文章を読んでいると、改行で区切られた複数の文の塊があることに気付きます。この塊が段落です。
段落は、同じ意味や内容でまとめられています。つまり、1つの段落の中では、同じ話題についてのみ述べられています。このように、特定の意味や内容を分かりやすく示すことが段落の役割です。
ここでは、段落の構成の仕方として、「序論」「本論」「結論」という3段構成を紹介します。
役割 | 内容(字数配分) |
---|---|
序論 | 問題提起によって論点を定め、それに対する主張や論述の方向性を示す。 (字数配分:10%~15%) |
本論 | 調査や分析をして分かった事実を基に、主張を裏付ける根拠を述べていく。論述に必要であれば2つ以上の段落から成ることもある。(字数配分:65%~80%) |
結論 | 本論での証明や理由付けを基にして自分の主張を明確にまとめる。 (字数配分:15%~20%) |
ここで形式段落と意味段落について理解しておきましょう。
改行一字下げをしているところから、次の改行までのまとまりのこと。読みやすさを重視するために設ける。
意味や内容のまとまりによって分けられる。述べている内容が共通している1つ以上の形式段落で成り立つ。3段構成の場合、意味段落は3つ。
※3段構成の場合でも、形式段落の数は3つとは限りません。本論を2つの段落で構成する場合、形式段落は4つ、意味段落は3つになります。
段落にはその中で最も述べたいことが書かれている文があります。その一文を中心文(トピックセンテンス)といいます。段落は意味や内容のまとまりごとに分けるので、1つの文に中心文は1つです。
以下の例文を参考に、各段落の役割と中心文の関係を確認しましょう。
<例:「若者言葉に関する小論文」> | |
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序論: | 若者言葉は、若い世代の会話やインターネットなどで頻繁に使われるが、乱れた言葉として否定的に捉えられることもある。若者言葉の特徴から、これらの言葉が否定的に捉えられる原因を考えたい。 |
本論1: | まず、若者言葉の特徴として、娯楽のための言葉であることが挙げられる。例えば、「まじ卍」などは言い回しを楽しむために使われる傾向があったが、この点には会話を楽しむ効果が指摘できる。しかし、この効果は仲間内でのみ発揮される。相手や状況を選ばずに使われれば、意思を伝達するうえで違和感を生じやすい。 |
本論2: | 意味が広いことも若者言葉の特徴である。例えば、「やばい」は多様な状態や感情を表現するよう変化した言葉であり、話者が言葉を選択する負担が少ない。しかし、このような言葉が多用されれば、詳細で的確な言葉を学び、使う経験は減ることになる。つまり、その使いやすさのために、話者が語彙を増やす機会を奪う可能性があるのである。 |
結論: | 相手や状況によって違和感が生じやすいことや、話者が語彙を増やす機会を奪いかねないことは、若者言葉を使うことに伴う問題点である。このような問題点を伴うことが、若者言葉が否定的に捉えられる原因であると考える。 |
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