業界就職最前線業界就職最前線採用活動の早期化、さらに加速就職・求人は現状維持の中、若干上昇か就職先で、地元を志望する学生が増加中?VTuberやXRなど、新メディアで求人増加の予感「年々求められる能力は上がってきていると感じている」(専門学校日本デザイナー学院 九州校)、「昨年までは歓迎されたレベルが次年度は通用しないというスキルのインフレ化が進んでいる」(専門学校 東京デザイナー・アカデミー)といった、求められる能力・技術がどんどん高くなっているという意見の一方、「能力も必要ではあるが、人物重視が多くなってきている」(専門学校サンテクノカレッジ)、「学び続ける姿勢や協調性等の入社後の働き方や人間性により深く評価の基準があるように感じます」(専門学校 東京クールジャパン・アカデミー)と、人間性を重視するという両端の意見が印象的でした。業界の就職動向にここ数年で変化はあったか?という質問には「はい」という回答が大半でした。その中では色々具体的な意見がありましたが、特に「早期化が進んでいます」(専門学校 福岡デザイナー・アカデミー)など、加速する採用活動の早期化について言及する学校が目立ちました。最後に、来年度以降の予測として「しばらくエンタテインメント業界の求人は減少せず、売り手市場の状況が継続していくと思われます」(専門学校ESPエンタテインメント東京)など、これまでの流れで求人面の好調を予測する学校がある程度見られました。また「映像・舞台などでもインタラクティブ、XRなど新しいメディアが増加していくと感じる」(専門学校 大阪ビジュアルアーツ・アカデミー)といった、新しい分野で動きがあるという展望もありました。今回、各種エンタテインメント系の学校に行ったアンケートによれば、2025年度卒業生の就職状況や求人数については、ともに(昨年度や例年より)「変化なし」とする回答が過半数、ついで「増加した」と続き、全体的に現状維持の中、若干の上昇傾向という印象です。ただし、ゲーム分野の就職状況については「就職率は低下している」(専門学校 東京クールジャパン・アカデミー )、「ゲーム会 社 の 採 用 基 準が上がっている」(OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校)という意見もありました。また求人面ではIT・ネット系や「Vチューバーや配信業等のコンテンツ周り」(専門学校 東京クールジャパン・アカデミー)等での増加が目立つようです。ここ数年の学生の内定先や志望する業界・職種に変化はあったかという質問には、「あった」「なかった」でほぼ二分されました。「あった」と回答した学校の中では、「就職先の幅が広がっている」(専門学校 福岡デザイナー・アカデミー)、「(かつては関東志望者が多かったが)地元志向の学生が増加している」(専門学校 大阪ビジュアルアーツ・アカデミー)という趣旨の回答が複数ありました。逆に、企業側が学生に求めるもの(能力・資格等)にここ数年で変化はあったかという質問については「ある」「ない」「どちらとも言えない」でほぼ綺麗に回答が割れました。そのうち「はい」と回答した学校からは、当社実施アンケートから最新動向を徹底分析本誌では、エンタテインメント系の学科・コースを設置している専門学校などにアンケート調査を実施。就職の現状や就職指導のしかた、業界の展望などの“生の声”を入手しました。就職を取り巻くさまざまな現状について、一緒にみていきましょう。66 業界就職最前線 企業が学生に求める能力が高度化する一方、学ぶ姿勢や協調性など人間性重視の傾向も
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