FashionBusinessOutlineFashionBusinessOutline※※※※※6■ファッションビジネスのアウトライン(顧客情報を分析し、商品企画資料を作成)(型紙をつくる)(型紙を配置する)(ミシンで縫い合わせる)(衣服にアイロンをかける)※海外など外部発注 作業が主流る時と同じく、右の図のようにさまざまな工程が存在します。 右図はアパレル製造卸業態の一般的な例ですが、各工程にはさらに複雑な作業が伴います。こうした工程すべてを自社でまかなう企業は少なく、多くが外部発注生産に依存しています。紳士服・ワイシャツなどデザインが集約できる商品では、自家工場での生産比率が高くなります。しかし、婦人服のようにデザインが複雑で、製品一つあたりの生産量も多くはない商品は、ほとんどが外部発注に頼っています。生産加工は国内だけではなく、中国・インドネシアなどアジア地域からイタリア・フランスなどの欧州地域にまで及びます。対してSPA業態では企画から販売までが一貫して自社で行われます。卸業態と比較して、早いサイクルで商品を店頭に並べることが可能になります。卸業態を中心としていたアパレルメーカーでも、この方式を積極的に取り入れ、飛躍的に業績を伸ばした企業が少なくありません。高級志向か、ファストファッションか+αが求められる日本のアパレルメーカー 百貨店、専門店などの小売業者に商品を卸すアパレル卸商のほかに、最近台頭が目ざましいのが、自らの店舗をかまえて販売するSPAやこれに類する形態の業種です。SPAは、消費者のライフスタイルの変化・多様化に対応して、衣服以外にバッグ・シューズ・アクセサリーなどのファッショングッズまでを総合的に扱うことで著しい成長を続けています。H&MやZARA、日本ではユニクロやGU、ワークマンなど多くのファストファッション系ブランドがSPAの仕組みを最大限に生かして業績を上げています。市 場 調 査商 品 企 画デ ザ イ ンパターン・メーキングサンプリング(サンプル製品をつくる)グレーディング※(規格の異なった型紙をつくる)マーキングカッティング(型紙にしたがって切る)縫 製プレス検 査(検 品)展示会販売製造工程SPA企業の登場 アパレル業界の歴史は1960年代、1970年代、1980年代と10年区切りごとに大きなトレンド変化が起きています。1960年代はナイロンやポリエステルといった合成繊維が登場して、大量生産が可能な繊維を服にして大量販売しようと各企業が力を入れていた時代です。アイビールックの流行やミニスカートが登場したのがこの年代です。70年代は日本人デザイナーがパリコレに参加し始めた頃で、「ファッション化社会」と呼ばれていました。80年代は日本人デザイナーが世界的な注目を集め、同時に日本ではDCブランド全盛の時代に突入しました。また、80年代後半のバブルとともに、世界中のファッションが手に入るようになりました。90年代はバブルがはじけ、不況に突入し、ストリートファッションに注目が集まりました。2000年代は世界各国の有力SPA企業(企画~材料の調達~生産~販売まで自社で行う)の出店が加速し、独自性をもったブランドが生き残る時代へと変化していきました。 アパレル業界の歴史を見てみると、その時代の経済状況や社会情勢により、主要のトレンドや消費者の価値観が変化していることがわかります。衣服ができるまで 衣服を製造する場合、ミシンさえあればいいというわけではありません。自動車や建物を作
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