学びのすすめNo.7_2026
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44● NEWS&TOPICS大学・短期大学の芸術・美術・デザイン・音楽系の最新ニュースをキャッチ! 学部・学科の関連情報もあるよ!学生のアイデアで空き家をリノベーション-東北芸術工科大学名古屋駅西エリアのPRポスターを制作-名古屋造形大学大日本印刷と共同でアート体験イベント-東京藝術大学「サグラダ・ファミリア」の石こう像を展示へ-京都市立芸術大学(参照:NHK NEWS WEB)(参照:公式プレスリリース)山形県内の空き家の数が過去最多となる中、東北芸術工科大学は学生たちがアイデアを出して空き家物件をリノベーションするプロジェクトを進めています。東北芸術工科大学では、2023年から県内で空き家に関する勉強会を主催し、空き家を売ったり貸したりしたい人の相談を受け付けており、2024年12月までの1年間で5件の物件で実施されました。このうち山形市七日町のとあるアパートはおよそ半年かけて改修されました。およそ50年前に建てられたこのアパートは、山形市出身の男性が親から相続したものの、住む人がいないため解体するかどうか悩んでいたということでした。学生たちとプロジェクトを手がける東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科の加藤優一専任講師は「空き家の所有者は自分の物件に価値がないと思っている人が多いが、そこに魅力を見つけられるのが学生の創造力だと思う。空き家に困っている人は多くいるので、支援していきたい」と話していました。名古屋造形大学は株式会社トガル、中村区役所の三者と協力し、名古屋駅の西エリアにおける魅力をさらに発掘・発信するための地域活性化事業を行っています。名古屋駅周辺は、これまでは駅の東側エリアを中心に発展してきましたが、リニア中央新幹線の開通に向け、西側エリアも大きく変化しようとしています。今後大きく様変わりしていく同エリアにあって、懐かしく温かみのある街並みといった「駅西」の個性を、周辺地域はもちろんのこと、地元の人々にも改めて感じてもらうことを目的に、同大学情報表現領域4年生(当時)の学生たちは「駅西」のPRポスターを制作しました。ポスターのコンセプトは「つづく つながり 駅西」。同大学によれば、人とまちの記憶がゆるやかにつながりどこか懐かしくて優しい駅西、リニアが開通してまちの姿が大きく変わってもきっと変わらない駅西の魅力を表現したとのことです。ポスターは2024年7月より、駅西銀座通商店街協力店や地下鉄名古屋駅などで掲出されています。 る「みどころウォーク」と、作品や観光スポット、製品などの(参照:公式プレスリリース)(参照:ARTnews JAPANなど)東京藝術大学を中核に、41機関が連携する産学官の共創プロジェクト「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点(ART共創拠点)」では、福祉・医療・テクノロジーを融合したアートコミュニケーションによって、誰もが「自分らしく」を実現できる共生社会の実現を目指しています。このプロジェクトの一環として、同大学では大日本印刷株式会社(DNP)と共同で、DNPが開発したコンテンツインタラクティブシステム「みどころシリーズ」を活用したアート体験イベントを2024年11月~ 12月、大学美術館にて行いました。会場では、ヘッドマウントディスプレイを装着した利用者が実際に移動をすることでVR空間内を動き回ることができさまざまな情報を、立方体型のインターフェースを用いてそれらのテーマや関係性といった多様な視点から紹介する鑑賞システム「みどころキューブ」を活用した体験イベントと展示を実施しました。京都市立芸術大学は、スペイン・バルセロナの世界遺産「サグラダ・ファミリア教会」に10年間設置された石こう像「歌う天使たち」9体を、制作者で同大学卒業生の彫刻家・外尾悦郎さんから寄贈されました。これらは開設1周年を迎えたキャンパスに常設展示される予定です。「歌う天使たち」の像9体は、キリスト誕生を祝う場面を表した同教会正面の「生誕の門」に1990年から10年間設置されました。聖母マリアに抱かれるキリストの上空で、柔和な笑みをたたえ、喜びの歌声を響かせる姿を表現しています。同教会の主任彫刻家を務める外尾さんが建築家ガウディの残したわずかな資料を手がかりに制作したものです。同教会の彫刻制作の手順は、まず石こう像を作り、実際に配置して周辺の彫刻群とのバランスなどを確認した上で、本格的な石像に置き換える手法が採られています。今回、市立芸大が昨年10月に新キャンパスへ移転したのを機に、外尾さんから置き換えに伴って撤去された石こう像を母校に寄贈したいと打診され、受け入れることになりました。最新

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