通信制サポート校
通信制高等学校卒業を目指し、しっかり支えてくれる
中退後の進路
文部科学省の調べによると、2020年度国・公・私立高等学校における中途退学者の合計は34,965 人で、中途退学者の割合(中退率)は全体の1.1%となっています。数値自体は最も数が多かった(12万人超)平成初期の頃よりだいぶ減少していますが、今通っている学校が自分に合わない、あるいは他の学校へ転校を考えている、という潜在的な中途退学予備軍を加えると、その割合はより高いものになるかもしれません。
全日制の高校を中途退学しても、学びたいことを学んだり、夢を叶えるための道はたくさんあります。
“自分のペース”が魅力
そのような場所のひとつとして大きな役割を担っているのが、通信制(単位制)高校です。通信制高校のメリットは、自分のペースで学習ができることです。しかし実際には、通信制高校の生徒のうち、3年で卒業できない人も多くいます。自分一人で学習することは、実はかなり難しいからです。
言ってみれば、サポート校は通信制高校の生徒のための補習塾ということになります。しかし、いわゆる補習塾と違う点は、単に学習面の指導にとどまらず、生活面を含めて、学生一人ひとりを全面的に、しかもきめ細かくバックアップすることにあります。
さらに、通信制高校に在籍する生徒の多くが、管理されるのではなく自由でマイペースな高校生活を送ることを望んでいます。このため、その形はさらに多様にならざるを得ません。しかし、やはり生徒の多くが卒業を望んでいるのですから、無理なく無駄なく、一人ひとりの学力や個性を尊重したカリキュラムの設定が求められています。
受験資格
原則として中学卒業見込み者(現中学3年生)、または中学校既卒者、高等学校に在籍している者、高等学校を中途退学した者。
入学時期
主として春と秋の入学ですが、転入・編入については随時受け入れを行っている学校も増えています。なお、サポート校へ入学すると同時に、通信制高校へも入学することになります。これは、通信制サポート校が学校教育法上で高等学校と認定されていないことによるものです。
入学試験
ほとんどの場合が、書類選考と面接です。学校によっては、作文や基本的な学力試験といった筆記試験が行われる場合もあります。
サポート校の授業形態
授業の中心は通信制高校の補習となりますから、通常の高校と同じ科目が基本です。時間割はかなり柔軟で、各校で工夫が見られます。普通高校より開始時間がやや遅く、終了時間はやや早い設定が多いようですが、午後だけのコースやフレックス制など、学生のペースに合わせたものまでさまざまです。不登校生への特別な配慮をしているところも少なくありません。
サポート校では、単に通信制高校卒業資格だけを目標とするのではなく、高校卒業後の進路に合わせてさまざまなコースを設定しているところが一般的です。大学受験をめざす進学コース、就職を有利に展開するビジネスコースや公務員コースなどのほか、音楽コースなど生徒の興味に応えるコースも設置しています。
また、少人数制をとっているため、教師と生徒の距離が近く、生活面でのアドバイスが常に行える教育環境が特色となっており、悩みを抱えた学生をカウンセラーがフォローする体制が整ったサポート校も多くあります。
サポート校の現状
新しい教育の選択肢としてサポート校は増えてきています。その形態もいわゆる補習塾規模から、一般的な高校に近いものまで様々です。
そして気になる学費は、私立高校と同額程度の費用に加え、通信制高校の諸費用も必要となるため、決して安くはありません。しっかりしたカリキュラムで指導を行っているサポート校を選びたいものです。
そこで上手に活用したいのが体験入学です。ほとんどのサポート校が実施していますから、自分に合った環境かどうか、自分が3年間安心してやり遂げられることができるかどうか、実際に確かめてみましょう。
【体験入学のチェックポイント】 ☑ 校舎の環境は? ☑ 生徒の雰囲気は? ☑ 先生・授業の様子 |
【まとめ】 ☑ 通信制高校の補習塾的存在 ☑ サポート校単体では入学しない ☑ 授業科目は通常の高校と同じ |