
文系女子は三菱東京UFJ銀行が1位、みずほファイナンシャルグループが4位とメガバンク人気が目立ちました。理系女子は、松下電器産業が初の1位、2位は日立製作所となっており、上位は男子と同じような結果になりました。
人気ランキングの上位に大企業が名前をつらねる一方で、大企業から中堅・中小企業に目を向ける学生も確実に増えています。就職活動の過程で、就職環境のきびしさを実感した学生の意識の表れでもあり、大企業に余りこだわらなくなってきたともいえます。
むしろ、企業規模や知名度などよりも、やりがいや興味を重視し自分の適性や個性とは何か、自分は何をしたいのかなどの本質的な要素をふまえた企業選択をする学生が多くなっています。企業側が優位な「買い手市場」から学生側が企業を選ぶ「売り手市場」への兆しが見え始め、採用側も優秀な人材を確保しようと懸命です。そうした中で、希望する職種決め、その環境でアルバイトする人、在学中に資格取得を目指したり、高度な研究をするため、大学院に進学する人も多くなっています。大学に入ったからといって、のんびりしていては後れをとります。将来の仕事のことを考えて本気で学ぶようにしたいものです。
■文系男子人気企業
1 |
三菱商事 |
2 |
三井物産 |
3 |
三菱東京UFJ銀行 |
4 |
住友商事 |
5 |
伊藤忠商事 |
6 |
丸紅 |
7 |
東京海上日動火災保険 |
8 |
三菱UFJ信託銀行 |
9 |
松下電器産業 |
10 |
三井住友銀行 |
■文系女子人気企業
1 |
三菱東京UFJ銀行 |
2 |
全日本空輸(ANA) |
3 |
東京海上日動火災保険 |
4 |
みずほファイナンシャルグループ |
5 |
三菱商事 |
6 |
住友商事 |
7 |
ベネッセコーポレーション |
8 |
三井物産 |
9 |
日本航空(JAL) |
10 |
伊藤忠商事 |
■理系男子人気企業
1 |
日立製作所 |
2 |
松下電器産業 |
3 |
三井物産 |
4 |
東芝 |
5 |
三菱商事 |
6 |
野村総合研究所 |
7 |
住友商事 |
8 |
キャノン |
9 |
ソニー |
10 |
シャープ |
■文系女子人気企業
1 |
松下電器産業 |
2 |
日立製作所 |
3 |
カゴメ |
4 |
サントリー |
5 |
味の素 |
6 |
東レ |
7 |
ロッテ |
8 |
キリンビール |
9 |
ハウス食品 |
10 |
三菱東京UFJ銀行 |
〔2007_05 さんぽう「大学への進路2008」より〕