IT(情報通信技術)系|就職最前線

就職最前線

業界の就職動向を探れ!各業界への就職のためのノウハウや道のりを徹底解説。就職活動のスケジュールから、採用情報、求人の具体例などを掲載。

IT(情報通信技術)系

不況と言われながらも、ソフト・サービス系人材の需要は拡大し、専門技術者の不足が叫ばれているIT産業界。その就職環境や採用事情などを、現場の声をまじえながら見てみましょう。

IT(情報通信技術)の進展と雇用の情勢

ようやく景気回復の傾向が見られるようになり、完全失業率も2006年4~6月期には4.2%と前年同期に比べ0.3ポイント低下(数字はいずれも稔務省労働力調査より)するなど、依然厳しい中にも明るい方向性が見えてきたといえます。そんな中、IT(情報通信技術)の急速な進展は、経済を新たな発展段階へと押し進める起爆剤として期待されており、わたしたちの生活をも大きく変えようとしています。政府もIT 戦略本部による「IT政策パッケージ-2005」により社会のIT化を推進。そして、IT産業界では、ハードウェア主体からソフトウェア・サービス系主体へと事業構造の転換を進めており、それに伴いソフト・情報サービス系の技術者に対する雇用・求人需要は全産業の平均を大きく上回っています。

まだまだ不足している情報関連人材

すでに述べたように、ソフト・サービス系人材への需要は拡大しています。そうした中、実際にその需要は満たされているかというと、厚生労働省の「統計」にも見られるように、情報処理技術者の充足率は低い状態が続いており、外国人技術者へのニーズも高まるなど人材は不足しているといえます。また、IT関連産業では、即戦力の必要性から中途採用の割合も高く、こういった傾向は今後も続くと考えられます。見方をかえれば、IT系の技術・技能をしっかり身につけていれば、就職活動を有利に展開できるともいえるでしょう。


◆エンタテイメント・マルチメディア関連求人の具体例(平成18年8月さんぽう調べ)

企業の種類 勤務地 採用業種 求人数 初任給(円/17年度実績)
基本給 その他 賞与(ヶ月)
専門学校 ソフトウェア開発
ソフトウェア開発
情報サービス
情報システム
ゲームソフト開発
流通業
病院
製造業
情報通信機器
台東区
全国
渋谷区
全国
東京
名古屋市
名古屋近郊
名古屋近郊
名古屋市
SE・プログラマ
SE・プログラマ
WEBデザイナー
SE
ゲーム開発ほか
経理事務
医療事務
SE・プログラマ
ネットワークソリューション
2

5
100
50
1
1
2
1
147,000
203,000
192,000
176,000
170,500
165,000
155,000
180,000
200,000
28,000

48,000
10,000
25,000
15,000
15,000
5,000
175,000
203,000
240,000
186,000
195,500
180,000
170,000
185,000
200,000
4.4
5.3

5.1

2.5
4.5
3
5

大学 ソフトウェア開発
ソフトウェア開発
システム設計
システム設計
愛知
神奈川
神奈川
愛知

SE・プログラマ
開発・設計
生産技術
SE・プログラマ
4
5
4
4
199,000
202,250
200,900
203,000

3,000
2,000
時間外手当
199,000
205,250
202,900
203,000~
5.4
4.8
4

IT系業界就職事情 学校・企業ははこう見ている

こうした現状での就職に対する学校側の見方は「求人数は増えているが、なかなか内定に結びつかない」という意見がよせられ「企業の厳選採用」についても「依然として続いている」「さらに進んでいる」という見方が大勢の傾向といえます。また、就職活動の早期化・長期化傾向も依然として続いているといえるようです。求人分野の傾向としては「ソフト開発技術者は、まだまだ企業側の採用意欲は高い」「ネットワーク技術者の求人が一昨年に比べ倍増している点に注目したい」という見方の反面「製造系は直接雇用が少なくなっている」という状況もあり、求人の傾向からもハードウェア系からソフトサービス系主体へと事業構造の転換をはかろうとしているIT業界の様子が伺えるといえるでしょう。

一方、企業側からは学校に対して「就職意識の低下に歯止めをかけるような指導をお願いしたい」「チャンと目的意識を持てるような指導を」など、学生の意識づけに対する要望がきかれ、これは学校側でも感じているようで、就職に関する動機づけ(フリーターのデメリット)や自己分析など、集団・個別の就職指導でさまざまな対策を講じているようです。また、インターネットの普及により「自分の足と目を使って行動するという地道な企業研究を怠る」傾向への指摘が学校・企業双方からあり、進化するIT社会の一断面を映しているともいえるでしょうか。

企業の新卒採用スケジュール(具体例)

2月~4月

採用に関するお問い合わせは12月頃からありますが、受け入れ側の事情もあり、ある程度具体的な回答ができるのは2月頃から。

登録

登録はハガキ、メールなどで。現在ではメールでの登録が大半になってきている。

4月~5月

書類選考

会社説明会

会社説明と見学などが行われる。この時点でエントリーシートの記入が行われることも多い。

場合によっては予備面接などがあることも。

履歴書&エントリーシート提出

この書類がある面であなたの「顔」になるので、記入はていねいにしっかりと。

5月~6月

面接1

人事担当者による面接。3~4人くらいの集団面接で行われる。

ことさら硬くなることはないが礼を失しないように。

志望動機や業種への理解、意欲などがきかれる。

適性

一次面接とあわせて、適性審査なども実施される。

面接2

会社役員などによる面接。ここも3~4人くらいでの集団面接。自分をしっかりアピールしよう。

6月~10月

最終面接

いよいよ最終面接。

人事担当者と部長とでの個別面接になり、最終的に入社の意思の確認が行われる。

内定

総合的な最終審査の後、内定の通知がなされる。ここでもう一度、自分自身でも確認をしておこう。


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