STEP.1 小論文とは

STEP.1 小論文とは

STEP.1 小論文とは

小論文は、問いに対する自分の考え(主張)を、その理由や具体的な事実(根拠)を示しながら説明する文章です。書き手の主張に絶対の正解はなく、その内容は自由です。ただし、それを説明するための根拠は揺るがない事実でなくてはいけません。そのため、考える力やテーマに対する知識・理解度が問われます。

1. 主張と根拠

まず、主張と根拠の組み合わせ方として、以下の例文を見てみましょう。
A~Cの文のうち、最も説得力のある一文はどれだと思いますか。

  • A.A氏の当選が確実だ。なぜなら、たくさんの人が投票したように感じるからだ。
  • B.B氏の当選が確実だ。なぜなら、〇〇県の第1区からの出馬だからだ。
  • C.C氏の当選が確実だ。なぜなら、当選条件である有効票数の30,000票を獲得したからだ。

Aでは、書き手個人の印象が先行しており、「たくさん」という書き手の感じ方に左右される情報を根拠にしています。このような主観的な文章では、読み手を納得させられません。

Bでは、出馬したのが〇〇県第1区だからといって、それが当選にどうつながるのかが不明です。このような説明不足の文章は「論理の飛躍」といい、Aと同じく納得につながりません。

これらに比べ、Cは「30,000票」という誰が見ても変わらない客観的な情報が示されており、それが「当選条件である有効票数」であることから、それより多い得票者がいないことが分かるため、意味と意味がつながった論理的な説明ということができます。
つまり、ここではC氏の当選が確実という主張が正しいことが分かります。

以上のように、小論文では主張と根拠を論理的につなぐことが重要です。

2. 小論文のテーマと出題形式

では、小論文ではどのような問題が出題されるのでしょうか。先ほど見たように、客観的な情報が根拠として求められる小論文では、社会で広く共有されている時事的な問題や、受験者が専攻する学問分野に関連することについて出題されます。以下はほんの一例ですが、これらについて述べるためにも、日頃から社会の出来事に関心を持ち、目指す分野について積極的に情報収集を行う必要があります。

<テーマ例>
  • 人工知能(AI)の活用
  • SNSの普及と弊害
  • 少子高齢化への対処
  • 気候の変動と自然災害の頻発
  • 持続可能な開発目標(SDGs)の課題と対策 など

どのような形式で出題されるかも、問題によって異なります。ここでは以下の3種類を紹介します。

<出題形式>
テーマ型:問題文のみの出題に答える形式
<例>
問:現在の日本の医療福祉制度の課題とその対処についてあなたの考えを800字以内で述べなさい。
課題文型:課題文を読んで、問題文に答える形式
<例>
問1:次の課題文を200字以内で要約しなさい。
問2:筆者の、日本の医療福祉制度に関する見解について、あなたはどのように考えますか。800字以内で述べなさい。
図表型:表やグラフなどの資料を読み、問題文に答える形式
<例>
問:図1・2から、日本の年齢別の人口の推移に関してどのような問題が読み取れるでしょうか。また、その問題への対処として何を行うべきか、あなたの考えを800字以内で述べなさい。

問題文のみの出題であるテーマ型は、他の形式に比べ取り組みやすいものもありますが、その問題文以外に考えを導くヒントがありませんので、出題されたテーマに対する知識や理解が求められます。

課題文型は著者の意見を読み取ったり、要約したりする読解力が、図表型は視覚化されたデータを読み取りその背景にある現象を発見する力が求められますので、それぞれに読解の訓練が必要です。要約の仕方については、段落の組み立て方と合わせて学びましょう。

また、大学や学部学科によっては、課題文や複数の図表を組み合わせた形で出題されることもありますので、志望校の入学試験ではどのような形式で小論文が扱われているかを理解しておきましょう。

3. 小論文と作文 他

小論文に関連して、「小論文と作文の違いは何?」「対策は同じで良い?」などの疑問を持つかもしれません。高校生が入試で取り組む文章題を整理すると、以下のようにまとめられます。

文章題 内容 出題例 書き方(文体)
小論文 社会のこと
・ニュース・時事問題
・専攻する学問分野
・子どものSNS禁止への賛否
・地域における災害対策
「だ・である調(常体)」に統一
作文 個人(書き手)のこと
・経験や出来事
・進路に対する考え
・失敗から学んだこと
・10年後の自分について
「だ・である調(常体)」か「です・ます調(敬体)」のどちらかに統一
自己PR文 人物像・アピールポイント ・あなたの長所を述べよ
志望理由書 志望校を選んだ理由 ・志望理由を述べなさい
・学習計画を説明しなさい

「小論文と作文の違い」で言えば、表にある通り文章内で扱う内容が、小論文は社会のこと、作文は個人のことに分かれる、ということができます。そして、個人のことを読み手に伝えるという点では、自己PR文や志望理由書も、作文の一種、または延長線上にあるという意見もあります。

しかし、実際の入試では、小論文の問題に受験者の個人的経験や、志望理由を盛り込んで述べることを条件とする事例もあります。そのため、文章題の区別は認識しておきつつ、あくまでも問題を読み取り、的確に答えることが重要と捉えるべきでしょう。そして、問われたことに対して、考えを示し、理由を挙げて説明することが、どの文章題にも共通の鉄則になることを押さえておきましょう。
また、文体(だ・である調とです・ます調)の違いはありますが、それ以外の書き方(文章作成のルール)もほとんど共通です。

ただし、扱う内容が社会のことか、個人のことかによって、準備するべき内容は変わってきますので、それぞれのポイントをおさえながら対策を進めていきましょう。

「文章作成のルール」について学習したい方はこちらから

「志望理由書」について学習したい方はこちらから

4. 入試と小論文

小論文をはじめとする文章題が、入学試験においてどのように位置づけられるかも見ておきましょう。試験の形式によっては、小論文が重要な割合を占めることもあります。

<入試の種類と試験内容>

学校 種類 時期 試験内容
大学 総合型選抜 9~10月 書類審査(志望理由の他、自己PRが含まれることも)/学力審査/面接・小論文作文/口頭試問・プレゼンテーション等受験者自身が作成した書類・発表
学校推薦型選抜(公募/指定校) 11~12月
一般選抜 1~3月 学力審査(大学によっては小論文を含む)/面接(主に看護医療系大学)
専門学校 AO入試 9~10月 書類審査(志望理由の他、自己PRが含まれることも)/小論文・作文(主に看護医療系)/面接
推薦入試(公募/指定校) 11~12月
一般入試 1~3月 学力審査/面接(主に看護医療系専門学校)

総合型選抜や学校推薦型選抜は、近年その受験者数が受験者全体に占める割合を増してきており、その試験内容には、小論文が試験の一つとしては設定される傾向が高いです。また、看護医療系の専門学校の入試におけるAO入試や推薦入試においても、小論文が課せられることがあります。

これらの入試は、受験者の進路に対する意欲や入学後の可能性を評価する、人物重視の入試と言われます。そのような入試において、書き手の考える力やテーマへの知識・理解、文章を作成する技術が表れる、小論文や志望理由書は重要な比重を占めています。

その中で、志望理由書や自己PRは、エントリーシートなどの提出物として課されることが多く、提出期限までの情報収集と文章の完成が必要です。それに対して、小論文は試験の一部として設定されているため、本番の限られた時間内で作成する技術を身に付けなくてはいけません。

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