2025辻調理師専門学校
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『リベルターブル』[ 森 田 さ ん の 挑 戦 ] 森田一頼さんのロング・インタビュー 中途半端は通用しない。「専門的」「個性的」を追求。新潟県生まれ。辻調グループ卒業後、国内の有名パティスリーでの経験を経て、2004年に渡仏。モンペリエ『ジャルダン デ サンス』、ポイヤック『コルディアンバージュ』、パリ『アストランス』などのレストランやパティスリーで様々な技術を学ぶ。2008年に帰国し、『ランベリー』シェフパティシエに就任。2010年7月に『リベルターブル』をオープン。自分の感性を信じて「おいしさ」を突き詰めてゆく。[東京・赤坂]“自由な発想、記憶に残るクリエイティブ”をコンセプトに、新たな味覚に出会える数々のスイーツを提供。「本当においしいもの」って世の中に少ないと思うんです。だから、そこを妥協せずに突き詰めたいと、最近になってより強く考えるようになりました。学生時代から磨き上げてきた自分の感性を信じて、日々、問題点を探って改善に取り組み、自分が満足できるものに近づけていく。それを苦にせず、楽しいと思うのは、やっぱりお菓子づくりが好きだからでしょうね。『リベルターブル』オーナーパティシエ「お菓子の世界でトップになる」と決意し、そこへの一番の近道と考えて選んだのが辻 調 グループ 。お菓 子 教 室などと違い 、より現場に近い感覚で学べるのが良かったですね。学校では、お菓子に関するすべてを見せてもらい、教えてもらいました。特にフランスの伝統的なお菓子について学べたことが意義深かった。こうしたクラシックを知っているか知らないかで、応用時の深みが違ってきますから。生涯を通じての友と出会えたのも大きい。学生時代の友人たちはみんなこの業界でずっと頑張り続けていて、今も会ってお互い何でも話せる心強い仲間です。これからの食の世 界で生き残れるのは、専門性や個性を極めた職人か、強い資本力で勝負できる企業か、その二極だと思います。中途半端では通用しない。私たちのようなパティシエは「 専 門 的 」で「 個 性的」なお菓子をどこまでも追求していかなければ。そう考えて、日々課題感をもって挑戦し続けています。スタッフにも、現場で一緒につくって見せ、言葉でしっかり伝えて、一緒にこの店の専門性や個性を突き詰めていく。それがお客 様の笑 顔につながった時は本当にうれしいですし、その喜びをスタッフたちと共有できるのが何よりの幸せです。 P R O F I L E114伝統を熟知しているから、応用に「深み」が出せる。「個性」や「本当のおいしさ」を迷いなく突き詰めてゆけるのは、在学時に伝統菓子を学べたからこそ。森田一 頼 さん

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