偏差値とは?意味や求め方、進路選びや受験に活かす方法をわかりやすく解説
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大学受験が近づくにつれて、目にする機会が増えてくる偏差値。なんとなく聞いたことはあっても、「なにを表しているの?」「テストの点数とどう違う?」と感じている高校生も多いのではないでしょうか。
簡単にいうと偏差値は、自分の得意分野や苦手分野、全体的な学力レベルを判断できるデータです。志望校との距離をはかったり、勉強の優先順位を決めたりする際にも役立つため、仕組みを理解すると「どこを目指すべきか?」「今なにをすべきか?」が見えやすくなります。
本記事では、偏差値の意味や求め方から、進路選び・大学受験に活用する方法、伸ばし方までをわかりやすく解説します。成績や進路に悩んでいる高校生は、ぜひ参考にしてください。
目次
偏差値とは?なぜ知っておく必要があるの?
ここでは偏差値の意味や定義、実際に使われる場面などをご紹介します。
偏差値とは何か?
偏差値とは、同じテストを受けた集団の中で「自分がどれくらいの位置にいるか?」を示す数値です。平均点にあたる偏差値50を基準として、高得点を取った人は「偏差値60」、平均を下回った人は「偏差値45」のように表されます。
偏差値はテスト自体の点数ではなく、「平均からどれくらい離れているか」を表したものです。そのため、同じ80点でもテストの種類や受験した集団(学校別やクラス別など)によって偏差値は異なります。
偏差値が使われる場面
模試などの偏差値からわかる内容は、以下のとおりです。
○偏差値からわかること
- 学校全体やクラスの平均と比べて、自分の学力がどれくらいの位置にあるか
- 平均点が異なるテストを比べたときに、どちらがより優れた成績だったか
- 同じ大学を目指す学生の中で、模試の結果がどれくらいのレベルか
基本的に偏差値は、「現在の学力」や「志望校(目標)までの距離」を確認するために使われます。また、テストによっては科目・分野ごとの偏差値が出るため、得意分野や苦手分野のチェックにも活用できます。
偏差値の注意点
偏差値は、同じテストを受けた集団内での位置を示すため、母集団が異なると比較できません。具体的には、同じ中間テストでも科目が異なる場合や、別の学内テストとの比較はできないことになります。
また、母集団の人数やレベルによって変動することも、事前に知っておきたいポイントです。あくまで「学力の目安」を示すものなので、安易に「いまの偏差値なら確実に合格する」と判断しないようにしましょう。
偏差値と平均点、標準偏差との違い
学内テストや模試の結果には、さまざまなデータが書かれています。偏差値を正しく理解するために、平均点などとの違いも押さえておきましょう。
・平均点
受験者全員の点数を合計し、全体の人数で割ったものです。だいたい真ん中のレベルが分かるデータで、平均点が低いほどテストの難易度は高くなる傾向にあります。
・標準偏差
点数のばらつきを表したデータです。標準偏差が大きいほど、点数が高い人と低い人の差が大きいことを意味します。
・IQ
同年齢の平均値を100として、その人の知能指数(問題解決能力や論理的思考力など)を表した数値です。通常の学力テストではなく、専門的な検査によって測定されます。
やや小難しい内容になるため、下図ではパズルゲームなどのスコアを例として、平均点と標準偏差の違いをまとめました。
上記の例でいうと、偏差値は「平均スコアからどれくらい離れているか」や「上位何パーセントに入るか」などを判断するデータになります。
偏差値は自分で計算できる?求め方と目安
通常、偏差値は以下の式で計算されています。
偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50
基本的には全受験者のデータが必要になり、かつ標準偏差の計算式は複雑なので、自力で偏差値を出すことはおすすめできません。まずは、テストの結果や成績表などを確認し、偏差値が書かれていないかを探してみましょう。
偏差値がわかったら、以下の表と照らし合わせてみてください。
| 偏差値 | 位置の目安 |
|---|---|
| 60以上 | 上位15% |
| 55以上 | 上位30% |
| 50 | 上位50%(平均) |
| 45以下 | 下位30% |
| 40以下 | 下位15% |
※「位置の目安」はおおよその値です。
一般的には偏差値が60を超えると、「成績が優れている」「難関校が視野に入る」と判断されます。
偏差値を進路選びや大学受験に活かす方法
偏差値は単に見るだけではなく、将来の行動に結びつけることが大切です。ここでは、現在の偏差値をもとに「どうやって進路を選ぶか」や「どのように計画を立てるか」について解説します。

1.偏差値が高い分野から進路を選ぶ
「向いている分野がわからない」「理系か文系かさえ決まっていない」と悩む高校生にとって、偏差値は進路選びのヒントになります。
たとえば、常に偏差値が高い科目や、短期間で偏差値が伸びた科目は、あなたの得意分野といえるかもしれません。このような分野を軸に進路を選ぶと、自分の強みを活かせる可能性があります。
○得意分野から進路を選ぶ例
- 英語の偏差値が高い → 英語スキルが求められる職業を探してみる。
- 数学や物理の偏差値が高い → 理工学部や建築関係など、理系の進学先を探してみる。
- 数学と国語の差が大きい → 数学の偏差値が高い場合は、理系クラスから考えてみる。
ただし、偏差値はあくまで参考材料のひとつです。「興味のある分野」や「将来やりたいこと」も大切な要素なので、偏差値だけで進路を決めることは避けましょう。
2.志望校までの距離を測る
現在の偏差値と、志望校の合格ライン(偏差値の目安)を比較すると、目標までの距離を数値で測れます。合格・不合格の二択ではなく、「どの科目のレベルがどれくらい足りていないか」や「どのレベルを維持すればいいのか」がわかるため、今後の学習計画を立てやすくなるでしょう。
志望校が決まっていない場合は、現在の偏差値から「安全校・挑戦校・チャレンジ校」を整理する方法がおすすめです。
- 安全校:現在の偏差値を維持すれば、合格ラインに十分達する進路。
- 挑戦校:現在の偏差値を維持すれば、合格の可能性がある進路。
- チャレンジ校:現在の学力レベルでは厳しいものの、努力次第で合格の可能性がある進路。
なお、偏差値は合否を保証するものではなく、あくまで判断材料であることに注意してください。
3.短期・中期の目標を立てる
1ヵ月~半年程度の目標を立てるときにも、偏差値は役に立つ指標です。
たとえば、「1年間で志望校の合格ラインを目指す」といった長期目標だけでは、次第にモチベーションが下がってしまうことも。勉強の効果はすぐには出ないことが多いため、ゴールが遠すぎると努力の継続が難しくなります。
達成感を得ながら努力を続けたい人は、「1ヵ月で偏差値50を目指す」「次のテストで偏差値55を取る」のような短中期の目標を立ててみましょう。具体的な数値を盛り込むとゴールがわかりやすいため、「なにから取り組むべきか」を整理しやすくなります。短中期の目標を一つひとつ達成すれば、最終的な目標にも着実に近づけます。
偏差値を上げる方法は?高校生が意識したいポイント
最適な学習方法は人によって変わるため、偏差値を上げたい場合は「自分に合った学習計画」を立てることが大切です。ここでは、効率的な計画の立て方をはじめ、偏差値を上げるときに意識したいポイントを解説します。

1.偏差値が下がっている原因を見つける
学力が伸び悩んでいる人は、偏差値が下がっている原因の科目を探してみましょう。
学力アップに努力は欠かせませんが、がむしゃらな勉強はおすすめできません。効率的に偏差値を上げるには、苦手科目を把握して「短期間で克服できるところ」「偏差値アップの余地が多いところ」に絞ることがポイントです。
苦手科目の勉強はモチベーションを保ちづらいかもしれませんが、得意科目で偏差値+5を目指すより、複数の苦手科目で偏差値+2~3ずつを目指すほうが効率的なケースもあります。まずは「全科目の偏差値→主要科目の偏差値→科目ごとの偏差値」のように細かく確認して、全体の偏差値を下げている原因を見つけましょう。
2.偏差値が低い分野を「伸ばす・保留・後回し」の3つに分ける
科目別だけではなく、分野別(単位ごと)の偏差値を確認することも大切です。数学を例にすると、「二次関数」や「確率」といった分野別の偏差値を確認することで、より具体的な苦手分野をチェックできます。
勉強できる時間は限られるため、苦手分野が見つかったら以下のように分類して学習配分を考えましょう。
- 伸ばすべき分野:苦手分野のなかでも、比較的短い勉強で克服できるところ。
- 保留する分野:克服すべき分野ではあるものの、短期間で効果が出るかわからないところ。
- 後回しの分野:克服に時間がかかり、かつ科目全体の偏差値への影響が少ないところ。
「1→2→3」の優先順位で計画を立てると、勉強の効果を実感しやすいため、モチベーションの維持にもつながります。
3.優先順位・学習配分を定期的に見直す
努力を続けながらある程度の期間が過ぎると、科目別・分野別の偏差値は変動します。つまり、前述の「伸ばすべき分野」などが変わってくるため、勉強の優先順位や学習配分は定期的に見直しましょう。
○学習計画を見直すタイミングの例
- 短期や中期の目標(3ヵ月ごとなど)に合わせて見直す
- テストや模試の結果が返ってきたタイミングで見直す
- 志望校や進路が決まったら(または変わったら)見直す
見直しに時間がかかる場合は、学校や塾の先生、両親などへの相談もひとつの手です。自分に合った方法で偏差値を上げるために、周りの力も借りながら学習計画を立てましょう。
偏差値を活用して自分に合った学習計画を立てよう
偏差値は、自分の得意分野や苦手分野、相対的な学力レベルなどを把握するためのデータです。単なる数値としてではなく、科目別や分野別の偏差値まで細かく確認することで、より効率的な学習計画を立てやすくなります。
偏差値を活用できるシーンは、志望校・受験校選びのタイミングだけではありません。モチベーションの維持にもつながる場合があるため、テストや模試の結果を見たらすぐに偏差値を確認し、自分に合った計画を考えてみてください。