STEP.5 プログラムを作ろう
実際に小論文を作成する手順を説明します。作成の流れとポイントを実作例にあてはめていきましょう。
時間配分 | 作成の流れ | ポイント | 構成メモ(例) |
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10~15分 | (1)設問文理解 | 設問文から、出題形式やテーマを理解する。 ➡【STEP4 1~2】 |
「若者言葉」について、自ら問題を設定し、答えを述べる。 ⇒「テーマ型」・自由に論じさせる設問 |
(2)テーマを整理 問題を設定 |
テーマに関する知識・情報を整理。その内容を分析し、解き明かしたい問題を定める(問題提起)。 ➡【STEP1 2】 |
・「若者言葉」:若者らしい言葉や言い方 ・例:「やばい」「ぴえん」「まじ卍」 ・特徴:仲間内の言葉、娯楽、会話促進 ・「言葉の乱れ」・・否定的な見方がある ⇒なぜ否定的に捉えられるのだろうか |
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(3)主張を決定 | 問題に対する答え(主張)を、筋道を立てて考える。 ➡【STEP1 2】 |
⇒若者言葉の特徴は、娯楽のための言葉であること、また意味が広いこと。 ⇒会話を楽しむ効果はあるが、相手や状況によっては違和感を生む。 ⇒意味が広いため使いやすいが、話者が語彙を増やす機会を奪う。 ⇒これらが否定的な捉え方の原因だ。 |
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(4)文章を構成する (字数配分も考える) |
①序論:主張や論述の方向性を示す ②本論:主張を証明する根拠を提示。 ③結論:①~②をまとめる。 ➡【STEP3 1】 |
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40分 | (1)~(4)までの考えを基に記述する | 書くためのルールを守り、楷書で丁寧に書く。 ➡【STEP2 1~3】 |
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5~10分 | 見直しをする | 誤字や分かりづらい表現、文字数などをチェックする。 |
【テーマ「若者言葉についてあなたの考えを述べなさい」制限時間60分/制限字数600字以内の場合】
若者言葉は、若い世代の会話やインターネットなどで頻繁に使われるが、乱れた言葉として否定的に捉えられることもある。若者言葉の特徴から、これらの言葉が否定的に捉えられる原因を考えたい。
まず、若者言葉の特徴として、娯楽のための言葉であることが挙げられる。例えば、かつて流行した「まじ卍」などは、意味の伝達よりも言い回しを楽しむために使われる傾向があった。この点には、会話を楽しむ効果が指摘できる。しかし、この効果は仲間内の会話でのみ発揮される。相手や状況を選ばずに使われれば、意思の伝達において違和感を生じやすいと考える。
意味が広いことも若者言葉の特徴である。近年では若者言葉とされる「やばい」は、本来「ひどく悪い」という意味だったが、現在は良い状態を指す際にも用いられる。同様のことは「ぴえん」などにもいえるが、多様な状態や感情を表現するのに使用できるため、話者が言葉を選ぶ負担が少ない。しかし、このような言葉が多用されれば、より詳細で的確な言葉を学んだり、使ったりする経験は減ることになる。つまり、その使いやすさのために、語彙を増やす機会を話者から奪う可能性があるのである。
特定の効果がありながら相手や状況よって違和感を生じやすいこと、また、話者が語彙を増やす機会を奪いかねないことは、若者言葉の使用に伴う問題点である。このような問題点を伴うことが、若者言葉が否定的に捉えられる原因であると考える。
(598文字)
目次
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STEP.1
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STEP.2
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STEP.3
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STEP.4
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STEP.5
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STEP.6
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STEP.7