音楽・芸能系|就職最前線

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業界の就職動向を探れ!各業界への就職のためのノウハウや道のりを徹底解説。就職活動のスケジュールから、採用情報、求人の具体例などを掲載。

音楽・芸能系

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音楽・芸能業界の就職の特色 “本物”にこそ開かれる実力重視の狭き門

音楽・芸能業界は、就職を希望する人が多いのに対し受け皿が少なく、狭き門といわれています。しかし、企業は常により優れた人材を求め、働く側も仕事のレベルアップやよりよい労働条件を求めていますので、業界内で転職を繰り返すケースが少なくありません。転職によるキャリアアップは、他の業界以上に定着しています。また、技能と人脈があれば、フリーランスとして活動できる職種が多いのも特色。

ミュージシャンや俳優等(以下タレント)としてのデビューもまた難関です。学校を卒業した後、スカウトされたりオーディションに合格したら即デビューというイメージを持っている人も多いと思いますが、スカウトやオーディションは野球で言えば甲子園に出るようなもので、それだけでプロ入りが保証されるわけではないのです。すぐにデビューできる人もいますが、それはごく一握り。タレントとしての基礎的な技術(演技力、歌唱力など)を身につけるためのレッスンを行い、その上でデビューのためのプレゼン等を行うというステップが待っています(次ページ上の表)。スクール等に通うのも一つの手。とにかく、何らかの形で技術を磨くこと。言い換えれば、努力こそが唯一にして最大の武器と言っても過言ではなく、頑張りが報われるやりがいのある仕事だという点も、憧れる人の多い理由の一つでしょう。

仕事の糸口の見つけ方 業界へ通じるドアの鍵は千差万別・多種多様

ひとくちに音楽・芸能業界といっても、そこにはさまざまな仕事があり、アーティスト、クリエイター、エンジニア、タレントなど、志望する職種によって入り方も千差万別です。学校を卒業して入社試験を受けて就職するというごく一般的な方法もありますが、音楽・芸能業界の場合はそういう王道パターンではないことのほうが多く、ひたすらいろいろな可能性を追求して仕事の糸口を見つけていくという方法がスタンダードです。

たとえば、専門的な技能が必要な仕事に就きたいのなら、専門スクール等で知識や技術を身につけるのもひとつの方法。また、音楽業界では他の業界以上に経験者を優遇しますから、とりあえずアルバイトで飛び込み、経験を積みながら社員になる道を探るのも良い方法でしょう。実際、番組制作会社での経験をもとにディレクターとして放送局に採用されるケースもあり、音楽制作会社や音楽出版社でヒットを飛ばして注目され、大手レコード会杜のプロデューサーに転じる人も少なくありません。


◆音楽・芸能業界 - 求人の具体例

企業の業務内容 勤務地 募集職種 求人数 初任給実績(円/平成17年採用者) 賞与
基本給 その他
テレビ・ラジオ番組の制作等 東京 VEキャメラ音声 若干名 107.400円 58.000円 165.400円 年2回
テレビ番組制作 大阪 撮影 若干名 170.000円 10.000円 180.000円 約5ヶ月分
ポストプロダクション等 東京 編集・MAアシスタント 若干名 180.000円 - 180.000円 約4.4ヶ月分
イベント映像音響の企画等 東京 イベントスタッフ 4名 167.000円 - 167.000円 3.6ヶ月分
フィルムビデオプロセッシング等 東京 VTR編集・放出・ダビング 若干名 172.000円 64.350円 186.350円 年2回
テレビ技術の製作等 東京 VE・音声 2名 - - 2.750.000円 年俸制
テレビ番組企画制作 首都圏 AD 3名 160.000 20.000円 180.000円 2ヶ月分
映画・放送番組の制作技術全般の請負業務等 首都圏 技術 3名 120.000円 37.500円 157.500円 1ヶ月分
テレビ番組・ビデオソフトの企画制作等 首都圏 営業・技術 2名 - - 175.000円 1ヶ月分
ホテル宴会場・ホール等のAVLオペレート等 兵庫・大阪 音響・照明・映像オペレーター 若干名 143.500円 25.000~85.000円以上 168.500~28.500円以上 あり

就労形態と労働条件 業種や職種、就業の形態によって待遇は異なる

音楽・芸能業界に携わる仕事は多種多様。業種や職種によって収入や労働条件はさまざまです。また、正社員、契約社員、アルバイト、フリーランスといった就業の形態によっても異なってきます。

正社員として働く

企業に正式に入社して、組織内のポストについて働くスタイル。代表的なケースとしてレコード会社では、新規採用・定期採用をつづけている会社は少なく、多くは不定期の採用で、採用人数も数名~数十名と少数です。

初任給の水準は、大手レコード会社は産業全体のなかでも平均レベルで新卒で20万円前後。もちろん、昇給・賞与、各種保険制度も整っています。小規模のレコード会社の場合は、労働条件などは各社まちまちで、年俸制を適用する会社もあります。

組織の大小に関わらず、仕事次第で労働時間が長時間にわたったり、休日が不定期になることもあります。仕事に対する情熱と心身両面のタフさが必要でしょう。

契約社員やアルバイトとして働く

正社員とは別に、「1年間」など期間を区切って採用する就労形態が契約社員。音楽産業は仕事の量に波があり、新規や短期のプロジェクトも多い。必要なときだけマンパワーを補充するというスタイルがどうしても必要になります。契約社員よりもさらに短期のマンパワー補充や、専門技術を要しない仕事にはアルバイトがあてられることが多い。

どちらも一般に収入は正社員よりも低く、賞与は支給されませんが、その仕事ぶりが優秀であればそのまま社員として採用されることもありますので、見方を変えれば年間を通じてチャンスが得られる就労スタイルと言えるでしょう。

弟子入りする

特定の職種では、技能をもった個人に弟子入りし、技を習得する道もあります。この場合、副業をして生計を立てる人が多い。

タレントとしてデビュー

タレント事務所に所属するタレントとなると、事務所や個々のタレント、仕事内容によってそれはさまざまなので一概に説明はできませんが、事務所に所属してタレント活動を行い、ギャランティーを受け取るという形は同じ。特に駆け出しの頃は、番組に出演したりCDをリリースしようとする度にプレゼンやオーディションが行われることが多く、それに通らなければ仕事は得られません。実力がものをいう世界なので、常に技術を磨いておくことが何よりも求められます。

求められる人材 個性はもちろん社会適応性も必須

音楽・芸能業界に関わる仕事は、組織よりも個人的な側面が強い。クリエイティブな仕事はなんでもそうであるように、最終的に個人のセンスや能力、努力で業績が決まります。ですから、組織に頼る人は成功からは遠く、自分でスキルを高めていく人に成功が訪れ、組織もそんな人材を求めます。

なお、個性の強い人材が求められる世界ではありますが、非常識な人を求めているわけではありません。人づきあいや敬語のつかい方など、社会常識やマナーをわきまえていることが必要最低条件であることは言うまでもありません。

採用情報の集め方 インターネットで情報収集を頻繁に

今やインターネットは情報収集手段として不可欠のもの。これを使わない手はありません。多くの採用情報やオーデション情報がWebサイトに表示されています。エントリーもインターネットを通じておこなうケースが多く、リンクを重ねるうちに各企業や仕事のさまざまな様子も見えてきます。また、関連団体のサイトなども、業界を理解するうえで参考になります。

アーティスト&タレントデビューへのステップ例


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大手レコード会社定期採用スケジュール例


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