AIなどのテクノロジーの導入は、保育の現場でも今後、進んでいくと考えられます。これにより、業務負担を軽減する効果が期待されるでしょう。 例えば、顔認証システムを使った登降園管理により、毎日の出欠確認が簡素化され、事務作業の負担が減ることなどが考えられます。あるいは、保育記録のデジタル化によって、保育士は日々の記録をアプリに入力するだけで子どもの発達状況を即時に分析でき、次の指導方針に役立てることなども考えられます。 また、AIやロボットなどは、絵本の読み聞かせや言語の発達支援など、特定の活動で補助的な役割を果たしてくれるでしょう。これにより、保育士は一人ひとりの子どもに対するケアの時間を確保しやすくなります。また、保護者への連絡業務も、チャットボットなどの活用で効率化を進めることができるでしょう。さらに、保育園での様子を自動で報告する機能が整えば、保育士は対応にかける時間を減らせます。 こうした、AIなどを保育に応用し、商品化するような新産業も今後、どんどん増えてくると考えられます。ただし、これらの技術の導入は、あくまで人間らしいケアの補完という立場に留まるべきでしょう。なぜなら、AIでは子どもたちの感情に対する繊細な対応は難しいため、人間の保育士が中心となり、テクノロジーを活用してより良い保育を提供することが重要だからです。ムとして、教育現場にも革新をもたらしていくと考えられます。このメタバース教育が普及すれば、仮想空間を活用した没入型体験を提供することで、従来の教育にない新たな学習機会を生み出してくれるでしょう。例えば、歴史の授業で生徒が古代遺跡を3Dモデルで探索したり、理科の授業で人体や分子の構造を立体的に観察したりするなど、教科書では得られない深い理解を促進する可能性があります。 さらにアバターを通じて世界中の生徒が共同学習に参加し、プロジェクトを進めるようなことも考えられます。これにより異文化理解も深まるほか、地理的な制約を超えた仮想遠足や体験学習も実現します。また、宇宙や深海といった現実では難しい環境を安全かつ効率的に体験することもできるでしょう。もちろん、高価なVR/AR機器の必要性が教育格差を広げる可能性や、長時間の仮想空間利用が子どもの心身に与える影響などについては、十分考慮すべきでしょう。 VR/ARコンテンツ開発企業やメタバース教育プラットフォームが新たな産業として成長し、未来の教育インフラとして定着することで、物理的な制約に縛られず「いつでもどこでも学べる」学習環境が実現することで、生徒一人ひとりの創造性を引き出し、教育現場の在り方が大きく変革することが期待されています。─ 23 ─介護業界で急速に成長するケアテックが未来を切り開く ケアテックとは、「Care(介護)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語です。このテクノロジーを活用して介護を革新する分野で、AI、ロボット、IoTなどが急速に普及しています。例えば、ウェアラブルデバイスや転倒検知センサーにより、高齢者の健康状態を遠隔でモニタリングしたり、介護ロボットの歩行補助や会話の相手として利用したりすることなどです。オンライン診療や介護マッチングサービスも今後益々進展し、在宅ケアの充実に貢献していくと考えられます。 また近年はパワードスーツを用いた革新的なサービスを提供する企業も登場しています。今後、5G通信や多言語対応技術がさらに発展し、地域全体で支える包括的な介護が推進されていくことでしょう。ケアテックの成長は、効率化と心のこもったケアの両立を目指す未来を切り開いていくと考えられます。メタバースを教育に応用いつでもどこでも学べる環境 メタバースは、仮想空間でリアルとデジタルが融合する新たなプラットフォー保育・介護・福祉・教育系の近未来AIなどのテクノロジーが保育の現場を変革するケアテックやメタバースの教育への応用も進展AIなどのテクノロジー活用による保育の効率化
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