学びのすすめNo.3_2026
22/110

26大学や短大卒業後は、採用試験を受けるか、就職して社会人になるか、さらに知識を深めるために編入・再入学するか、または海外で修行をするか、その進路はさまざま。でも、それを選ぶのは自分自身。ここでは、卒業後の進路のあれこれについて考えてみましょう。就職就職専門・分業化する最前線で働く大学院大学院研究の道を突き進む専攻科専攻科得意分野に特化して学ぶ大学編入大学編入短大の2年間をさらに昇華する専門学校専門学校知識をベースに技術を得たい留学留学グローバルな感覚を身に付ける進路一覧卒業後の進路卒業後の進路就職から進学、留学まで世界中で需要の高いエンジニアや科学者になるために就職から進学、留学まで世界中で需要の高いエンジニアや科学者になるために●就職 いまや“リケジョ”(理系女子)という呼称を日常的に目にするように、近年理工学部は男女学生ともども依然人気を保っています。文部科学省のデータによると、技術系を中心に毎年一定数の求人が続いているようです。厚生労働省がまとめた「令和5年3月大学等卒業者の就職状況調査」によると、理系と文系の就職率は理系が98.1%、文系が97.1%となっています。 こうした状況のなか、理工系学部の専門職ではインターンシップを積極的に行う企業も増えてきました。働きたいと思う会社が見つかれば就職するいいチャンスですし、結果的に進学を選択するにしても、さまざまな企業のリアルな仕事現場を見聞できていい体験になるはずです。3年次にはぜひこの貴重な機会を活用し、実社会に触れてみることをおすすめします。●大学院 メーカーなど製造系の研究・開発職をめざす場合、かなり高度な専門性が求められるのが実情です。そのため大学のカリキュラムだけでは不十分で、より専門的な研究を行える大学院への進学率が約4割を占めています。 ただ、修士課程で最低2年、博士課程で最低3年と修業年限が長いだけでなく、専門性がとても高くなるため、自分が研究したい対象分野を見極めることが重要になります。どの研究室に入るかといった段階から、就職先の選択肢が決まってくる場合も少なくありませんので、そのあたりは学部の時点から想定しておくべきでしょう。●専攻科 短期大学を卒業したら次は就職という流れが従来のパターンでした。ですが近年では、短大を出た後、さらに1~2年間学ぶというケースが増えています。それが専攻科です。短大の本科で学んだ学問・教養をベースに、さらに深く踏み込んだ専門知識や技術・技能を修得していくという発展的ルートで、一つ注目してほしいのは、大学評価・学位授与機構が認定した専攻科の場合、4年制大学卒と同等の「学士」の資格が得られることです。 多くのカリキュラムの場合、教養、英文、国文、生活、食物栄養、家政、経営、商学、幼児教育、福祉教育、看護・医療、美術・デザイン、芸術、神学、電子、情報工学、音楽など学問のほぼ全領域で編成されています。●大学編入 従来の編入学と言えば、短大や高専に所属する卒業見込の学生がすでに取得した単位を保持して4年制大学へ転入することでした。しかし現在では専門性の社会的な必要性が高まってきたからか、大学既卒の社会人や4年生大学の現役学生の編入も増えています。 なかでも理工系分野はその大学ならでは、その大学にしかない、といった独特な研究が行われているケースが多く、ぜひそこで研究に没頭したいという希望者が増えているのです。 ただ、編入に関する基準は各大学でさまざまですので、早めに確認しておくことをおすすめします。●専門学校 近年、大学・短大を卒業後に専門学校へ進学する人が目立ってきました。より実務的な知識や技能を身につけられるためです。文部科学省の調べ(2024年)によると、専修学校専門課程の入学者のうち大学・短大等卒業者数は12,233人におよび、専修学校専門課程全体の入学者の約5%に上ります。高度な情報技術や資格取得といった実務的分野の必要性が増し続けている社会的背景もその理由かもしれません。●留学 人や企業のグローバル化が進むなか、「海外に出て言語を学び、視野を広げたい」という留学希望者が増えています。米国、カナダ、オーストラリアが多数を占めています。とくに理工系分野においてはプログラミング言語や数式、化学記号など世界共通のものが多く、語学が主体となる文科系ほど語学学習における負担が少ないのも利点と言えるでしょう。● 卒業後の進路

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る