つくにはBooksNo.2_2026
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求人は安定、専門知識+αが 求められる傾向面接指導や挨拶・マナーに 力を入れている学校が多い就職支援の例●1年生の頃から就職ガイダンスを行っており、インターンシップや説明会などへも積極的に参加してもらっている。(いばらきどうぶつ専門学校)●ペット業界の代表団体である全国ペット協会と産学連携を結び、毎年校内でペット関連大手一流企業による企業説明会を行っている。また現場重視、実践重視の教育理念により、新校舎である動物高度医療センターを中心に実際に営業もしているペットショップ実習施設などを備え、学内でも実践的な実習を行っている。資格の面でも業界からの要望を受け、就職に役立つ資格が取れることが特徴。(高崎動物専門学校/太田動物専門学校)●入学直後に個人面談を実施し、学生本人の希望を把握。学内で実施する企業説明会で、動物分野企業の各社の方針、社員の働き方などを理解する。夏期休暇や冬期休暇、春期休暇で校外研修(インターンシップ)を実施。インターンシップを利用して就職を決定する学生が多数。●ただ就職率を上げるのではなく、学生たちが社会で活躍できる就職を意識している。また、具体的な取り組みとして一つの学科を複数でサポートする形をとり、個別サポートを更に強化した。●一人ひとりの状況に合わせた就職相談を実施。また、履歴書やエントリーシートの添削、面接指導を個別に手厚く対応。(中央動物専門学校)(専門学校 東京ビジネス・アカデミー)(日本動物専門学校)業界就職最前線 63ますが、働く場所が限られているので、基本的には狭き門ととらえた方がよさそうです。さらに特定の施設で働きたいなどの希望がある場合は、空きポストがあるかなどの運の要素も多分に絡んできます。 本誌が動物・環境系の専門学校等に対して実施したアンケートによると、就職支援において重視したポイントとして「面接指導」「挨拶・マナー」を挙げた学校が同率首位でした。これは、各企業に合わせた様々な面接・面談に対応するためと考えられます。オンライン面接などに対応できるよう、学生が就職活動に利用できるPCを複数配備している学校や、タブレットを1人1台支給している学校もありました。また、個別での就職相談、応募書類の添削や電話の掛け方などの指導を行っているという回答が目立ちました。 2番目に多く挙がったのが、「企業説明会の実施」「個人面談」。下記に就職支援例をまとめましたが、各学校では、合同企業説明会や個別での企業説明会の実施、模擬面接、個人面談により、希望の就職先が見つかるように、バックアップ体制を整えています。 また、「1年次からの将来のビジョン作り(個別指導)を行う。(広島アニマルケア専門学校)」といった、早い段階で就職指導に取り組んでいる学校も見受けられました。 犬、猫の飼育頭数は毎年、ほぼ横ばいの状況ですが、一頭一頭にかける金額は上がっており、ペット業界全体の売上は上昇しているのが現状です。 本誌が動物・環境系専門学校等に対して実施したアンケートでは、基本的に求人件数は安定しており、大手企業の求人・採用は各地で積極的に行われています。「新卒求人は更に増えると予想されるが、一方で少子化により今後も減少が確定している新卒者への求人よりも、中途求人に比重を置く企業も出てきている。(日本動物専門学校)」という回答もあり、今後の求人数等に注目する必要もありそうです。 求められる人材として、動物・環境分野に関する専門知識だけでなく、あらゆるデジタル化に対応できる人材が望まれるようです。さらに、コミュニケーション力に加え「経験の豊富さ」「素直さや明るさ」を重視する企業も多くなっている傾向です。 売り手市場の今だからこそ、求人内容や雇用形態を見極め、キャリアデザインに合わせた就業選択が必要になるでしょう。

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