分野別ガイドブックNO.1
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27 パソコンやスマートフォン、そして電気自動車などに使われているリチウムイオン電池は、もはや現代の生活になくてはならないものだと言っていいでしょう。翻って考えると、電気を貯めておく装置である電池の性能が、私たちの生活の質を上げるカギになるとも言えます。たとえば、電池の性能が上がれば、電気自動車はより遠くに行くことができますし、パソコンやスマホも充電に煩わされずに使い続けることができるようになります。 欧州の研究機関などでは、2030年以降を目標に、マグネシウムイオン電池や亜鉛イオン電池の開発を急いでいます。マグネシウムイオン電池はリチウムイオン電池と比べ、コストを下げやすく、電池の容量を2倍以上にできるとされています。 亜鉛イオン電池については、東北大学で開発された新型の亜鉛イオン電池が注目されています。今後、リチウムイオン電池に代わって、こうした電池が主流になっていくかもしれません。 また、太陽電池も近年、発電効率を高めてきています。たとえば、東芝が2022年11月に発表したリリースによると、新しいタイプの太陽電池を自動車に搭載して電気自動車(EV)の蓄電池に充電することで、近距離ユーザーの1日の航続距離をカバーするといわれる30km超の無充電走行が可能になると試算しています。将来は、充電機に頼ることなく、太陽光だけで自動車が動く世界がくるかもしれません。シリーズこう変わる人化・可視化などを実現し、人手不足による、従業員の負担や残業を減らしていこうとしています。 さまざまな場所で活用されるドローンは、「空の産業革命」とも言われています。空撮はもとより、農業での農薬散布や測量での活用など、もはや欠かせない存在となっていることは事実といえるでしょう。今後は、物資輸送などにも活用できるのではないかと期待されています。 ドローンをさらに活用していくためには、「レベル4」の実現が必要不可欠だと言われています。レベル4とは、人間が地上にいるその上を、自動航行技術などを用いて目視外で飛行することです。このようにドローンを飛行させることは、これまでの航空法では認められておらず、レベル3の無人地帯における目視外飛行までは、認められている状態でした。 しかし、2022年12月より航空法の改正を受けてレベル4が解禁されます。これにより、産業用ドローンがいよいよ社会実装化されることになり、ドローンに関わる技術者や操縦者がますます必要になると考えられています。未来は自動車の製造・販売よりも交通サービスが主流になる? 昨今は特に世の中が急速に変わっていっています。自動車といっても従来の枠組みを超えたものになる可能性もあります。たとえば、これまでは車は所有するものでしたが、カーシェアリングや月極のサブスクリプション方式で、必要な時に使うサービスのようなものになるかもしれませんし、これまでは自動車メーカーが製造販売を主な業務内容にしていましたが、上記のようなサービスを展開する交通サービス会社になるかもしれません。国が主導している、建築現場のICT化で工事や作業が変化? 建設業界そのものも、ITによって変化しようとしています。国土交通省は、ICTを建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性の向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取組み(i-Construction)を進めています。 これにより、作業や工事の効率化・省新しいタイプの電池が自動車の今後を決める!?自動車・IT・デジタル・建築系の近未来注 目 の 新 産 業レベル4解禁でドローンがますます産業に活用される電気自動車や新しい交通サービス、ICTやドローンが作る世界とは

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