短大基礎講座【奨学金・教育ローンについて】

短大基礎講座【奨学金・教育ローンについて】

奨学金・教育ローンについて

短期大学進学に当たっては、受験に係る費用の他に、学校に納付するお金や生活費などさまざまなお金が必要になります。そこで活用したいのが奨学金制度。利用者も年々増えているこの制度ですが、“給付型(もらうタイプ)”と“貸与型(借りるタイプ)”の2種類があります。奨学金の利用を考える場合は早めの情報収集が必要で、申込時期や条件等に注意し、自分にあった奨学金を調べて活用してください。

【国の奨学金制度】日本学生支援機構

<貸与型>

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が運営し、最も利用者が多い奨学金です。無利息の「第一種」と、年利3%を上限とする利息が付く「第二種」があり、学力や家計などの基準があります。申込方法は進学前に在籍中の高校などで申し込む「予約採用」と短期大学進学後に申し込む「在学採用」があります。申込は原則として、学校を通じて手続きを行います。情報をこまめにチェックして、申し込みに遅れないよう気をつけましょう。

第一種奨学金(無利息)
区分(貸与月数) 学力 通学 年収・所得の上限額(4人世帯の場合)の目安 貸与月額
給与所得世帯 給与所得以外の世帯
私立短大(24月) 1年次から申込時までの成績の平均値が3.5以上 自宅 726万円 334万円 2万円・3万円・4万円・5万3千円から選択
自宅外 789万円 381万円 2万円・3万円・4万円・5万円・6万円から選択

在学採用時の貸与月数で算出しております。

※「学力」「年収・所得の上限額」は在学採用の場合の数値となります。
※2024年3月現在の数値となります。

第二種奨学金(有利息)
区分 学力
(次のいずれかに該当する者)
通学 年収・所得の上限額(4人世帯の場合)の目安 貸与月額
給与所得世帯 給与所得以外の世帯
私立短大 ①高等学校などでの学業成績が平均水準以上と認められる者
②特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められた者
③学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
自宅 1,128万円 720万円 2~12万円
(1万円刻み)
自宅外 1,175万円 767万円

※「学力」「年収・所得の上限額」は在学採用の場合の数値となります。
※2024年3月現在の数値となります。

【国の教育ローン】
日本政策金融公庫(貸与型) 教育一般貸付

教育資金を必要とする保護者を対象として、国の教育ローンを取り扱っています。入学前にまとまった金額を用意することができ、学費以外の住居費や教材費にも利用可能です。

融資金額 学生1人につき350万円以内※
返還期間 18年以内
利率 年2.25%
※母子家庭、父子家庭、世帯年収や子ども3人以上の世帯年収の基準以内の金利は年1.85%(2023年10月現在)
申込者資格 教育ローンまでお問い合わせください。
措置期間 在学期間内で元金の据置(利息のみの返済)が可能。
保証 (公財)教育資金融資保証基金の保証
※保証料が必要。連帯保証人による保証も可。

※自宅外通学や海外留学資金の場合450万円以内

返済の目安※年2.25%の利率で計算した場合
  返済期間 毎月の返済額
350万円借り入れの場合 5年(59回払い) 62,800円
10年(119回払い) 32,900円
15年(179回払い) 23,100円

※(公財)教育資金融資保証基金の保証料は含まれておりません。

【民間の教育ローン】
オリエントコーポレーション(貸与型)

株式会社オリエントコーポレーション(以下オリコ)が提携している学校に対して行っている教育ローンです。短期大学に納める学納金をオリコが立て替えて支払い、借りた分をオリコへ月々返済していきます。また、他の金融機関でも教育ローンを行っている場合がありますので、各学校にお問い合わせください。

申込者資格 入学予定者または在学生の保護者等
利用金額 10~500万円
使途 入学金、授業料などの学費
返済方法 ①通常返済(融資開始とともに、在学中から毎月定額で返済)
②ステップアップ返済(在学中は分割手数料のみの支払い、卒業後「通常返済」となる)
③親子リレー返済(卒業後に子弟が支払いを引き継ぐ)
一部繰上げ返済も可能
保証人 原則不要
申込方法 Web申込(ペーパーレス) 郵送(電話にて申込書取り寄せ)

【短期大学独自の奨学金(給付型、減免型、貸与型さまざま)】

短期大学によっては独自の奨学金制度を設けている学校もあります。各学校によってさまざまなので、募集時期・募集枠・金額等を学校案内や募集要項、HPで確認してください。資格要件は、入学試験の成績や家計、短期大学在学中の成績等いろいろあります。

【地方自治体による奨学金】
生活福祉資金貸付制度/母子・父子・寡婦福祉資金貸付制度(貸与型)

各自治体が経済支援を目的として行っている奨学金制度として、低所得者世帯などを対象とした「生活福祉資金貸付制度」や、母子家庭等を対象とした「母子・父子・寡婦福祉資金貸付制度」があります。両制度ともに原則として無利息で貸付を行っています。詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。

高等教育の修学支援新制度について

2020年4月より、「高等教育の修学支援新制度」が実施されました。今回の新制度の要点は「授業料・入学金の免除または減額」「給付型奨学金の支給」です。全国の大学・短大・専門学校のうち制度の対象校に進学する場合、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯など要件を満たした人には、授業料や入学金の免除・減免、給付型奨学金の拡充が適用されることになります。免除・減免と給付は同時に受けることができます。

高等教育修学支援新制度の概要

<支援内容>

授業料・入学金の減免と給付型奨学金の支給が同時に受けられます。支援の対象については世帯収入と学生個人に関する要件が求められます。

<支援金額>

授業料・入学金

世帯収入の要件で第1区分になった場合は入学・在籍する教育機関の授業料と入学金が原則として全額免除されます[表1]。

[表1]短期大学における授業料・入学金減免の上限額〈昼間制〉
国公立 私立
入学金 授業料 入学金 授業料
170,000円 390,000円 250,000円 620,000円

給付型奨学金

学生生活を送るために必要な生活費をまかなえる金額が支給されます。教育機関の種類と設置者のほか、自宅から通うか/自宅外から通うかによって支給額が変わります[表2]。

[表2]給付型奨学金の給付額(年額)(住民税非課税世帯)
大学・短期大学・専門学校 国公立 ①自宅生 年間350,400円(月額29,200円×12)
自宅外生 年間800,400円(月額66,700円×12)
私立 ②自宅生 年間459,600円(月額38,300円×12)
自宅外生 年間909,600円(月額75,800円×12)

また生活保護世帯や児童養護施設からの通学、里親等のもとで養育されていた者に限り、増額給付もあります[表3]。

[表3]生活保護世帯自宅生や児童養護施設等入所通学者・里親等のもとで養育されていた者への給付特別金額
生活保護世帯・児童養護施設入所通学者・里親等のもとで養育されていた者 国公立 自宅生 年間399,600円(月額33,300円×12)
①と比較:年額49,200円、月額4,100円高い
私立 年間510,000円(月額42,500円×12)
②と比較:年額50,400円、月額4,200円高い

<要件>

世帯収入に関する要件

住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯が対象です。世帯年収に応じて段階的に第1~第3の区分に分かれ、支援額が変わります[図1]。住民税非課税世帯は第1区分です。それに準ずる世帯は実収入ほか世帯人数や構成も考慮され、どの区分に該当するかが判断されます。

[図1]住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生(第1区分~第3区分)

人物に関する要件

進学前に求められる要件は「明確な進路意識(進学目的)」と「強い学びの意欲」です。学習成績の状況(旧評定平均値)が低い(3.5未満)場合も、レポートや面談を通じて進学や学習への意欲が認められれば、要件を満たしていると判断されます。ただし進学後の学習状況が望ましくない場合は支援が打ち切られるため、注意が必要です。
なお授業料・入学金減免と給付型奨学金は、どちらかだけを選択することはできません。

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