▲非常勤講師として、大学での講義風景Special interview ★ Kaoru Matsui程で勉強しながら資格を取りました。医学的なバックボーンを身につけたおかげで、ケガや痛みに苦しむ人たちに、これまで以上に寄り添えるトレーニングやアドバイスができるようになりました。 私のところに来られたある女性のお客さんは、当初は腰の痛みに苦しまれていて、階段の昇り降りにもすごく苦労されていました。それからトレーニングを始めて今年で15、6年くらいになるのですが、その人は現在、娘さん夫婦とカナダでロッククライミングをするくらい元気になっています(笑)。そんな風に、最初は沈んでいた表情の人がトレーニングによってどんどん笑顔を取り戻していく、マイナスからプラスへと変わっていく。そんなお客さんの姿を目の当たりにするたび、頑張ってよかったなと思います。バーチャルでお客さんに触れられるオンライントレーニングもやってみたい―今後、挑戦してみたいことはありますか? コロナ禍の影響で、オンラインでトレーニングを受けたいというニーズが高くなっていますが、お客さんの筋肉の微妙な状態とか、痛みのあるなしとかは、実際に相手の体に触れてみないとわからないんです。現在はある大学で、触覚を感じとれるVR(バーチャルリアリティ)システムを開発中とのことなので、そういった技術を導入できるなら、いつかオンラインのパーソナルトレーニングもやってみたいと思っています。しっかり学んで、目の前のお客さんに向き合ってくださいパーソナルトレーナーという仕事は専門の資格がないので、名乗るだけなら誰でもなれてしまえます。この業界でも最近パーソナルトレーナーは多くなってきましたが、悲しいことに、ちゃんと技術や知識を学んでいないトレーナーに当たったお客さんがケガをしたり、体を悪くしてしまったりするケースも増えています。皆さんがこの世界をめざすのでしたら、体育や医療系の大学や専門学校などでしっかり学んで、目の前のお客さんに向き合えるように頑張ってください。どころか、その概念自体がほぼありませんでした。仕方なく卒業後は当時南青山にあったスポーツジムに勤めていたのですが、そこで働いていたアメリカ人の方が、まさにパーソナルトレーナーだったんです。その人に「自分もやってみたい」と話したら、ジムの社長が理解ある方で、ロサンゼルスのスポーツクラブでパーソナルトレーナーとしての研修を積ませていただき、帰国してからも少しずつ経験を重ねていきました。マイナスからプラスへと変わっていくお客さんの姿を見るのが嬉しいです―パーソナルトレーナーとして成功された後、柔道整復師の資格を取られた理由は? 30年くらいこの仕事を続けて、その間、ありがたいことに固定のお客さんも多くついてくださったんですが、その方たちも50代、60代と少しずつ年を重ね、体の不調に悩まれるようになりました。これはしっかり医療知識を身につけないといけないなと思い、昼はトレーナーの仕事をしつつ、専門学校の夜間課高校生へのメッセージパーソナルトレーナーをめざす
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