新しい入試制度について|まるごとわかる短大基礎講座

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新しい入試制度について

受験にあたって決めなければならないのが「どの入試方法で受験するか」です。短期大学の入試にはいくつもバリエーションがありますが、2021年度より新しくなる基本的な3つの入試制度について紹介します。

※以下の内容は、2020年3月1日時点の文部科学省より発表された情報と、(株)さんぽうの独自調査を基に作成しています。内容については今後変更になる可能性がありますのでご了承ください。

新入試の背景と特徴

高度情報化や少子高齢化など、私たちの社会は大きく変わりつつあります。生産年齢の減少、労働生産性の低迷への対策や、国際的な競争力の向上など、多数の課題を解決する必要に迫られています。そうした社会の変化に対応できる資質・能力を持った若者を育成するために、国は現在、その骨格となる高校や大学・短大などの教育改革を進めています。そうした動きを背景として入試制度の改革が行われています。

2021年度からの大学・短大入試は「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」からなる「学力の3要素」(図:これからの社会で求められる学力の3要)を念頭に置いたものとなります。従来の大学入試センター試験や、推薦・AO・一般などの個別試験も、これまでより多面的、総合的に能力を評価する選抜試験へと生まれ変わります。(表:旧制度と新制度の特徴比較)

これからの社会で求められる学力の3要素

これからの社会を生き抜くために育てるべき力として、学校教育法の規定に基づき「高大接続改革答申」で示されている要素です。3つを総合して「確かな学力」とも言われます。

これからの社会で求められる学力の3要素

学力の3要素とは?

知識・技能
「何を理解しているか、何ができるか」
3要素の中でも特に基礎となる力です。
思考力・判断力・表現力
「知っていること、できることをどう使うか」
知識・技能を使って、さまざまな状況に対応するための力です。
主体性・多様性・協調性
「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」
身につけたことを社会の中で活かし、よく生きるための力です。

旧制度と新制度の特徴比較

※新制度の内容については、今後変更の可能性があります。ご了承ください。

【旧制度】推薦入試

  • 推薦書が必要
  • 学力試験はなし(小論文など)
  • 調査書は評定平均、特別活動の記録
  • 実施時期は11月1日以降、合格発表は設定なし

【新制度】学校推薦型選抜

  • 推薦書が必要(学力の3要素に基づく評価を記載)
  • 学力評価は各大学の評価方法または大学入学共通テストのいずれかを活用
  • 調査書は学習成績の状況、特別活動の記録(旧制度より詳細化)
  • 実施時期は11月1日以降、合格発表は12月1日以降
  • 志願者本人が記載する資料を活用

【旧制度】AO入試

  • 意欲や適性など学力以外の評価を重視(複数の面接で入学意思を確認)
  • 学力評価はなし(小論文など)
  • 調査書は評定平均、特別活動の記録など
  • 実施時期は8月1日以降、合格発表は設定なし

【新制度】総合型選抜

  • 意欲や適性などの評価を重視 学力も評価(複数の面接で入学意思を確認)
  • 学力評価は各校の評価方法または大学入学共通テストのいずれかを活用
  • 調査書は学習成績の状況、特別活動の記録(旧制度より詳細化)など
  • 実施時期は9月1日以降、合格発表は11月1日以降
  • 志願者本人が記載する資料を活用

【旧制度】一般入試

  • 学力試験結果を評価
  • 設問は知識力、読解力、論述力などを重視
  • 英語の試験は2技能「聴く」「読む」

【新制度】一般選抜

  • 学力試験結果と調査書、志願者本人が記載する資料を評価
  • 設問は思考力、判断力、表現力を重視 記述式問題の充実化
  • 英語の試験は4技能「書く」「読む」「聴く」「話す」

【旧制度】大学入試センター試験

  • 6教科30科目のマーク式試験
  • 英語試験は筆記とリスニング
  • 実施日は1月13日以降の土・日2日間

【新制度】大学入学共通テスト

  • 6教科30科目のマーク式試験(複数回答あり)
  • 英語試験はリーディングとリスニング
  • 実施日は1月13日以降の土・日2日間

学校推薦型選抜(旧推薦入試)

学校推薦型選抜とは、学校長の推薦に基づき、書類審査+学力評価の他、面接などによって合否を決める入学試験制度です。大きく「指定校推薦」と「公募制推薦」の2種類に分けられます。新しい特徴として、学力評価が必須となり「各大学・短期大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)」もしくは「大学入学共通テスト」の少なくともいずれかひとつが、その対象となります。出願開始は公立・私立とも11月1日以降、合格発表は12月1日以降となります。

学校推薦型選抜の種類

ここでは旧来の推薦入試に準拠した内容を紹介します。

指定校推薦

短期大学が指定した高校の生徒のみが出願可能で、現役生、専願に限られます。希望者が多い場合は校内選考が実施され、出席状況や成績、課外活動実績、生活態度などで評価されます。狭き門ですが、推薦枠を獲得すれば合格率はかなり高くなります。

公募制推薦(一般)

高等学校に対する短期大学からの指定推薦枠があるわけではなく、短期大学が決めた出願条件を満たしていれば、どの高等学校からも出願できます。比較的募集定員も多く、他の短期大学との併願が認められている場合があります。

公募制推薦(特別)

部活動や資格取得等、高校での各種活動の実績を評価する入試。
●自己推薦
●スポーツ推薦
●有資格者推薦
●文化活動推薦
●特定教科推薦 など

2021年からの選考方法

書類審査+面接(口頭試問)+学力評価が典型ですが、各短期大学によって異なります。

書類審査

重要なのは調査書特に学習成績の状況が重視される

「推薦書」「調査書」「志願者本人の記載する資料」などを提出します。推薦書は本人の長所などの他「学力の3要素」に関する評価についての記載が必要となります。調査書には、学習成績の状況(旧・評定平均値=高校1年生からの成績の平均値)、出欠記録、部活や委員会などの特別活動の記録、そして指導上参考になる諸事項である、ボランティアや留学、資格取得などの活動が記載され、過ごしてきた高校生活全体が評価の対象となります。そして「活動報告書」「大学入学志望理由書」「学修計画書」など、志願者本人の記載する資料も活用されます。

学力評価

従来から主流の「小論文」以外に幅広い評価方法も

かつての推薦入試では、学力への評価は「学習成績の状況」以外は重視されていませんでしたが、2021年度からは学力評価が必須となります。「各大学・短期大学が実施する評価方法等」および「大学入学共通テストの結果」のいずれかが、評価の対象となるのです。小論文は記述の論理構成や用語の使い方などを通し、論理的に自分の考えや意見を組み立てることができるかが評価のポイントとなります。プレゼンテーションなども同様の考えで評価されますが、短期大学個別の筆記テスト、大学入学共通テストでは、絶対的な学力レベルの評価、つまりその短期大学の授業についていけるかが評価されます。

面接

受け答えの好印象で自分をアピール

質問は、事前に提出した志望理由書の内容確認を含みながら、受験生の意欲や社会性、人間性、学科への適性などを確認するために行われます。所作やマナー、言葉遣いなどもチェックされます。

口頭試問

最も重視されるのは論理的な思考力

口頭試問では、志望する学問への興味・意欲、論理的な思考力、その分野の基礎学力などが評価されます。特に論理的な思考については、面接とは最も異なる口頭試問のポイントと言えます。

POINT

  1. 学力を総合的に判断する評価方法になる
  2. 自分の言葉で知識や考えを伝える
  3. 小論文や口頭試問では論理的思考力が重要

総合型選抜(旧AO入試)

総合型選抜(旧AO入試)とは、短期大学が主に学生の考え方や資質などを総合評価するための選考方式です。学校推薦型選抜とは違い、学校長の推薦を必要とせず、複数回行われる面接によって合否が決定します。これまでのAO入試では学力試験を課さないことが多かったのですが、2021年度より、学校推薦型面接同様、「各大学・短期大学が実施する評価方法等」もしくは「大学入学共通テスト」のいずれかが評価されるようになります。

基本的な選考パターン

※短期大学によって受付の開始時期や手順、選考方法は異なりますので、詳細は各短期大学の募集要項で確認してください。

AO入試

総合型選抜の選考内容など

学力検査
AO入試時代は選考において学力試験はほぼ行われていませんでしたが、学校推薦型選抜と同様に総合型選抜では、以下のどれかひとつ以上の結果内容が必須となります。
●各大学・短期大学が実施する評価方法
(小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格や検定試験の成績など)
●大学入学共通テスト
必要書類
「調査書」「志願者本人の記載する資料」などを提出します。学校推薦型選抜同様、調査書には、学習成績の状況、出欠記録、部活や委員会などの特別活動の記録、そして指導上参考になる諸事項である、ボランティアや留学、資格取得などの活動が記載され、過ごしてきた高校生活全体が評価の対象となります。さらに「活動報告書」「大学入学志望理由書」「学修計画書」など、志願者本人の記載する資料も活用されます。
スケジュール
従来は出願開始は8月1日からでしたが、2021年度からは9月1日からとなり、受験対策において余裕が生まれました。また、発表は11月1日以降からとなります。

POINT

  1. 面接は複数回実施
    自己分析が重要
  2. 学力評価も選考基準となる
  3. 学業以外の課外活動が評価対象に

一般選抜(旧一般入試)・大学入学共通テスト(旧センター試験)利用入試

一般選抜としての特徴と傾向

私立短期大学の場合、これまでの一般入試は学内で行われる本学入試のほかに、キャンパス所在地以外の場所で実施する地方入試などもあり、受験生に適した日程・場所で受験ができます。また、短期大学の一般入試の多くは2教科入試が主流となっていますが、看護・医療系等の一部の学校では3~4教科入試が行われているケースもあり、特に英語は必須となっています。

こうした従来の試験方式、科目等の傾向は一般選抜となってからも変わりませんが、今後は調査書に加え、志願者本人が記載する資料など(エッセイ、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、各種大会や顕彰等の記録、総合的な学習の時間の成果等も含む)が積極的に活用されます。これらの内容は、具体的に数字化され一般選抜の筆記試験に加点される場合もあります。このほか大学入学共通テストの積極的な活用や、記述式問題の充実を始めとした思考力、判断力・表現力を測る問題の導入なども進められています。

大学入学共通テスト利用入試について

短期大学の入試では、大学入学共通テストと学校独自の試験で合否を決定するケースと、大学入学共通テストの各校が指定した科目のみの成績で合否を判断するケースが考えられますが、私立短期大学の場合、後者の方が多いと思われます。

大学入学共通テストは、大学入試センター試験からの変更点として、国語で実用文読解型問題の導入と、英語でのリーディング・リスニング問題の増量があります。また設問が全て英語表記になり、リスニング問題に1回読み問題が登場、単語量も4200語から5400語と大幅に増加するといわれています。さらに、数学で設問の正しい読解力が求められる問題や、科目全体で複数回答を選択する問題なども導入されます。こうした状況から、難易度はこれまで以上に高くなるとも見られています。試験対策は、これまで以上に重要となるでしょう。

学校独自の試験について

学校独自試験における英語は、これまで以上に4技能(読む・聞く・書く・話す)の能力が求められるようになります。また大学入学共通テストでは見送られた、民間の英語検定が導入されるケースもあると考えられます。

一般選抜と大学入学共通テスト利用入試のスケジュール

一般選抜と大学入学共通テスト利用入試のスケジュール

POINT

  1. 一般選抜でも調査書による評価あり
  2. 科目や試験方式は大きな変化なし
  3. 大学入学共通テストは難化が予想される

進路決定までのスケジュール

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