Special interview ★ Kenji Ishikawaら、今ここでこれをやるんだというふうな強い目標があったうえで、仕事をしないと、基本的に人間の心は弱いから楽な方に逃げてしまう。特に高校や大学を出たての若い人は、そういう意思があるかないかで、打たれ強さがまるで違いますし、圧倒的に成長の速度も変わってきます。 2030年までにスーパーGTに参戦する HMR株式会社を立ち上げた当初は、自由にやれたらいいなという感じでした。けれど、事業を展開する中で会社もどんどん大きくなってきて、そうなると自分のやりたいこともどんどん大きくなってきました。もともとレースがすごく好きなので、会社の経営目標として2030年までに、スーパーGT(市販車に大掛かりな改造を施したレーシングカー(GT)レースの国内最高峰)に自社のチームで出場することを掲げています。その目標に向けて、国内で行われているスーパー耐久レースに2022年から自社のチームでエントリーします。困難を乗り越えることで、よりよい環境を築いていけるどんなに車が好きでも、仕事として関われば、最初はつらいことのほうが多いと思います。そこで嫌になってやめるのではなく、やっぱり乗り越えてほしいですね。乗り越えたときには、以前よりも楽しく仕事ができる環境が絶対待っているので、そこまでたどり着くまで負けないで頑張ってほしいと思います。古車なんてないので、何台も販売していたらいつか壊れる車に当たります。そのときに、お客さんからのクレームに対して気持ちを維持しながら、適切な対応ができるメンタルがないと中古車販売の仕事をするのは無理です。そして、ただの御用聞きではだめなので、車を売る際にもメンタルの強さは重要ですね。 また、自動車の整備士なら探究心がある人を雇いたいです。「これはなんでこうなっているんだろう」とか「この原因って何だろう」とか常に自分で疑問に思う整備士って、より深く調べようとしますし、数値には出ない振動や音などにも敏感です。それだけに色んな経験をしますし、知識も増えます。やっぱり探究心がある人のほうが、整備士として圧倒的に伸びます。言われたことだけをやって、お客さん側から「ここも見てよ」と言われているようではダメだと思うのです。整備士から「ここも気になったから、見ておいたんです」と言われた方がお客さんに、「ああ、この人だったら任せられる」と感じてもらえます。強い目標がある人は圧倒的に成長が速い 結局、経営をするにしても販売や整備をするにしても、一番大事なのは本人が何をやりたいのかだと思います。特にやりたいことがなくて、なんとなく楽しそうな仕事だからやってみようという感じだと、厳しいことがあるとすぐに逃げてしまうのです。将来的にこういうことをやりたいか自動車業界をめざす高校生へのメッセージ
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