大学基礎講座【入試】

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入試

入試について

志望校が決まったら、受験に向けて決めなければならないのが「どの選抜方法で受験をするか」です。2021年度より新しい入試制度「大学入学共通テスト」が始まりましたが、その中でも選抜方法はさまざまなバリエーションがあり、志望大学や自分に合った方法を選ぶ必要があります。

ここでは、新制度導入の背景や、試験のスケジュール、基本的な3つの選抜方法「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「一般選抜」について解説していきます。

Checkなぜ?新制度導入の背景と特徴

現在、私たちの社会は大きく変わりつつあります。生産年齢の減少や労働生産性の低迷への対策、国際的な競争力の向上など、多数の課題を解決する必要に迫られているのです。そうした社会の変化に対応できる資質・能力をもった人材を育成するために、国は高校や大学・短大などの教育改革を進めています。その一つが大学の入試制度の改革なのです。

2021年度からの大学・短大入試は、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」の3つを念頭においた選抜に変わりました。以前の大学入試センター試験や、推薦・AO・一般入試などの個別試験とは異なり、これまでより多面的、総合的に能力を評価する選抜試験になったのです。

受験・合格までのスケジュール

説明会から出願、試験、合格発表までは以下のような流れで進みます(2025年度入試)。

受験・合格までのスケジュール

大学によりスケジュールは異なります。詳細は各大学の募集要項などを必ず確認してください。

新しい入試制度①~総合型選抜~

総合型選抜とは、学力だけでなく将来の目標や学科適性、学習意欲などを総合的に判断する選抜方法です。出願条件には「学習成績の状況」(評定平均値)の基準を設けていない場合が多く、「アドミッションポリシー」といわれる個々の大学が求める学生像に基づいて選考されます。

ただし、AO入試と異なり学力の確認が求められるようになったため、小論文やレポート、語学検定等の条件を課される事例が多くなっています。

総合型選抜の特徴

  • 学校長の推薦は不要。出願要件を満たしていれば受験できる。
  • 面接や面談、レポートなど大学によって独自の選考方法がある。

※総合型選抜は出願期間が9月以降、合格発表時期が11月以降となります。スケジュールをあらかじめ確認しておきましょう。

Check総合型選抜の基本的なパターンとは!?

Checkエントリーシート、志願理由書の書き方

総合型選抜において、受験生の合否に大きく関わる提出書類が、エントリーシートや志願理由書です。その形式は大学ごとに異なりますが、多くの大学で志望動機や自己PRを書かせます。以下のエントリーシートの記入例を参考に、気を付けるべき点について確認しておきましょう

新しい入試制度②~学校推薦型選抜~

学校推薦型選抜は、高校時代の活動実績をもとに選考される選抜方法で、高校からの推薦が必須になります。勉強・スポーツ・課外活動などが評価の対象となり、多くの大学で「一定値以上の評定平均値+学校長の推薦」が出願の条件となっています。選抜方法としては書類審査、面接、小論文、学力検査などがあります。

学校推薦型選抜の種類は2つ!!

学校推薦型選抜には「指定校制推薦」と「公募制推薦」の2種類があり、以下の違いがあります。

  • 【指定校制推薦】
    大学が指定した特定の高校の生徒のみ受験が可能。
  • 【公募制推薦】
    大学が規定する出願条件を満たしていれば、どの高校の生徒でも受験が可能。

Check学校推薦型選抜における選考方法を知ろう!

指定校制推薦、公募制推薦いずれも以下のような書類審査、面接、小論文、学力検査などが課されます。学校によりその方法は異なりますので、募集要項をしっかり確認しましょう。

  • 書類審査
    調査書に記載される高校における3年間の学習成績が重視されます。その他、志願理由書など志願者本人が記載する書類も選考の中で活用されます。
  • 面接/口頭試問
    自分の考えを表現し、受け答えで良い印象を与えるなど自分自身をアピールする場となります。専門分野に関する口頭試問を課されるケースもあり、その場合は、論理的な思考力や表現力が重要になります。
  • 小論文
    小論文には、学部の専門分野や時事的な内容について、提示されたテーマに沿って書くもの、長文や資料を読み取って書くものなどいくつかのパターンがあります。
  • 学力検査
    大学によっては課される場合があります。大学入学共通テストの結果を選考に活用する大学も。

新しい入試制度③~一般選抜~

2021年から始まった新しい「一般選抜」では、従来の学力検査のみを課す場合もありますが、それに加え、調査書や志願理由書などの受験生本人が記載する書類や、英語の外部検定試験スコアなども評価の対象とした「総合評価型」で選抜されるケースが増えてきました。そのため、筆記試験のための勉強だけでなく、高校生活のあらゆる点が評価対象とされるのです。このほか大学入学共通テストの積極的な活用が進められています。

Check大学入学共通テストを利用した私大一般選抜とは!?

主に大学入学共通テストを利用する私立大学の一般選抜は、
・大学入学共通テストと学校独自の試験で合否を決定
・大学入学共通テストの各校が指定した科目のみの成績で合否を決定
の2パターンがあります。また、下図のように出願のタイミングも異なります。

大学によりスケジュールは異なります。詳細は各大学の募集要項などを必ず確認してください。

英語の外部試験利用入試

ほとんどの大学の選抜で学力が問われる英語。しかし試験当日に英語の試験を行わず、外部の検定を利用する選抜が増えています。4割以上の大学で、すでにこの英語外部試験利用型入試を実施しているのです。ここでいう外部の検定とは、TOEICⓇ、TOEFLⓇ、TEAPなどで、これらのスコアをもとに、「読む」「書く」「聞く」「話す」の 4技能で英語力を総合的に判断します。

受験生は前もって、英語の検定を受ける必要があり、大学の定める基準スコアを獲得すれば出願できます。受験生にとっては、志望校の求める英語力を事前に知ることができるほか、試験当日は英語以外の科目に集中して受験ができるなどのメリットがあります。

Checkその他にもチェックしておきたい入試の制度

大学によってはより受験生が受験しやすいよう、便利な制度を導入しているところも。志望校の志望学部についてもチェックしてみましょう。

  • 【地区入試(地方試験)】宿泊費・交通費を節約!
    大学の所在地以外の会場で入試を実施する制度のこと。私立大学の約7割が実施しており、遠方への移動をせず受験できるのがメリットです。
  • 【Web出願】受験料の割引があることも!
    インターネット上での出願のことで、導入する大学が増えています。受験料の割引や、出願時の記入漏れを防ぐなどのメリットがあります。選抜方法や学部によって導入の有無が異なりますので、事前に確認しましょう。

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