学部学科分野まるわかり事典東日本
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高校卒業後の進路は将来を左右するとても重要なことといえます。このページは2024年度の入試の傾向を知り、2025年度を展望してみたいと思います。(参照:河合塾他)15今どき高校生の志望先全体的には緩和傾向継続か新科目登場など新たな動きも●緩和傾向の中、志願者増の見込み 日本の18歳人口は減少傾向にあり、2024年は近年中で最少人数となりました。多くの大学でも定員割れが目立つ中、この年は強気の出願が目立ち、このところ続く緩和傾向の中にあって、国公立大の志願者数は前年並、私立大も前年並という結果でした。2025年も全体的な緩和傾向は続くものとみられますが、18歳人口は増加に転じ、大学志願者数も上昇が見込まれています。系統別の人気をみると、2024年は文系、特に外国語・国際学系の学部が人気を集めました。一方で医療・保健系の学部はコロナ禍の影響でここ数年志望者が増えていましたが、5類移行を受けてか、それも落ち着いています。●新科目「情報」が共通テスト中心に登場 教育課程の改定に伴い、2025年からは新課程に対応した入試がスタートします。地理・公民の出題科目が再編される他、国語、数学、理科などでも細かな変更がありますが、一番大きな変更点は、新たに「情報」が登場することです。大学入学共通テストでは、国公立大を中心とする多くの大学が5教科7科目から、情報を加えた6教科8科目へと移行します。ただ、その配点比率は多くの大学で低めに設定されています。また個別試験の方にも情報はありますが、選択制だったり、そもそも数が少なかったりと、2025年度入試の時点では、試験全体における新科目のウェイトはあまり大きくないようです。●理・工・農・情報系枠の増加 現在、政府は高等教育改革を進めており、特に私立大に対しては2024年から2029年までの5年間で、大学の統合・廃止、学部の再編などを推進しています。また、理系人材の育成強化も目指しており、公立・私立大を対象に理・工・農学系学部の設置や、情報系学部の体制強化(国立大に対しては、該当する学部の入学定員増加を認可)などを積極的に支援しています。理工系学部に女子の入学枠を設置する大学が増えているのも、これらの支援策によるものです。こういった背景から、2025年入試では、さまざまな大学で募集枠の増加や廃止が多く起こるものと思われます。

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