2024学部・学科・分野まるわかり事典 東日本版
15/206

高校卒業後の進路は将来を左右するとても重要なことといえます。このページは2022年度の入試の傾向を知り、23年度を展望してみたいと思います。●大規模な変更のない「無風期」に突入 23年の大学入試は、「入試改革元年」となった21年と、新高校2年生が学ぶ「新しいカリキュラム」に基づく入試となる25年の新課程入試の中間年度となるので、大規模な変更のない「無風期」になると予想されます。そのため、志願者数や倍率の増減といった前年の入試結果が大きく影響するでしょう。また、22年は、実施2年目となった「大学入試共通テスト」の平均点が多くの科目で大幅にダウンしたので、共通テスト対策も重要になってくると考えられます。23年は、例年以上に前年の結果や動向を踏まえた入試戦略を取る必要があるようです。(参考:螢雪時代/大学通信)15今どき高校生の志望先いつも以上に前年の入試結果や動向を踏まえた戦略が必要か?●「チャレンジ志向」と「早期合格志向」の二極化へ 「大学入試共通テスト」の大幅な平均点ダウンは、22年の私立大学入試にも大きな影響を与えました。共通テストが必須の国公立大学や、私立大学の共通テスト利用方式が避けられ、独自入試の人気が高まったのです。独自入試では、近年合格者が増加している中堅大学の総合型選抜や学校推薦型選抜を利用し早期合格を目指す層と、一般入試で志願者増となった難関大学へチャレンジする層に分かれる傾向がありました。また、都市部のブランド大学とその他の大学という形でも「チャレンジ志向」と「早期合格志向」に分かれているので、23年の大学入試でも二極化が見られそうです。●拍車がかかる「理高文低」 22年の大学入試では、理工系・農学系・生命系の大学や学部への志願者数が増加しました。一時期人気の低かった農学系も22年は増加しています。また、医療系では看護系と薬学系の増加が目立っています。就職に有利な資格が取得できることに加え、薬学系は新型コロナウイルスのワクチンや治療薬にスポットが当たったことも影響しているでしょう。理系学部の人気が高くなるのは、情報、工学、薬学、看護など、就職に強い学部系統が多いからです。今後の社会が不透明で就職に不安を感じる受験生が多いことを考えると、しばらくこの傾向が続きそうです。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る