15●日本学生支援機構URL:https://www.jasso.go.jp/返済にあたり押さえておこう①延滞に注意! 「奨学金=借金」ということを忘れずに②返還は卒業半年後から。返済期間は最長20年(利用金額により異なる)③第一種奨学金は、返済開始時期を延ばす「所得連動返還型無利子奨学金制度」あり(令和2年度末現在 日本学生支援機構調べ)日本学生支援機構奨学金返還状況返還を要する者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・454万5千人返還している者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・425万4千人3ヵ月以上延滞している者・・・・・・・・・・・・・・・・13万2千人延滞者の割合(3ヵ月以上延滞者) = 約3.4%奨学金日本学生支援機構の奨学金のポイント奨学金の返済方法の種類 第一種、第二種それぞれ2つ■第一種奨学金の返済方法 所得に応じて返済額を見直すか毎月同じ額か 第一種奨学金の場合、申し込む際に「所得連動型返還方式」か「定額返還方式」のいずれかを選択します。所得連動型返還方式は所得に応じて、返還する月額を毎年見直します。そのため、所得が高くない場合でも無理のない月額で返還でき、反対に所得が高ければ、短い期間で返済を終えることができます。定額返還方式は、返還が完了するまで毎月同じ額を返済します。■第二種奨学金の返済方法 返還完了まで金利が一定か約5年ごとに見直すか 第二種奨学金では、申し込む際に「利率固定方式」か「利率見直し方式」のどちらかを選んで将来返還していくことになります。利率固定方式では、貸与終了後に利率が決定され、その利率が返還完了時まで適用されます。一方、利率見直し方式では、貸与終了後に決定された利率をおおむね5年ごとに見直すものです。どちらの方式を選んだとしても金利の動向次第で、得をすることも損をすることもあります。なお、日本学生支援機構の奨学金は市場の金利が上がったとしても、利率の上限は3.0%までに制限されています。貸与型の奨学金は借金と同じということを知る■「もらうもの」ではなく、「返済するもの」という理解を 最近では奨学金を返還することができない人が増加していることが問題となっています。日本学生支援機構の調査によれば、延滞の理由の大半が家計の問題です。「本人の低所得」(62.9%)「奨学金の延滞額の増加」(41.4%)が大きな理由ですが、中には「忙しかった」(6.7%)など、返還に関する理解や意識の低さによるものもあります。■返済困難者を助ける「返還期限猶予制度」「減額返還制度」もある 貸与金の返還は、卒業後7カ月目から始まります。ただし、第一種奨学金では返済困難な方に対し、卒業後一定の収入を得るまで返済を待ってもらう「猶予年限特例」いわゆる「出世払い」制度があります。この他にも、返済者が事故や災害などにあい返済が困難になった場合に、申請をすることで返済開始を遅らせたり、一回の返還額の減額や、返済期間の延長をすることができます。延滞してしまい、延滞金を支払ったり、クレジットカードやローンを利用できない状態にならないためにも、これらのことを事前に理解しておくことが肝心です。入学時や家計急変時に利用できる奨学金もある■入学時の貸与額を一時的に増額できる「入学時特別増額貸与奨学金」 この制度は第一種または第二種奨学金に加えて、入学した月の奨学金の月額に一時金として増額して貸与される利子付の奨学金です。「国の教育ローン」が不採用となった学生を対象としています。またろうきん(労働金庫)のつなぎ融資でこの増額奨学金交付までの間、その範囲内で融資を受けられる制度もあります。■新型コロナウイルス感染症などの影響で家計が急変した場合に活用できる給付型奨学金 2020年度から実施されている給付型の奨学金で、家計が急変した際に活用ができます。通常、奨学生の募集は毎年春及び秋に行いますが、家計急変採用は通年で申込を受け付けています。(大学等に在学している人が対象)
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