目 次
要約とは、文章において筆者が述べたいこと、つまり要点を簡潔にまとめることです。課題文のある小論文試験の一部として出題されるだけでなく、それ全体が文章を読解するのに有効な手段です。その要約で役立つのがSTEP3の「段落構成」で学んだ、各段落の役割や中心文に関する知識です。
どのような課題文も基本的には以下の手順で要約します。
以下は、STEP3の「段落構成をマスターしよう」掲載の例文とその要約です。要約は、中心文を基に組み立てられることが分かります。
<例:「若者言葉に関する小論文」> | |
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序論: | 若者言葉は、若い世代の会話やインターネットなどで頻繁に使われるが、乱れた言葉として否定的に捉えられることもある。若者言葉の特徴から、これらの言葉が否定的に捉えられる原因を考えたい。 |
本論1: | まず、若者言葉の特徴として、娯楽のための言葉であることが挙げられる。例えば、「まじ卍」などは言い回しを楽しむために使われる傾向があったが、この点には会話を楽しむ効果が指摘できる。しかし、この効果は仲間内でのみ発揮される。相手や状況を選ばずに使われれば、意思を伝達するうえで違和感を生じやすい。 |
本論2: | 意味が広いことも若者言葉の特徴である。例えば、「やばい」は多様な状態や感情を表現するよう変化した言葉であり、話者が言葉を選択する負担が少ない。しかし、このような言葉が多用されれば、詳細で的確な言葉を学び、使う経験は減ることになる。つまり、その使いやすさのために、話者が語彙を増やす機会を奪う可能性があるのである。 |
結論: | 相手や状況によって違和感が生じやすいことや、話者が語彙を増やす機会を奪いかねないことは、若者言葉を使うことに伴う問題点である。このような問題点を伴うことが、若者言葉が否定的に捉えられる原因であると考える。 |
<Point> | |
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⇒ テーマ | 「若者言葉」が「否定的に捉えられる原因」 |
⇒ 段落構成 | 「序論」「本論」「結論」。3つの意味段落(4つの形式段落)で構成。 |
⇒ キーワード | 「特徴」・「娯楽/楽しむ」・「相手や状況」・「意味の広さ」・「語彙」 |
<例:要約>
(序論)若者言葉の特徴から、これらの言葉が否定的に捉えられる原因を考えたい。(本論1)若者言葉には仲間内の会話を楽しむ効果はあるが、相手や状況を選ばずに使われれば、意思を伝達するうえで違和感を生じやすい。(本論2)また、意味が広く使いやすいため、話者が語彙を増やす機会を奪う可能性がある。(結論)このような問題点を伴うことが、若者言葉が否定的に捉えられる原因である。
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